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サイコパスの涙

冷酷なイメージのあるサイコパス。実はサイコパスが涙を見せることがある。

それは、嬉しい時とか、悲しい時ではない。悔しいからでもない。サイコパスが涙を見せる時、それは、周りからの同情を得ようとする時だ。

『良心をもたない人たち』(マーサ・スタウト著)に、「良心をもたない人(サイコパス)の見分け方」という章がある。
そこには次のようにある。

信じていけない相手をどうやって見分けるか。…
最高の目安になるのは、おそらく、"泣き落とし"だ。平気で悪事をする人びとのあいだでもっとも普遍的な行動は、ふつうの人が予想するように、私たちの恐怖心に訴えるものではない。私たちの同情心に訴えるものなのだ。…

サイコパスがなぜ同情を買うのが好きなのか… その理由は、善良な人たちが、かわいそうな人間にたいしては、殺人をも見逃がしがちだからだ。そのため、ゲームの続行を望むサイコパスは、同情を誘うような演技を繰り返す。

善良な人々の同情は、称賛以上に――そして恐怖以上に――好き勝手にできる力をあたえる。人はだれかに同情するとき、少なくとも当座のあいだは、無防備になる。
『良心をもたない人たち』(マーサ・スタウト著)

サイコパスと思われるAが、あるミーティングで涙を見せた。申し訳ない態度を見せながら。

まさに"泣き落とし"だ。

今まで見てきたAの多くの行動は、サイコパスの特徴と一致してきた。ただ一つ気になったのは、Aの泣き落としを今まで見たことがなかったことだ。

Aが泣いた。同情を得ようと。もう彼がサイコパスであることは決定的と思っていいかもしれない。

Aの周りで繰り返し起きている混乱。このゲームをAは今後も続行していくつもりなのか。

誠実を装い、嘘をついても表情やそぶりにあらわれることがないサイコパス気質のA。そういう状況で、Aの悪事を訴えても理解を得るのが難しい。状況の悪化はまだまだ続きそうだ。

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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