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「詐欺師=サイコパス」ではない、その違いとは

時々、「詐欺師はサイコパス」という情報を見かけたりする。ところで本当に「詐欺師=サイコパス」なのだろうか。

平気で人を騙すという点からすると、サイコパスは皆、詐欺師的であるとは言える。しかし詐欺師は全員サイコパスか、といういうと、そういう訳ではない。

ちなみにサイコパスとは「良心を持たない人」のことである。

では、「サイコパスの詐欺師的な人」と「サイコパスではない詐欺師」にはどんな違いがあるのだろうか? その特徴を考えてみた。

周囲は詐欺と感ずるが、当人は気づかない

まず、サイコパスではない詐欺師に騙される場合。被害者は周囲の人から「あの人には気をつけたほうがいいよ」と注意を促されたりする事が多い。周囲は結構、詐欺師のうさん臭さを感じたりするものだ。しかし、当の本人は、そのような注意を受けても、「大丈夫。あの人はいい人」と言いながら、結局騙されて被害に遭う、こんなケースが多いようだ。

当人はうさん臭さを感じるが、周囲は「あの人は良い人」と思う

一方、サイコパスに騙される場合はこれと逆だ。サイコパスのターゲットになっている本人は、サイコパスをうさん臭く感じたりする。一方、周囲はサイコパスのうさん臭さに気づかず、「あの人はいい人」「できる人」と思うことが多い。そしてターゲットになった人はサイコパスの罠にはまり、貶められ、名誉や財産、金品を失ったりする。

サイコパスによる被害の恐ろしさ

さらに恐ろしいのはその後だ。サイコパスに貶められた被害者は周囲にサイコパスの非を訴える。しかし周囲は「あの人がそんなことするはずがない」「何かあなたは勘違いしている」と逆に責められてしまうという事が起こる。罠にはめられ、大切なものを失った。しかし、罠を仕掛けたサイコパスは素知らぬ顔。むしろターゲットにされた被害者に非があると周りは思ってしまう。

この状況は、サイコパスではない詐欺師の被害に遭った場合と逆だ。詐欺師のケースでは、周囲は、「騙された方も問題だ」と思うことがあるが、もっと「悪いのは詐欺師だ」と考え、同情は被害者に向かい、非難は詐欺師に向かう。

しかし、サイコパスの被害に遭った場合は、サイコパスの流した悪質な誤報などが信じられ、その誤報などによる被害に遭った人が、周囲から責められる、といったことが起こる。そして被害者がサイコパスを非難すると、周囲からの同情はサイコパスに向かう。その結果、被害者はさらに非難される。こうして被害者の苦悩はいつまでも続くことになる。

サイコパスと詐欺師の違い

なぜ、こんな違いが起きるのか。サイコパスではない詐欺師は、お金とか何か欲しいものがあって、それを得るために人を騙す。ターゲットは自分が欲しいものを持っていて、かつ騙しやすそうな人だ。騙しても欲しいものが得られない人を騙すことはない。また騙すことが難しそうな人は厄介なのでターゲットにしない。ターゲットや動機が明確なので、ちょっと敏感な人なら詐欺師と感じる。特に利害関係のない第三者は詐欺師と見抜くことが多い。

だから振り込め詐欺など、騙されている本人は騙されていることに気づかなくても、周囲は「これはきっと詐欺だぞ」と気づくのである。

詐欺師は、ターゲットが苦しむことは想定しても、「不特定多数を苦しめはしない」という良心が少なからずある。ターゲットが苦しむことに対して詐欺師は、「騙された奴が悪いんだ」とか「どうせ金をたくさん持ってるし、俺が騙さなくたって誰かほかの人に騙されてた」と自分の行為を正当化(合理化)する。これは自ら良心の呵責を和らげようとする行為であり思考である。

サイコパスはというと、不特定多数を苦しめることにためらいはない。そして貶めるターゲットは、どうせ他の人が騙すだろうという騙しやすい人ではない。むしろ人を見る目がある人だ。自分の正体(サイコパス)がばれることを防ぐためだ。正体がばれることは、自分の存在危機につながる。

その自分の生存を危うくするターゲットを貶めるために、サイコパスがとる方法が周囲の不特定多数を騙すことだ。この周囲の人たちはサイコパスに騙されているわけだが、特段被害を受けるわけではない。貶めるターゲットを確実に貶めるためにサイコパスにとっては利用するための存在である。

サイコパスのターゲットになるタイプは

サイコパスの最もターゲットになりやすいのは、誠実で人望があり、人を見る目がある人だ。こうした人物をターゲットにするのは、自分の正体がバレるのを防ぐためだけではない。自分にはない誠実さを持って人から慕われている人を見るとシャクに触るからだ。こういう人物を貶めるのはサイコパスにとって、この上ない快楽ともなる。

良心がないサイコパスは、嘘をついても動揺する事はない。人が傷ついても心が痛むことはない。「悪いのはあいつだ」と正当化(合理化)して、良心の呵責を和らげるプロセスも必要ない。

だから歯止めはない。ただ自分がサイコパスとバレそうになるのには敏感だ。歯止めをかけられるのはサイコパスと見抜く事ができる人だけだ。しかしそんな人たちはサイコパスの正体を暴く前に、サイコパスの餌食になるのが通常だ。

サイコパスに関する正しい知識が重要な理由

こんなサイコパスから身を守るには、サイコパスに関する正しい知識を身につけ、サイコパスとの接触を出来るだけ避ける。これに尽きると言える。

だからサイコパスに関する正しい知識の普及が大切となる。サイコパスによる被害を少しでも減らすために。

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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