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タリウム事件の容疑者、宮本一希の正体

女子大生にタリウムを飲ませ殺害した容疑で逮捕された宮本一希。彼に関する新たな情報が昨日、3月9日発売の週刊新潮や週刊文春に掲載されていた。

容疑者の人物像、相反する評価とその理由

今までは、「誠実そうな人」「人当たりがいい」「物腰柔らか」「奥様と仲がよさそうだった」などの証言が知人たちからあがっていた。犯罪を犯すような人には見えない、という印象を持たれていたようだ。

一方で、週刊文春には、「遊び歩いているだけの不動産屋さん」「アルバイトしている女の子を見つけては、イベントの仕事を手伝わせていたみたい」「ご主人は育児を奥さんにまかせっきり、また離婚を繰り返すのではないか」などの近隣の人びとの証言が掲載されていた。

同じ人物に関して、まったく相反する評価がされる。これは、サイコパスにおいてよくあることだ。

断定はできないが、宮本の正体、それはサイコパスの可能性がかなり高そうだ。普通に見れば理解し難いこの事件にまつわる数々の出来事も、容疑者がサイコパスだとしたら、納得できることばかりとなる。恐ろしい話だが。

まったく相反する宮本への評価。それは使い道のある人物には好印象を与える行動を見せ、そうではない人には、自分の行動を装わないので、冷たく自分勝手な人物に映る、というサイコパスの特徴を表している。

理解し難い動機

サイコパスを一言で表現すれば、「良心のない人」だ。誰もが感じる良心の呵責を感じることがない、罪悪感を感じることがないのである。

そんなサイコパスの心は希薄だ。そして人を自分に都合よく操ろうとする。使い道があるターゲットに対してサイコパスは良い人物を演ずる。だから宮本と近い関係にあった人の多くは、宮本に良い印象を持っていたのだろう。

被害者の女子大生もきっと宮本のことをいい人と思い込んでいたと思われる。そして好意を抱いていた可能性は高いだろう。

ところが、サイコパスの心は希薄なので、心から人と親しくなることができない。できることは人を利用することで、愛することはできないのである。

被害者の体調が悪化しても救急車を呼ばず、夜が明けてから、被害者の母親に連絡。被害者はかなり咳き込み苦しそうにしていたことだろうが、宮本はその様子を一夜にわたって見ていたということだ。心配を装ってはいたのかもしれないが。

こうした行動は、通常の精神ではとてもできないことだし、想像もできない。しかし良心の呵責を感じないサイコパスはむしろそれを楽しむようだ。恐ろしい。

翌日、被害者の母親に連絡し、両親が到着した時、被害者は重症に近い状態だったことだろう。駆けつけた両親は娘の苦しそうな姿を見て、不安と大きな心配に駆られていたに違いない。ここでも宮本は両親が心配している様子を楽しんでいたのかもしれない。自らは心配を装いながら。

実際、宮本は、仕事があるからと言って、ゴルフの練習に行ってしまったという。心配していたらとてもできない行動だ。しかし、こうした行動パターンはサイコパスの典型でもある。

サイコパスならかつても周辺できっと不審死が

この事件が報道された時、犯人はサイコパスかもしれない。もしそうなら、きっと過去にも宮本の近くで不審死があったことだろう、と思っていた。

そして驚くことに、週刊新潮の報道によると、数年前に宮本の父親は謎の死を遂げ、宮本の世話をしていた伯母は3年ほど前から仕事に就けない状態になったという。その後、遺産を得たであろう宮本は、遊び三昧の生活を送るようになったようだ。あまりにもサイコパスの典型的行動パターンと一致している。本当に恐ろしくなる。

医師が死亡の経緯を不審に思わなかったとしたら

被害者の死亡の経緯を不審に思った医師が警察に通報したことで、事件化したが、もし医師が警察に通報しなかったら、宮本は今も平気で遊び回り、新たな被害者が生まれていたかもしれない。

いまだ、宮本がサイコパスかもしれないと指摘する報道はみられない。普通なら不倫関係、男女関係のもつれが動機とか考えるのだろうが、サイコパスが悪事を働く動機は通常では考えられないものだ。だから犯人がサイコパスの場合、動機から事件を解明しようとすれば、迷路に入り込む。

サイコパスに関する知識の普及の大切さ

犯人をサイコパスと決めつけるのは控えるべきなのだろうが、宮本がサイコパスの可能性があること視野に入れ、事件を解明する必要があると思う。

サイコパスによる被害を防ぐのは簡単ではない。それでもサイコパスに関する知識の普及は、サイコパスによる犯罪から身を守り、犠牲者を作らないようにするうえで、役に立つことがある。

ふつうでは想定できないことが起きるのがサイコパスによる被害だ。その防止のためには、サイコパスに関して正しく知ることが必要となる。

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