OccupationalHealth

我が国では雇用の7割をしめる中小企業の労働者。 労働者の健康問題は本人、事業者にとって…

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我が国では雇用の7割をしめる中小企業の労働者。 労働者の健康問題は本人、事業者にとってもさらには社会にとっても重要な課題です。 産業医経験をもとに、中小事業所の人事労務関係者に参考になるよまとめました。まとめました。

最近の記事

ニューノーマルから(リモートワーク)

ニューノーマルから次なる段階に COVID19の感染予防から注目されたリモートワークが新しい働き方として注目されて以来、感染が落ち着いた状況で次の段階を迎えています。 リモートワークのトレンド COVID19の流行前からリモートワークという就業形態が進んででいましたが、2020年の緊急事態宣言を契機にリモートワークがニューノーマルとして推進されました。 感染が治まる2023年から出社制限が緩和されて、現在一部の企業では全日出社の方針を出しています。 今回は、リモートワークの

    • 職場におけるアスペルガー症

      今回は、アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム症といった「脳の個性」に関する話題です。 治療もさることながら、職場での理解と工夫が重要になってきます。 アスペルガー症候群とは 大きな特徴は、コミュニケーションの問題と反復こだわりの問題があります ・コミュニケーションの問題 職場では社内社外を関わらず、コミュニケーションは仕事の要素になります。このコミュニケーションに支障が出てくることが多いです。「報連相」がうまくいかないことになります。 ・反復とこだわり 固定観念が強く、

      • 女性の就業を支援

        女性の就業を支援する 直近の統計では、15-64歳の女性の72.4%が仕事をしています。職場でも女性の労働力は大切な役割を果たしています。 一方、これまでも女性の健康に対して、いま考えなくてはいけない点をまとめてみました。 女性特有の健康課題は 女性は男性と異なり生理周期というホルモンに由来する体内の変化があります。生理周期は身体的だけでなくメンタルにも負担になり、就業に影響することがあります。 また、妊娠出産という大きな変化もあります。現在、少子化の一因として不妊の問

        • 合理的配慮とは

          合理的配慮とは 職場における合理的配慮とは 障害者差別解消法によって令和6年(2024年)4月1日から障害のある労働者への合理的配慮の提供が義務化されました。 ここでは障害者手帳の有無にかかわらず、業務の遂行へのバリアを解消するように努めることになります。 事業所で問題になるのは、復職時にどこまで配慮をすべきなのか、不調者に対してどこまで配慮すべきなのかという点だと思います。 社会的バリアの理解 雇用する際には、企業と労働者は労働契約法に従って雇用契約を締結しています。

        ニューノーマルから(リモートワーク)

          復職後気をつけること

          復職後気をつけること 事業所は労働契約法第5条に従い、労働者に対する安全配慮義務が求められます。復職した当日から休職前と同様の就業を求めるのではなく、順調に仕事に戻るための助走期間を考えることになります。 それでは、どのように進めるかです。 復職後一定期間は法定労働時間で 復職後一定期間は、法定労働時間のみで健康状態を確認することが望ましいです。法定労働時間を遵守して、復職後の体調を確認することが望まれます。またこの期間の日中の勤務として、出張は控えるようにすることが良

          復職後気をつけること

          復職決定後、再び不調に

          復職決定後、突然不調に 適応障害にて数ヶ月休職した社員で、主治医からも症状も寛解して就業可能であるとの診断書の提出があり、産業医も定期的な面接に加え、復職可否面談でも復職可能であると判断したケースです。 人事にも復職可能であると報告したところ、突然本人から再面談のリクエストが来ました。 復職前の不調とは 復職が決まり、仕事のことをいろいろと考えているうちに、心配が強くなり中途覚醒を起こすようになったとのことで、相談がありました。体調確認をしたところ、予定されていた復帰

          復職決定後、再び不調に

          復帰可能診断書を上手に読む

          休職者が主治医から復帰可能である旨の診断書を提出した場合 休みを取る期間は、治療に集中するために働かない期間ですので、主治医が治療することが前提です。つまり、その医師が治療の観点から復帰を判断することが多いです。ここで問題となるのが、企業の医者による復職の判断との関係です。 産業医による復職判定とは 労働安全衛生法では、事業者は医師の意見を聴取し(66条の4)、必要があると認められるときは、 健康安全配慮のための措置を講じなければならない(66条の5)と定められています

          復帰可能診断書を上手に読む

          失敗しない復職

          復職判断にトラブらないために休職者を仕事に戻ってもらうかは、人事担当者の大きな問題です。 産業医は、復職判定に際して事業所の安全配慮に支援しつつ、本人にも納得いく判断していくか細心の注意を払っています。 基本としているのは、就業可能性を客観的に判断の根拠にしています。 判断根拠には以下の3項目を大切にしています。 病状の安定性 日常生活の規則性 復職への意思 次回からこの3つの根拠について話を進めます。 病状の安定性とは健康上の問題から就業を制限すべき状況を認めた時

          失敗しない復職