あたおか散文2020/7月まとめ

こちらTwitterでつぶやいたものをまとめたものです

あたおか散文参加以前のものも一緒にまとめてあります



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解像度のおちた空、投影の自由に誰もが躊躇を口にする

唯一鮮明な自我の足ぶみにリズムを奪われ、不気味に踊る影に潜って目を閉じ息を止める

酸化、昂った心臓、怠さの果実

冷静さを省いた啓発教室で半開きの目蓋から半透明な夢の撮影、ワンシーンだけの上達、声なきイマジナリーライン

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ため息ひとつでひっくり返るほどに世界は軽いものかもしれない

それを繋ぎ止めているものは何か、その理由はどこにあるのか、悩む事で重さを加えていく

案外袖に引っかかってるだけかもしれないし、指に絡まってるだけかもしれない

苦笑いひとつで飛んでいくほどに、この世界は軽いものかもしれない

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バッドエンドフィルターを買った、僕にとってこの世界は素晴らしすぎるから

情けない自分にふさわしいのはこっち側、言い聞かせる度に滲んで揺らぐ影法師

音信不通な配役の責任者、何を満たしたかったのだろうか

バッドエンドフィルターを外した、世界にとってこの僕も素晴らしいの一つのようだから

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今宵のナポリタンエスプレッソは少し苦い、旬の切り替わりなのだろう

大柄な農夫はうどんを三口でたいらげた、九連勤のウエイトレスは笑顔の仮面がくたびれている

誰として自分を知らない

見えてるのはいつだって誰かという陰影、目線の発信源から目を逸さぬようにと、苦味は絶えず舌の上

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仮にこの世界は自分の望み以外叶わないとした時に、変わる事も変わらない事も望まない、いわゆる現状維持を望んだとする

なのに身体は常に生まれ変わって、心は常に何かを蓄えて、時間という概念の中にいる限り、その現状維持という望みそのものが破綻しているような

この文そのもののようなきがした

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暗闇に慣れきった目、ぼやけた行燈、かすむ標識、酸化したのは大量生産の現実

軽く震える手を振って、絡めとられた一歩を繰り返す

足跡は沈み、声は溺れる

寝苦しい夜にみた煌びやかな夢を背負って、興を息て生く

びしょ濡れの覚悟と腐敗した自己愛を連れて、今日をこなして生く

幸あれ

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湖面に在しますかっこ仮

開放された単語が波を打つ

数多に存ずるくたびれた選定市場の墓場

それと左様ならもはや背後に打つ手なし

揺れる影、売買、仕切り直しの鉛と鏡

ちらつくカタルシス、割れたビードロ

あらゆる希望は自身の箱庭の中でのみ有効

不格好でもステップを踏む

握りしめた非仮

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向き合い切れない悲しみを冷凍して積み立てていく

上達、奇行、天邪鬼、板の橋から板の橋へ

振り返る頃には桜も散っているだろう

包みのままの贈り物と焦げ落ちた蝋燭、震えるほどに熱を帯びていく手に優しく力をいれる

招待、雪解け、一直線、あいも変わらぬ錫杖の絹。

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けらんけらんと鐘が鳴る

白く立派な建物で、山に向かって鐘がなる

正体を明かした雲間の列車、執念を孕んだ涙が降りる

木々を抜けた日常、咳込んだ裸電球、まどろみの花火が心臓を撫でては陽気に踊る竹酔月夜

目覚めるまではあざやかに、目覚めた後は眩やかな

蝶の羽音がけらんと揺れ舞う

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責任の管轄外から眺めるだけの当事者気取り

指示を口に並べるだけで手を失った透明な協力者

すぐさにつくられるじゃじゃ馬の檻

知識だけで無智慧の賜物

空だけが高く、空だけが救い

世界の中心に立つ意志の影でおこぼれを狙う間抜けたちを出し抜いていく

羽ばたきに耐えうるのは想みを宿した心。

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ぱっと目覚めたうめき声、ハイカラな着物を片手にたんたんたんの足運び、行く末を占う笹舟は目指した陸地で振り返る

闇世に揺れる影の人々、かまいたちの吉報、予期せぬ配光、旧歴史はやがて廃れから蘇るであろう

上下逆様左右非対称の寝ぐら、とおりゃんせとおりゃんせ、狐の嫁入り、とおりゃんせ

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習慣化された自責と懸念、いっぺんに切り替えれば新しいに慣れる前に元に戻るだろう

まずは同時に存在させる、そして徐々に割合を移動させていく、自分でも気付かないほどに少しづつ丁寧に、タスクフォーカス

自分自身に気取られる事なく、習慣の内容が切り替わった事すらもわからぬように

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本心を矯正させている思考

どう足掻いても独りを強制させる回路

疑わずに受け入れ続けた呪縛

苦しみを如何に軽減できるかに焦点を当てた日常

易々と諦めては、頑なに放そうとしない、出来ない

振り返るだけの毎日からの離脱

味方も敵もいない楽園で、貴方を待つのは何者たちか

限りない鏡生。

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口に出せない哀しさを、ひたすら飲み込んで抱え込んでいた

お腹の中で積もりに積もった哀しみは、腐乱し澄みた泥となる

新しい役目を担わせるにはあなたの望みが不可欠になる

堅く閉じた拳が開く、先を見据えた瞳が空気を揺らす

咲けべ、全てがこの一輪に繋がる、蓮、そしてこれからにも。

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カラスが午後を運んでくる

地面を濡らした涙の跡は半分ほど乾いていた

傷つく事で得たかった喜びは何だったのだろうか

痛痒い洗濯槽

恐怖を淡々と煽るサバイバルシステムホラーが証明するのは

季節を混ぜ込んだ田舎の香りと

泥屑の朗々

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黄金色の伯爵

割れたシトリン

泣きじゃくる面会室は今日も子猫を離さない

磨かれた癇癪

盗られた後輪

口を閉ざした商店街は今日も子猫と話さない

点でばらばらな解釈

線で閉ざした片鱗

放り投げた資料室に記された昨日の子猫の暗号分

わななきの前夜祭

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視界を染める色鳥々の群れ

雲の流れる音が頬を撫で

かかげた手のゆびまから溢れる幼く淡いひかり

さら砂の香りとやわい透明なせせらぎが交わる特異点に腰をおろす

おむすびとたくあん

喉を潤す響きの良い言葉たちに会釈をしたら

もう一度、呼ばれるままに、運ばれるままに

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経験不足、小回り、嫉妬のカルテット

おでこに貼ったトンネルのシールが早くも剥がれかけている

からの筆箱に詰めこんだ消しゴムのかす

取らぬ狸の皮算用

病院では静かにしてください

一目散に飛びついた蜂蜜の中で、窒息間際の攻防をみせる

自己満足、目障り、虚無のコーラス

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哀しみは哀しみのままに

キラつくドレスを無理に着せる必要はないのだろう

きっと君に似合うのは、薄灰雲から漏れる鈍い日差しと、溢れ降るぬるい雨の歌

傘を開くわけでもなく、少しだけ、ほんの少しの間だけ、空をあおぎみる

そんな空白の時間

哀しみは、ただ哀しみのままに

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喜びは喜びのままに

しぼまぬように空気を入れ続ける必要はないのだろう

きっと君に似合うのは、花びらの舞う朝焼けの舞台と、半透明の麦わら帽子

風にまかせて、その瞬間を、ただただその瞬間を、全力でかみしめる

そんな愛おしい時間

喜びは、いつでも喜びのまま

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都合良く並べた都合の悪い物や事

洗剤は不使用、香料を少々

味付けに選んだのは不協和音

不格好のまま運ばれたのは青と赤の錠剤工場

雑音まみれの宝箱を開ける

くしゃくしゃに丸めた恋文を開いて読み返す

本当という言葉の罠をかい潜って手にしたのは

無地の便箋と白い羽根筆

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泡沫の提灯が煌びやかに踊る

揺れながら遠ざかって、揺れながら近づいてくる

明日に迷ったため息が問う

汽車は何時に出発しますか?

答える術は幾万通り、通信妨害お断り

閉ざした瞳で吹き消す灯火

華やかに憧れ続けた汽笛の狼煙

何度でも、何回でも、振り返し、繰り返し

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妖艶の活路、事実の朔望、派手めの髪色

表を叩いて裏を切る、作間に芽吹く思想の街路樹

柄になく絵にもならない宵の口

べた塗りのから風がスカートを撫でては、靴底の秘密基地で野望をこさえる

思い出に浸る柚子に花

小説、切り抜き、羅針盤

やかんが鳴いたら走り出す約束

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