まってる。
誰かが、○○をしようとしている。
どうやらその途中のようだ。
私たちはこんなときは
ジャマをしないで相手が
終わるまで黙って待つように
習ってきた、身につけてきた。
誰かがやろうとしている途中。
マナーとして待つ姿勢や譲る精神。
ちゃんとやらなきゃならないから
最初から入念に下調べをして
抜かりなく準備して進めている。
それを見て、待っている私たち。
そうしますよね、普通は。
たとえば、こんな状況。
誰かがケーキを切ろうとしている。
大きなホールケーキ。
厨房だ。なんだか薄暗い気もするが。
真剣な顔で確認している。
あ、切るんだろうな。
ちょっと待ってみよう。
すると、その真剣な顔をしたまま
包丁をいまから選び始めた。
えっ?おぃ・・・そっからかい。
ようやく選んで切るのかと思ったら
今度は包丁の当て方をさまざまな
角度から検証し始めた。
まだ、切らない。
まだ、切れない。
そうか、ちょっと待たなきゃな。
どのくらい待っただろうか。
ネット記事もほとんどネタが尽きた。
もう知ってるネタばっかりで
つまらなくなってきたところだ。
ようやく切り始めた。
その近くではお偉いさんだろうか。
上司だろうか。
場違いなスーツ、セレモニー気取り?
身を包んで並んで拍手している。
しょーもない。なんじゃこいつら。
邪魔だ、ただただ邪魔だよな。
そう思ったけど、面と向かって言えない。
ちょっとSNSでつぶやいてみた。
すると、思わぬスピードで
拡散されてしまった。
あぁ、そんなんじゃない。
そんなことしてほしくて
つぶやいたんじゃないのに。
ことを進める相手、ケーキを切る相手。
途中で説明責任が発生。
止まってしまった、やり直しだ。
みんな途中で謝罪だ。
申し訳ございません。
相手を邪魔したくない。
邪魔したいんじゃない。
でももうさすがに切れるだろう。
じゃないとさすがにこっちがキレる。
待ってる人は待ってるのが
どれほど長いか体感して知っている。
待ってるから長く感じるし
実際に長い期間、待ってる。
待たせてる人は待たせてることを
ホントはどう思ってるんだろう。
待たせてるけど手を抜けない。
緊急でも、人が死のうが何しようが
仕事の手は抜けないと時間をかける。
本当にそうか?
仕事へのプライドに見せかけた
決められない責任逃れや
現実からの逃避ではないのか?
ちゃんとやらなきゃならない。
時と場合による。その判断からの決断。
これができないのが日本という国。
全部準備したい気持ちもわかる。
全部確認して齟齬のないように
リスク確認して着実にミスなく
進めていきたい気持ちもわかる。
だけど即断即決が必要な時にも
指示通り、時間をかけ確認して。
待ってるよ、みんな待ってる。
手順は手順。基本的な手順だ。
しかし状況に合わせて
変化させていく順応性がまるでない。
私たちは今日も、待ってる。
自分の順番だけでなく
手順を越えて彼らが
自分たちで良いと判断したら
決断する、その瞬間を。
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