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古いプロ用機材を探しています!

現在、弊社…というより私個人の一存ですが、精力的にSDアナログ撮影機材を収集し、ゆくゆくは資料館的なものを、と計画しております。
すでに220台を超える中古中継車を扱わせて頂き、お客様に育てて頂いたこの会社ができる恩返しとして、需要は少ないながらに絶えさせてはいけないものである昔の映像機材を保存していきたいと思います。

資料館というと大げさですが、まずは第一歩として古い中継車を再生して、稼働できるSDアナログ中継車を作り、様々な方面で活用してもらえるように動態保存していきたいと思います。
種車はすでに弊社が在庫で押さえている、平成6年式のふそう・キャンター中継車。

平成6年式キャンター中継車。この顔立ちなら昭和の中継車役?でドラマにも使えるぞ!

ほんとはもっと古い昭和の車が出てくればいいのですが、中々古い車両が残っていません。
弊社は年に何度か映画やドラマの撮影協力で中継車を出動させています。劇用車というヤツですね。
そんな時に大事なのは時代考証。1990年のシーンに2000年の車両が出張っては、見ている人が「アレ?」となってしまいます。
古い時代には古い時代に合ったものを提供したい、とかねがね思っていました。

またSDアナログ機材が織りなす古臭い・・・もとい、温かみのある映像。これはだそうと思ってできることではありません。
昔っから言われていた事ですが時代劇をHDや4Kで撮っても味気ない。クリアに映りすぎる…これでは興ざめです。
ところがBSなどで放送されている80年代の時代劇映像は、その映像の柔和さ加減、照明や音響効果などと相まって「いい味」があります。
今はそういうのを狙って、撮影した映像をVHSムービーで撮影したように再現させるアプリがありますが、やはりアプリで作った画と実際の当時の機材で撮れる映像とでは全然違います。
「こんな風なエフェクトかけておけば、みんな喜ぶんでしょ?」という感じではなく、精一杯やってこの画しか出せない当時の機材の本気度、ですかね??

古い機材を収集するだけではダメで、動かせるようになっていないと面白くありません。
もちろん、存在するだけで資料的価値がある機材もあるでしょうけど、並べて飾っておくだけでなく、やはり触って使えてこその機材です。
中継業務をSDアナログ時代からやってきている弊社だからこそ、当時の機材でシステムアップができます。マルチカメラ中継をSDアナログ機材でできるようになればきっと面白いでしょう。
MVなどでも敢えてのSD映像で撮りたい、という需要はきっとあると思います。

YouTubeの番組なども敢えて4:3画角で新鮮に見える!とか。

昔は自然だった4:3が、今見ると真四角に見えてしまう。若い子には逆に新鮮?

弊社に関心を持って遊びにいらしていただけるお客様は弊社の倉庫を見て、本当に喜んでくださいます。
映像機材に関心のない我が妻からすると、「信じられない」そうですが、機材には夢があります。
それが見る人の「当時の憧れ」の時代にシンクロするものであればあるほど、その想いは強く現れるでしょう。
私が1986年当時(11歳くらい)のBVP-5やBVV-5などの放送用カメラの定価を今でも覚えているのは、いつかあんなかっこいいカメラを担いだカメラマンになりたい!と強く思っていたからです。
今は機材は多様化し、「でかい」=「かっこいい」ではなくなり、被写体も撮られる側に慣れすぎてむしろカメラを嫌ったり(ネット拡散等を嫌うなども理由でしょうね)、機材に対する思い入れがあまりない若者が多くなった気はします。

小さいカメラだと思っていたこのクラスが、今じゃ普通のカメラ。

結局簡単にできるようになったことには興味が向かなくなり、ITなどに憧れの対象が移っていったということでしょうか?

昔の機材は立上げから安定までに30分ほどかけ、その後も様々な調整(GEN-LOCKやH-sync、サブキャリ調整なんて単語を出すと40代以上は目頭が熱くなるかと)をしないと上手くスイッチングができず、故障は常で、VEのみならずカメラマンでさえ
半田ゴテで現場修理したりしていました。叩けば治るモニターとか、昭和のドラマだけでなく、実際ありましたからね。

見るからに古そうな機材。2005年の現場写真です。弊社の中継車の中。


IkegamiのHL-55にTRIAX TA-79E、初期型Vision10三脚。今またHL-55を入手するとは!


2005年当時はBETACAMを車内に持ち込んでアナログリニア編集後に撮って出ししました。

現在、集めに集め、1980年代頃の撮像管カメラ・初期のCCDカメラなど30点ほど収集しておりますが、中々程度の良いものが現存していない実情があります。

Victorの個性的色合いの業務用カメラ。GX-S11(黄色)。ほかにKY-1900のド赤なんてありました。

VictorのGX-S11や兄弟機のGX-S700。S11は私が中学の時に初めて買った業務用カメラです。中古でお年玉前借りで。同じVictorのHR-C3というVHS-Cのポータブルデッキをむりやり一体型にしてベーカムが買えない少年はドッカブルカメラを自作して撮影にでかけていました。
これを複数台集め、2個イチにするなどして復活。

プロの道具は造形美があって子供ゴコロにも響いていました。

SonyのDXC-M3。撮像管カメラ。これは高校生の頃に業者に頼み込んでレンタルして学校の文化祭を撮影したことがある、思い出の機種。

DXC-3000。一気に安くて高感度で安定していて安価なCCDカメラが広がりました。

SonyのDXC-3000。これももうだいたい壊れています。
4台ほど買って、4個イチを試してようやくそこそこ画が出た感じ。
CCD初期のカメラはすべて前面のフィルターが曇っています。これも分解清掃をしてキレイに治します。

CCDセンサー前面のフィルターはだいたいこうなっています。
うまく剥がすとこのように3つに別れます。
うまく洗浄できるとここまできれいになります。(細かい事は気にしない)
ほらね!これでまだしばらく大丈夫!

ほかにこのようにHITACHIのカメラやIkegamiのUNICAM HL-55なども揃ってきました。

HITACHIの初期のCCDカメラCK-1B。この前にFP-C1ってのもありました。
知らないと「モグリ」と言われたIkegamiの「UNICAM」シリーズ。写真のはCCDのですが、撮像管のHL-95もほしいですね。


スイッチャーもIkegamiのTAP-303やSonyのSEG-2000Aがあります。VTRもVHSやDVCAM、Betacamはまだまだ程度のよいものが入りますが、U-Matic(シブサン)、M-Ⅱ、1インチあたりは中々…
近々D-2が入ってきそうですが、D-2ももう需要が少なそうですよね。アーカイブ作業は局であればもう終わっているでしょうから、広告代理店保管のCMのアーカイブなどがあれば。。。ですね。
M-Ⅱは今2台あって1台はだいぶ再生ができるようになってきたので、なんとか調整を上手くやるなり、部品を交換するなどして復活させたいと思います。
M-Ⅱはまだアーカイブが終わっていないCATVさんや行政さんがありそうな雰囲気です。
古いVTRがあれば、そういったアーカイブを業務にすることも可能です。
すでに弊社はもうCATV様4局以上でアーカイブ化作業を受注していて、これからもそういった需要が一定数あると思っておりますので、古いSD機材を復活させるのはこういった面でも重要だな、と認識しております。

そんなわけでして、そういった古い機材の稼働展示、引き取ってきた平成初期の古い中継車に古い機材を載せての実働するSDアナログ中継車復活プロジェクトなどを進めて行きたく、機材提供を頂ける会社様を募っております。
法人・個人問わず、古い機材をご提供いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご寄贈いただけますと幸甚です。
お送り頂くか、量が多ければ引取りに伺う事も致します。
捨てるには忍びないけどもう動かない…というものであっても、同機種が複数集まれば修理部品として活用ができます。もしそういったものが無くても、ぜひお心の片隅に置いていただいて、なにかの折にお仲間の方に広めて頂ければ幸いです。

お気に召して頂けましたら、サポート頂けますと、やる気モリモリになります!よろしくお願い致します。