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二十数年來の主人公

以前、鳥渡だけお記し致しました『RPGツクール』の自作ゲームですが、今製作(…の様な事)をしているゲームはまだ作り始めてからそう日が經っていないのであります。
(休止期間は相當に長いのですが…)
しかし、過去には何作も「作り損ねた」ゲームが當然の如く存在するのでございます。

製作が頓挫する背景は色々に有りますが「作っている最中にもっと良い内容を思い附いた」と云うのが一番多い原因でございます。
そして、それまで作っていた内容とシステムを或る程度継承して新規作成に移る…と云う感じでやっております。

従って、物語に登場するキャラクターの類は20年程前に今使っている『ツクール2000』をやり始めた當初から生き續けているのであります。

ドット絵

その時に生まれた主人公キャラがコレであります。
勿論、細部は時代が進むにつれて色々に描き直してありますが、當時千葉縣某所の温泉宿で深夜に露天風呂に入っている際に閃いたキャラクターだったのです。

否、正確には閃いたのではなく「思い出した」のであります。
このキャラクターの原形となったのは小學校の時に實家に有った白板に描いた落書きなのです。
勿論、描いた當時は取るに足らないもので、その後何年もの間ずっと忘れ去られた存在だったのですが自分なりにゲームを作る際に「オリジナルの主人公キャラ」が必要になって、ひょっこりとまた顕れたのであります。

それを考えると實に20数年來の附き合いになり、私の人生の大半を一緒に過ごしている様なものなのであります。

「主人公」…「剣…ではなく刀を使う」…「諸國を旅する」………
と、ゲーム内の構想を練っていった結果、行き着いた先が「浪人・風來坊のキャラクター」だったのです。

當初は日本海軍の艦上機の色をモデルにした濃緑色に黄色の線が入った着物に灰白色の袴と茶色い帯を着ていたのですが、背景と着物の色が同化してしまうので現在の色合いに落ち着きました。
(肩の黄色い當て布はその名残です)
また、初期案では「マリオ」をイメーヂして被っていた笠もドット繪に起こす際に寧ろ邪魔になってしまったので撤去致しております。
キャラクターデザインがイマドキ流行らない昔の漫画の様なフインキでありますが、これは私の考えたキャラクター全般に言える事であります……。


ドット繪も24×32マスの規定サイズを目いっぱい使って描いております。
他のツクール作品と比べると大き目のキャラクター表示になっているのでありますが、色々な仕草や表情を作る事が出來ました。
所謂「如何にもツクールのデフォルトで入っていそうな」無表情な感じは避けたかったのです。
表情豊かに動きも活發にする事で、ただでさえ低い自作のクオリティを誤魔化すのであります。
おかげ様で時代遅れなドット繪の技術が段々に向上して參りました。

かの北欧の妖精『ムーミン』は作者のトーベヤンソン氏が御幼少の頃に便所の壁に描いた落書きが原形になっていると言われております。
また、かの宅配業者の「黒猫」は廣報担當の社員の方の娘さんが御幼少の頃に描いた猫の繪が原形になっているとも言われております。

子供の頃は今以上に創造性に溢れていたのだと改めて實感致しております。
昨今の商業ベースや流行りばかりに目を奪われ過ぎてしまう現實を尻目に、今日も「無」が廣がる未完成の世界でこの主人公キャラは飛んだり、転んだり、刀を振ったり、伏せたり、驚いたり、風呂に入ったり、縄で縛られたり、服を剥がされたり…と活き活きと動き廻ってゐるのであります。

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