小布施の「まちの先人」の想いを知る(第2回まちの同期)
今年10月より始まった「小布施 まちの人事部」。
2つの取組のうちのひとつ「まちの同期」の第2回が11月22日に開催されました。
その内容と当日の様子をご紹介していきます。
「小布施 まちの人事部」「まちの同期」とは?
こちらの説明は、第1回の記事にて掲載していますので、下記リンクをご覧ください。
当日の流れ
◾️前回のおさらい
第1回「まちの同期」では「自分の価値観・想いを知る」ために、自分の話を他の複数人に聞いてもらい、フィードバックを受けながら自分の価値観を再確認、再発見していきました。
第1回終了後から今回までの間に、ペアで30分ずつお互いをインタビューをするという課題が出ていました。
相互インタビューのなかで、さらに「価値観」の深掘りと「成功を支える要因」を一緒に探してきた状態で、今回の第2回を迎えています。
第1回の詳細は、上部「第1回まちの同期」のリンクをご覧ください。
◾️今回までの振り返り/相互インタビューのシェア
おさらいをしたうえで、前回の振り返りと相互インタビューで感じたことや発見したことなどをシェアしました。
ワークがあったからこそ「なぜ?」と考えるキッカケができた
インタビューをキッカケに「自分の想い」の自覚が芽生えた
普段は特に意識せずにやっていたことを自分で言葉にしてみたり、聞き手から感じたことを伝えることで、明確になったものがあったようです。
職場でやりたいと思ったことを声に出し、実際に仕事を任せてもらったという報告に対して、ワッと拍手が起こる場面もありました。
◾️まちの先人の想いを知る①/大宮さんの話
振り返りをしたあとは、今回のメインテーマ「まちの先人の想いを知る」です。
まずは、小布施町役場で活躍されている大宮さんをゲストに招き、インタビュー形式でお話を聞きました。
ちなみに大宮さんは、「まちの同期」のコンセプトである
「オモイを分かち合い、そのオモイをシゴトを通じて実現する!」
をまさに体現している人として、ゲストに来ていただきました。
ここからは、大宮さんのプロフィールとこれまでの活動、
行動に至る原動力やそこから見えてくる価値観についてお伝えしていきます。
〈プロフィール〉
大宮透(おおみやとおる)さん
山形県山形市で生まれ、群馬県高崎市で育ったのち、大学から東京で過ごします。12〜13年前に前町長の市村良三さん(2023年6月ご逝去)と出会ったご縁から小布施へ移住しました。現在は小布施町役場の総務課長を務めています。
〈これまでやってきたこと〉
市村町長と出会った当初、「どれか当たれば…」という気持ちで企画書100案を提出したとのこと。これだけの数を一度に提案したのは、人生初めてだったそうです。
また、大宮さんは自らの提案だけでなく、頼まれたことや誰かのやりたいことを、いろいろな人に声を掛けつつ実現させていきます。
以下は、前例がないものを大宮さんがカタチにした事例の一部です。
①小布施若者会議
全国から35歳以下の若者を長野県小布施町に集め、2泊3日の日程で、地域や日本のあり方や、地域ビジネスのアイデアを考案するプログラム。
「小布施若者会議」は2018年に幕を下ろしましたが、現在その流れを汲む「小布施バーチャル町民会議」というプログラムが開催されており、町内外の人たちが関わる場をつくり続けています。
②小布施短編映画祭
「みるから、つくるへ」をコンセプトに、ただ映画を観るだけでなく、映画を通じて関わる全ての人が「つくる」を体験し、さらに鑑賞会を通じて地域の人たちと交流するイベント。
③HLAB OBUSE
HLABの「H」は、「学寮(カレッジ)生活を中心としたリベラル・アーツ教育」というHLABのコンセプトから、人的交流の「Hub(ハブ)」となる「House(寮) 」の意味。
寮生活を送りながら、世代や地域・国籍を超えて学び合う高校生向けのサマースクールプログラム。もともと東京で行われていたプログラムを、2013年から地方初の開催地として小布施町でも受け入れ、協働してプログラムを運営しています。
〈原動力〉
大宮さんは意外なことに、「これがやりたい!」という自身の想いがさほど強くないと言います。
それより、相手の熱量が高いことに大宮さんも一緒になって熱が上がり、カタチにしたいという想いが強くなるのだそうです。
そこには大宮さんの高校時代の原体験が、大きく関わっています。
群馬県の高校へ在学中、約3万人の来場者を集めるという文化祭の実行委員長だった大宮さん。
大変ながらも、運営、参加者や来場者関係なく、みんなが楽しそうにしている姿を目の当たりにしたそうです。
あの文化祭の時と同じように
「どうしたらみんなでハッピーになる状態をつくれるか?」
という想いが、大宮さんの原動力になっているようです。
〈価値観〉
ここまでの話を踏まえ、大宮さんの価値観は何か?と、あらためて質問してみました。
すると、「改善や伸びる余地…そういった可能性は必ずあると信じている」
とさらりと話します。
うまくいかないことがたくさんあるなかでも、「どうせ~だから無理」という考えを持たず、少しでもよりよくすること、改善できることを信じて、一つずつ取り組んでいくことを大切にされているそうです。
もう一つは「誰かの”これやってみたい”を大切にしたい」ということ。
前述の原動力の部分に通じる話で、ここに価値を感じているから行動する力になるのだと納得できます。
◾️まちの先人の想いを知る②/まち歩き
最後は、この小さな小布施町へ多くの人たちが訪れるのか?そこには、どのような工夫や想いがあって、町がつくられているのかを知るため、実際にまち歩きへ出かけました。
参加者のみなさんにとって普段から仕事をしている場所ながら、通勤路以外は通ることも少ない様子。解説を聞きながら歩くと新しい発見があったようです。
現在は使われていませんが、酒蔵の象徴として残しているそうです。
初めて煙突を目の前で見たという人もいました。
営業時間中は、厨房でケーキなどの洋菓子をつくっている姿がガラス越しに見られる抜け道。
この季節ならではのサンタさんがお出迎え?お見送り?してくれています。
シーズン毎に飾りがどのように変わるのか、覗くだけでも楽しいですね。
駐車場といえば、アスファルトに白線、車止めのブロックが一般的なつくりですが、ここにはそれらが一切ありません。小布施堂や長野信用金庫といった企業や個人の地権者が話し合いを重ねてつくりあげた空間です。
こうした心地よい空間の奥に、「小布施」というまちを作ってきた先人たちの「想い」を感じ取ることができました。
小布施のまちづくりについて綴られた著書もあり、こちらに詳しく書かれています。
・『小布施 まちづくりの奇跡』 著)川向正人
・『小布施 まちづくりのセンス』 著)磯野謙
中心部をくるりと歩いてみて、まちづくりの工夫などから、なぜ小布施に観光客がこれだけ来てくれるのかを感じ取っていた人もいました。
ちなみに、小布施町は人口が約1万人であるのに対し、約100倍の観光客が来訪します。
次回までに
第3回(次回12/12)までの過ごし方
次回に向けて以下の課題が出ました。
このように、次に対面するまでの間も周りの人の話を聞いたり、自分の話をする機会をつくりました。
参加者の声
広い視野で見られている自分を知ることができた
継続することで何か感じられるものがあるかもしれない
新たに発見をすることもあれば、今やっていることを続けることで新たな発見に繋がる可能性を見出している人もいました。
次回までは、自分以外の人の価値観・想いを知る割合が増えるので、自分との違いや共通点に触れることになります。
どんなところで、どのように自分にも響くのか、あるいは響かないのか…他者を知ることで自分をより知ることができる回になるのでは?と思います。
それを踏まえた第3回も楽しみです♪
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