短編小説 『巨人の足裏』 最終回
それから、1年が経った。
まずは巨人の足の止血を大量の綿と特注のテープで半年。
次に足裏の筋肉を柔らかくすることで足が山から出るように作業を進めて半年。
最近は指が動くことが多くなってきた。
止血してからというもの、回復力がすごい。これは人間よりもすごい。
もしかしたらそろそろ山から抜けるかもしれない。
「おーい! ルナちゃん!」
巨人の足のふもとの町の王子、ザイルだ。
僕が大量の綿を探しに町へ行った時、協力してくれるようになった。
と言っても最初は誰も協力なんてしてく