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グレショー第7回公演が終わった

前回のnoteを書いてからおよそ3カ月、あいかわらずグレショー(朝日放送の演劇バラエティ番組「THE GREATEST SHOW-NEN」)は最高におもしろい。それなのにまったく増えないグレショータグ。ひょっとしたらタグの付け方が違うのかも…と心配しつつ、感想のようなダイマのような記事を書きます。

今回のグレショーは劇団空晴さんとコラボした第7回公演「一番のサンキュウ!」の最終幕。前回公演「銀河鉄道の夜」とはかなりテイストが違い、現代に生きるわたしたちの日常にありそうな一場面を描く、大阪弁の会話劇だ。作・演出の岡部尚子さんの指導は温かくも論理的で、今の演技の何がダメだったか・次はどういう方向を目指してほしいかを言葉ではっきり示されるので、視聴者側にもわかりやすい。稽古に比べると本番ではメンバーの演技が明らかによくなっているし、メンバーとの間に確かな信頼関係ができていることも感じられる。

……と、そんな指導もぜひ見てほしかったのだが、この最終幕では岡部さんに代わって、観世流能楽師の林本大さんが指導役となる。実は、「一番のサンキュウ!」はお能の「高砂」の謡で締めくくられる作品なのだ。


現代劇の中に突然のお能。もともと今回は予告で「リーディング×育児×能」という三題噺のようなキーワードを与えられていた。メンバーは自分たちとほぼ同年代の若者を演じ、慣れない育児に取り組む。その中の一部の場面がリーディング形式で語られながら物語が進み、最後に満を持してのお能。

これは相当な挑戦だ。グレショーの稽古期間は約1か月、しかもそのすべてをお能の練習に充てられるわけではない。短い練習時間で日本の古典芸能に一から取り組み、お客さんの前で披露できるレベルまで到達できるのか……?

これはもう、見逃し配信を見てほしいとしか言えない。ただ、練習前のワークショップ的な場で、林本先生がお能について非常におもしろいことを言われる。わたしは素人なりに、能の真髄にちょっとだけ触れたような気がした一言で、演劇をする人にはとても響くのではないかと思う。メンバーの興味深そうな反応も印象的だった。

それにしても、歌って踊るのが本業のジャニーズアイドルに、この挑戦をさせるグレショーはすごい。今回だけでなく、毎回必ず新しい試練があり、ひとつの公演が終わるごとに経験値が上がって引き出しが増えていく。
出演者のAぇ! groupにも、スタッフさんにも相当の負担のある番組だと思われるが、できるだけ長く続くように願ってやまない。




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