見出し画像

「エイズの衝撃〜スターの告白が世界を変えた〜」 (アナザーストーリーズ)

昨年から今も続く疫病禍のせいで、この冬はインフルエンザの存在を忘れてた。そしてそれ以上に"エイズ"いう病気のがある事をすっかり忘れていた。

私が思い出せるエイズに関する一番古い記憶は、小学生の頃に立ち読みした文藝春秋に「AIDSという免疫を壊す怖い病気が見つかった」という記事があったこと。少し後に、金城武主演の「神様、もう少しだけ」というドラマがあったな、という事。

それからあまり話題にならなかったような気がするのだが、この番組を見て改めて怖いこの病気の存在を思い出した。現在は薬も開発され、必ずしも生命を落とす病ではなくなったようだが、流行時は不治の病とされていた。

LGBTについて公に議論する事ができるようになった今と比べて、ゲイをカミングアウトする事がまだまだ困難だった時代。しかもゲイの病だと思われていたAIDSを公表することは、ハリウッドスターにとってどれほど苦悶したことだろう。ロック・ハドソンの決意と覚悟は尊敬に値する。

血友病治療の過程で輸血からAIDSを発症した夫。その夫から自分と息子もAIDSとなり、2歳前にわが子を失った女性の人生には涙を禁じえなかった。彼女にとって、唯一感染しなかった娘の存在はどれほど心強かっただろうか。

そんなエピソードを取り上げた今回の番組は、「新型コロナに感染した人への偏見や差別について考えるべきだ」と言いたかったのだろうか?病にかかった者を気遣うのが普通の感覚なのに。今回の疫病は、医療従事者やその家族に対するあからさまなヘイト対応がある事に、疑問だらけである。自分さえ良ければいい、そんなエゴの塊がコロナ差別の温床となっているのだろう。

憤る相手を間違えているのではないか。弱い者いじめは卑怯だと、そんな簡単な事さえ忘れさせるのか?

と、番組から脱線しかけの感想も抱いてしまった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?