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さらば!俺たちの船橋オート (ドキュメント72hours)

私は別れに弱い人間である。自分に縁のあるものはもちろん、そうでない事柄にも涙するほど、別れ下手だと自覚している。

たまたまチャンネルを合わせた番組。船橋オートレース場が2016年3月に、65年間の歴史に幕を閉じた。その最後の3日間を冷静に、でもあたたかくつづる様子に目を離せなくなった。

中年の男性が、手札サイズの写真を持参して最後のレースを観戦していた。子どもの頃、父親とよく来ていたのだが、少し前に事故で父親が亡くなったという。「一緒に行く約束してたんだけどね」

一人ひとりに大切な思い出があり、その場所が無くなってしまう。老朽化や安全面を考慮して、仕方ない場合も否めないが、なんとも切ない。

船橋オートレース場の後、渋谷駅のかまぼこホームやホテルオークラ、築地市場など様々な"さよなら特集"がダイジェストで流れた。見るんじゃなかったけど、見て良かった。

最後に出てきた市場のおじさんの一言。「終わったら始まりがある。だから、終わらないんじゃないの」そうか、逆もまた真なのだ。

と、悟ったつもりの私だが、やはりまた別れに涙する人生が続くのだろうな。

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