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時をかけるテレビ 「マサヨばあちゃんの天地 早池峰のふもとに生きて」


初回放送日:2024年6月14日

池上彰がNHKの過去番組から時代を超えたメッセージを読み解く。今回は1991年に放送され大きな反響を呼んだドキュメンタリー「マサヨばあちゃんの天地」を紹介する。 岩手県旧川井村“タイマグラ”。アイヌ語で水の豊かな森という意味の土地に、マサヨばあちゃんこと向田マサヨさんは暮らしている。昭和29年に夫婦で入植、電気も長い間通らなかった大自然の中で、夫が亡くなってからも、一人で一町歩の畑を耕し、ミソや豆腐を作る生活を送っている。冬には零下20度を超える厳しい寒さの中でも「極楽だぁ」と温かいお茶を飲むというマサヨばあちゃん、その魅力あふれる暮らしの記録。
(以上公式HPより)

最近よく思うのだが、幸せって何だろう。
お金待ち、つまり豊富な富を持つことが幸せなのだろうか?
衣食住が最低限満たされていれば、とりあえず幸せなのではないかと、この番組を見て思った。

この番組が放送された1991年は、バブル景気の余韻でまだまだ景気は悪くなかった。その時期にこんな清貧そのものな暮らしを紹介し、段ボール4箱分の反響お手紙が届いたと、池上彰氏の弁。
今も昔も、本物を見極める志のある者はいるのだろう。

マサヨおばあちゃんは、どんな時も良い顔をしている。そのほとんどが笑顔で、不機嫌な表情は確認できないくらい。
「生まれた時からの百姓だから、仕事を嫌と思ったことはねえの」そう言って、お農神さまを敬うマサヨさんには、仕事=仕事であり、誇りとかプライドという今風の価値観は無いように見えた。
大雨が降れば土を流されないように刈草を堤防にし、川の取水ホースが詰まれば外して泥を排除する。当たり前の事を自分で手当する、とてもシンプルだが田舎だからそうするしかないのだろう。
都会では業者を呼び、悪の元凶を取っ払ってもらい対価を払う。そうする事で、業者は技術料で収入を得ており、悪いことではない。

桜の花付きで、その年の農作物の収穫量が占えること。
農作物の収穫が悪い時は、栗や葡萄など山の実りが良くなるので、飢ることはない。
そんなマサヨばあちゃんの言葉を聴くと、自然と人の繋がりには神様の介在があるように思えてくる。
20年前にマサヨさんは亡くなり、近隣の男性が味噌作りを伝承されている。
その方の民宿に行って、お味噌汁を飲みたいと思った。

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