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「9.11 同時多発テロへの点と線」( 映像の世紀 バタフライエフェクト)

初回放送日: 2022年9月12日

アメリカ同時多発テロの首謀者オサマ・ビンラディンとアメリカの巨大財閥ロックフェラー家との間には数奇な因縁がある。1930年代、ロックフェラー家創業の石油会社がサウジに進出すると、砂漠の国は好景気に沸き、小さな建設会社を急成長させる。ビンラディン建設。その家の17番目の息子は、アメリカを憎悪しテロリストへと変貌する。標的としたワールドトレードセンターは、ロックフェラー家が建設を推し進めたビルだった。(以上 公式HPより)

2001年9月11日。その出来事が世界を震撼させていた瞬間、私は何も知らず布団に寝転がっていた。寝つきの悪い息子がやっと眠ってくれ、やっとひと息ついた所だったのだ。
離れて暮らす家族に電話すると、慌てた声で「大変だよ、テレビ見てないの!?」と言われ。
何だろなとスイッチオンすると、パニック映画の1シーンのような映像が飛び込んできた。
あれから21年が経った事に驚きつつ、いまだに世界の平和は揺らぎまくっていることを実感している。

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この番組は、無知な私に毎回新しいことを教えてくれる。今回も、ワールドトレードセンターが日系人ミノル・ヤマサキの設計だった事を初めて知った。
そして、ワールドトレードセンター建設の音頭をとった財閥ロックフェラー家が、サウジアラビアの石油利権に大きく関わっていた事も、この番組で良く解った。
イスラム教の王族が支配するサウジアラビアに、札束をはたきながらアメリカ人が大きな顔をしている。ビンラディン財閥の血を引くオサマにとって、それは耐え難い屈辱だったのだろう。そんな背景を知ると、このビルを狙った必然性が明白になる。
関係のない人を巻き込む無差別テロは、最も恥ずべき行為であるが、オサマの気持ちも判らなくはない。しかしもっと他に手段は無かったのか、戦争同様に理解できない事態である。

もう一つ、この番組で知った事実がある。
元FBIテロ対策部長・ジョン・オニール氏の事だ。専門家としてオウムの地下鉄サリン事件にも言及し、ウサマを追い続けた。組織に失望し、転職したのがワールドトレードセンターの警備責任者。ウサマが狙うと確信し、防ぐつもりがそこで生命を落としたのがなんとも悲劇的である。
一機目が北棟に突撃した時、34階にいた彼は保育所から子どもたちを避難させた。
その後、2機目が突撃した南棟へ向かい、恋人に電話した後亡くなったという。こういうのを当に殉職というのだろう。
戦時下、決死の覚悟で知事として沖縄に赴いた島田叡氏の姿を思い出させる、胸を打たれるエピソードだ。

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オサマも、元々は悪人では無かったはず。
プーチンも子どもの頃は普通の子だっただろう。
人が変わるのは、置かれた環境や出会う人・モノ・ことによるのだと思う。
平和を愛し守る気持ちを世界中で共有できないものなのか、今だから一層そう思う。

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