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「Dear にっぽん」 NHK

「神楽響く私の“ふるさと” 〜青森・牛滝地区〜」

初回放送日:2024年5月12日

青森の小さな漁村で海の男たちが伝統の神楽を受け継いできた。ふるさとの神楽に憧れる女の子。女人禁制の風習に葛藤する姿に、漁師町の伝統を守る男たちはどう動くのか。

青森市から車で4時間。下北半島の西端、佐井村牛滝地区に、去年の春、ひと組の夫婦が1男3女を連れて帰ってきた。小さな漁村の楽しみは、年に二回行なわれる伝統の神楽。「囃子をやりたい」と憧れる長女の聖奈ちゃん。しかし、神様が女を嫌うという理由で、100年以上の歴史で一度も女性の参加が許されたことはない。ひとりの女の子の願いを、伝統と生きてきた地区の男たちはどう受け止めるのか。それぞれの葛藤の日々を追う。
(以上公式HPより)

少子高齢化・地方の過疎化は、現代日本における課題の最たるものといえる。タイトルだけを見ると微笑ましいものかと思いきや、ここには女性天皇を認めるかどうかと同じくらい重いものがある。

そんな思いで見始めた今回、希望の持てる展開だったのではないか。
祭を主催する若者組のひとりが「祭りを絶やさずに継承していくためには、新しい風が必要」と語っていたが、全くその通りだろう。
漁師町の祭であり、船を出す者たちの生命や暮らしを護るための伝統行事なのだから、それなりに厳かでなければならないのは理解していると、少女の母は言う。何かあったら大変だと、それも真実。

そんななか、神楽に参加したい少女が持ちやすいようにと、太鼓のバチを鋸で切り、カンナで削る若者組員の行動に正直驚いた。昔から使っている道具に、そんな簡単に手を入れていいのか?
同時に、彼らもまた現行の祭を絶やさない為の覚悟を決めたのねと納得した。

少女の御両親は40歳前、若いのにとても立派だと素直に思った。見た目は少しヤンチャな雰囲気を感じたが、やはり一本芯の通った海の男であり、大黒柱であり、子ども想いの優しいお父さんである。子ども達も無邪気で本当に可愛い、祖父母と共に暮らす理想的な家族だと思う。

小学生は少女と弟の2名だけという集落らしいが、このような土地だからこその良さがあるだろう。
どうか祭もこの地区も絶えることなく続いてほしいと切に思った。

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