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「タリバン統治下に生きる アフガニスタンの子どもたち」 (BS世界のドキュメンタリー)

紛争で荒廃したアフガニスタンで貧しい暮らしを余儀なくされている子どもたち。家族を養うために街頭で靴磨きをしながら、未来への希望を失わずに道を切り拓いていく。 長年の紛争で荒廃したアフガニスタン社会。戦いで父親を失い、タリバン統治下で母親が働くことを禁じれられる中、家族を養うために街頭で靴磨きをする少女たち。死を考える母の姿に不安を募らせつつ、将来のためと仕事の合間に勉強を欠かさない。絶望的な環境でも未来への希望を失わずに生きようと、懸命に前を向く子どもたちを追う。原題:Children of the Taliban(アフガニスタン・独・英 2022年)
(以上公式HPより)

アフガニスタンの現状を、子どもの視点から描いた力作。
タリバン統治下では女性に自由がなく、貧富の差は広がるばかり。路上で靴磨きをする子どもたちは、まるで先の大戦後の日本のよう。

この番組がすごいのは、靴磨きで一家の生計を支える9才の少女と、タリバン高官の息子として恵まれた日々を送る9才の少年をたいひさせたを対比させたところである。
父の護衛をしつつ聖戦士になることを熱望する少年は、貧しい者への憐れみもなく嫌悪の念のみを抱き、腹がはち切れそうなほど裕福な食事を貪る。
一方、レポーターとなり広告収入を得て路上靴磨きから脱することになった少女は「とにかく稼ぎたい。たくさん稼いで貧しい者に与えれば、路上生活者は家で暮らす事ができる」と発言する。

なんなんだ、この違いは!
これはアフガニスタンだけの話ではない。
富める者がその財を手放さず貧者を酷使し、貧者は這い上がる困難に打ちのめされている、まさに我が国日本にもあてはまりそうな図式ではないか。

少年はこうも言う。ヒジャブで全身を覆わない女は嫌いだ、と。これは女性迫害のタリバンの思想そのもの。きっと彼は幼い頃から父や神学校で、そのような教育を受けてきたのだろう。それが正しいと、疑うこともなく盲目的に信じていること、これこそが罪だと私は思う。

だから、どうか少女たちよ負けないでくれ!
目の前に大きく横たわる貧困や差別問題に打ちのめされることなく、希望をもって乗り越えて欲しい。
もちろん私たちも、アホな政治家たちの思い通りにはならないぞ。

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