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「アメリカ 葛藤の80s」初回放送日: 2022年6月25日 (ドキュメンタリー)

サブカルチャーの震源地、超大国アメリカはいかにして現在の姿に到ったか?時代の欲望を読み解く旅。数々の映画から80年代アメリカの空気が浮き彫りに。語りは玉木宏。

70年代の停滞からの脱却を目指した80年代。「E.T.」「ブルース・ブラザース」「普通の人々」「愛と青春の旅立ち」「フラッシュダンス」「トップガン」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「スタンド・バイ・ミー」「摩天楼はバラ色に」「ウォール街」…、強力なリーダーの下復活を果たしたかに見えたが、華やかな時代の底に流れていたのは?激動の時代と人々の欲望の織りなす軌跡を追う異色の歴史エンタメ・ドキュメント。
(以上公式HPより)

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私にとっての80年代は"懐かしくも輝きに満ちた日々"という印象がある。
小学生から高校卒業まで、自分にとっての成長期であり人格形成の基礎となった10年間だったと思うのだ。

「ザ・ベストテン」で日本の歌謡曲しか知らなかった私は、マイケル・ジャクソンやマドンナの出現に驚いた。英語を習う前にアメリカに興味を持った。
わざわざ映画館まで「トップガン」を見に行き、ラジオ英会話も聴くようになった。
アメリカって凄いんだ!と、単純に憧れた。

そんな憧れの国アメリカが、その頃どんな10年間を過ごしていたのか、この番組は解りやすく教えてくれた。
サブカルチャーをメインにしつつも、時代背景と政治的な面を同時に解説する。難しい事が嫌いな私には、とても魅力的な教材に思えた。

しかし、哀しいかな10代の私が夢の国だと思っていたアメリカは、今の日本と重なる。
大量消費を美徳とし、失業者が増加。富裕層と貧困層の格差が広がり、男女格差も今ひとつ埋まらない。
まるで反面教師な姿を見せられつつ、そこから路線変更できていない日本社会(=私)を憂う気持ちになってしまった。

とはいえ、それで終わらないのがアメリカの底力なのか。
製作された数々の映画には、そんなアメリカの姿が製作者の想いと共に刻まれている。

リチャード・ギアの制服姿が眩しい映画「愛と青春の旅だち(1982)」は、ロマンチックなテーマソングと相まってラブストーリーだと思われがちである。
が、原題「An Officer and a Gentleman」と同様、底辺から這い上がろうとする若者の必死な姿こそが、この物語の主題なのである。
久しぶりにまた見たいと思った。

この番組では他にも様々な映画が紹介され、興味深いのものが多い。なかでも
「普通の人々」「タッカー」「ドゥ・ザ・ライト・シング』(原題: Do the right thing)」は、今後何らかの形で是非見たいと思っている。


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