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映画 文豪ストレイドッグス BEAST 感想②

前回の感想文から少し時間が経ってしまったが、続きを書こうと思う。

①は正直プロローグにすぎず、②でお話したいことを纏めようと時間をとったが中々まとまらない。
ので、思ったことをとりあえず書こうとやっとnoteを開き進めます。

是非前回の感想文と一緒にご覧下さい。
多少のネタバレを含みます。

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さて、話を進めていこう。

上にも書いたように、前回のことは大雑把な「紹介文」「プロローグ」にすぎない。

今日は「文豪ストレイドッグスBEAST」という作品でどこに心を動かされたのか、良いと思った点をお伝えしようと思う。

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_______良いと思った点。


まずはCGだ。
文豪ストレイドッグスは『 異能力バトルアクション 』が行われる物語。
坂本浩一監督の信頼しているという制作会社のCGである。

まあ、間違いはない。
もちろん好みの問題があるので好き嫌いは別れるだろうが個人的にはとても満足できるものだった。
迫力もかなりあり、そして文豪ストレイドッグスの出す「リアル感」を残したものだと感じた。
特に中島敦の白虎。『 異能力 月下獣 』は事前情報を見た時からかなり驚いていた部分だった。
「もしかしたら、今あの場所に行けば会えるのではないか」と思ってしまうほどに。

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その次は役者の皆様

こっちもこっちで間違いがない。
実写化舞台が苦手な私が唯一楽しく観れている舞台のキャストさんだ。
当たり前にかっこいいし可愛いし面白い。
その中でも今回特に好きなのが

織田作之助 演じる 谷口賢志 さん。

「舞台 文豪ストレイドッグス 黒の時代」
でもご出演されていたが、やっぱり「織田作」がそこにいた。
あまりにも似すぎていて、毎度見る度に涙が出るし笑顔にもなる。

そして舞台挨拶を見て、パンフレットを見て、noteを見て涙した。
ボロッボロに泣いた。

もしかして谷口賢志さんが織田作之助を語る時自分毎回泣いているのでは???????

そのぐらい弱い。演技も素晴らしいし、凄く引き込まれる。

小説版のBEASTは「芥川龍之介」「中島敦」「太宰治」をメインにした語りが多かったが、映画版のBEASTはその3人含め「織田作之助」の存在が際立っていた。

小説版で語られることのなかったことが映画版で語られていたが、それを完全なる織田作之助として演じてくださった谷口賢志さんには感謝しかない。感謝という言葉より上の言葉が欲しいぐらい。

キャストの皆様の違和感の無いウィッグのセット、ウィッグではない地毛でのセット。
あの特徴的な織田作之助の「髭」をどう再現するかまで考え込まれていたらしい。
そこまでしてくれて、楽しませてくれる制作陣の方やキャストの方は凄い。そんなエピソード聞かされて嬉しくないわけが無い。

脚本含め、まだ言いたい良いことは沢山あるのだが書ききれないので一度ここまでで留めておく。止められなくなってしまう。


_______心を動かされた場面。


この先、よりネタバレを含みます。



これは正直、BEASTの中だけでもかなりある。
自分は読んだ本など「良いシーン」「心に残ったセリフ」の部分に付箋を貼り、いつでも見返せるようにしているのだが、BEASTはその付箋の数がかなり多い。
そして映画版BEASTは小説とは違った箇所がそこそこあるのでそれも映像に、スクリーンに付箋を貼りたいぐらい多かった。

その中でも「映画版BEAST」でしかない場面でグッと引き込まれた所を紹介する。
※一語一句覚えている訳では無いので言い方の間違いがあると思うが許して欲しい。



芥川が賢治に「こっち(横浜)に来て驚いたことは何だ。」と問いかけるシーン。 

賢治はそれに対して

「最高級ホテルで食べた最高級料理です!使われていた食材、何だったと思います?」

と質問し返す。
何だ。と芥川が問うと

「____いつも村で食べていたものでした。」
と微笑んだシーン。

かなり引き込まれた。
些細な何でもない会話なのに、何故か凄く引き込まれた。
とても良いお肉を料理したシェフが居る。動物を育てた方がいる。
庶民的な自分からすると「最高級ホテルの最高級料理」という名前で出されると何だが別世界の料理に感じてしまうが、全然そんなことはない。
腕のあるシェフのおかげでとても綺麗にされた料理、それには同じ地球で育てられていた動物が使われている。
その些細な会話だけで色々考えさせられた。

※賢治は「宮沢賢治」という。
文豪ストレイドッグスの宮沢賢治は「イーハトーヴォ村」という電気も通らないような田舎から来た心優しき探偵社員である。
それを踏まえてのこの台詞だ。


織田作之助の言った
「 夢を掴めば 夢に追いかけられる 」

新しい年が始まり、「何か色々なことを始めたい!」という沢山の夢ができた自分にはかなり心に響いた。

夢を見るのは良い。夢を掴むのも良い。
だが、足元がしっかりしていないと夢に追いかけられるだけだ。
追いかけられ、追いつかれ、自分の夢に潰されてしまう。
そんな夢に潰されぬよう、準備をする。
これを心の引き出しにしまう。すぐに思い出せるように手の届く場所に。


谷崎潤一郎のシーン

正直これは、小説版でも言えることだが映画版でも引き立っていた。
谷崎潤一郎には妹の谷崎ナオミがいる。ナオミを守るためなら何だってしてしまうのが兄の谷崎潤一郎だ。
今回BEASTでは芥川が妹を救い出すために探偵社に入る為、谷崎はそんな芥川のことを良く思い、見守っている。

小説版では活躍が多かった谷崎だが、映画版ではあまり出てきてくれなかったのが惜しい。
でもその少ない場面の中でも「妹への愛」が伝わる場面が多い。

だがその「妹への愛」は谷崎にとっては「良いこと」「正義」であるが別の味方をすると「良くないこと」となる場合もある。
それが人間らしい部分でもあり、今回のBEAST「獣」に当てはまる部分が多い。

「妹を救う戦いは何よりも正義だ」

この言葉がすっと出てくる谷崎潤一郎、妹のナオミは本当に守りたい大切な存在で有り続けるのだなと、そう強く改めて思った。

ただ、小説版のシーンや台詞がもう少し欲しかったなと思うが、まあ諸々の都合があってのことだと思うので仕方ない。
この谷崎は小説の谷崎として楽しむべきなのだろう。


BEASTにはもっと良いシーンがある。小説版も然り。

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_______終わりに。

この拙い文章で文豪ストレイドッグスの魅力が少しでも伝わると嬉しく思う。

本当に素晴らしい作品だった。
銀幕をリアルタイムで、この目で見れたこと、作品に出逢えたこと。
この素晴らしい瞬間に生きていられたことを幸せに思う。

混沌都市、ヨコハマ。

これからも異能者含め全ての人は「自分の生き方、在り方」にもがき、苦しみ、それでも幸せを見つけ、生きていくのだろう。

我々もその中の一人だ。


辛く苦しい日々の中、それでも幸せな未来に目を向け……。



________ストレイドッグスに、乾杯。



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