見出し画像

Vol.4 りえとパッション-後編-

みなさんこんばんは!パッションです!

本日は昨夜に引き続き
白水梨恵さんへのインタビュー記事後編です!

前編はこちらからご覧ください!

それではインタビュー、パッション!!

◆頑張っている人に適切なチャンスを

__
テンラボに合流するきっかけとかタイミングはなんだったんですか?

りえ
マチトビラに入って、やっと鹿児島に関わる仕事ができ始めたんですが、1年ぐらいで結婚と出産をしたので、産休に入るタイミングで辞めちゃったんですよ。子ども苦手だったので、この仕事しながら子育ては無理だと思って…。
子育てを始めると、口にする食べ物に気を付けるようになったんです。調べ始めると食べ物っていうのがすごい奥深い。マチトビラとかETICで地域の仕事をしてる時も、地元のために頑張ってる会社って結構食品系が多かったりして、フードコーディネーターの資格をとったりしたこともあったんです。
自然と、子育てしながら飲食系の仕事をしてみたいなって思って、長男が生後半年の時に家の近くの飲食店でキッチン兼ホールの仕事を始めました。
そこから1年半ぐらいで次男を出産。同じタイミングで夫が霧島市で保育園を始めることになったので、飲食店の仕事は辞めて霧島市に引っ越してきたんです。
保育園の立ち上げ直後から約2年間、保育園の給食室で調理補助や給食関連の事務仕事をしていました。それなりにやりがいもあったけど、「自分が人生の時間使って一番やりたいのはこれだっけ?」ってだんだん思い始めて。飲食系をやりたかったからここにいるんだけど、1番やりたいのはやっぱりまちづくりの仕事だなってモヤモヤしながらだんだん気づいてきたのが、今の仕事に至ったきっかけ。
ちょうど第3子になる長女の出産もあったので、それを機に保育園を辞めて、産後2ヶ月の時に開業届を出しました。文章書くのが好きだったのでまずは在宅で子ども見ながらできるライター業から始めようと思っていた矢先に、偶然にもレイコップと共通の友人宅でご飯を食べる機会があって(笑)「霧島の横川町ってまちで、「きりしまスイッチ」っていうまちづくり事業がこれから始まるから手伝いませんか」って声をかけてもらったので、それをきっかけにテンラボに合流しました。

__
そうだったんですね(笑)
じゃあ最初はきりしまswitchでテンラボには関わっていたんですね。

りえ
そうですね。
あとは、インターン事業をいつかやりたいなってマチトビラを辞めてからずっと考えていたのもあったので、テンラボの名前を借りてインターンシップのコーディネート事業を始めたりもしていました。

__
インターン事業はやってみてどうでしたか?

りえ
私がマチトビラにいた5年前と状況が全然違うということにすぐ気づきましたね。もちろん予想はしてたけど、予想以上に全然違った。そして、インターンシップという形へのこだわりをなくした方が、自分が人生かけてやりたい仕事や大事にしたいことは達成できるって思いました。
テンラボへの関わり度合いが格段に上がったのはそれに気づいてからですね。

__
本格的にテンラボに関わり出したのはいつ頃だったんですか?

りえ
10月頃にインターン事業が軌道に乗り始めて、きりしまswitchも佳境を迎えたりしたんですけど、そのタイミングで「もうちょっとやりたいな」って気持ちが自分に芽生えていたので、ココラボ(鹿児島県共生・協働センター)にWeb等の情報発信担当として入らせてもらいました。

__
もうちょっとやりたいって思った理由は何だったんですか?

りえ
ココラボ(鹿児島県共生・協働センター)が大事にしている「共生・協働」のテーマにすごく共感できたからかな。「頑張っている人に適切なチャンスを渡す」というのが私のやりたいことの根本なので、ココラボにはずっと興味を持っていたんです。



◆まちの魅力が埋れすぎているまち”横川町”

__
霧島市の横川にハマっていったのはきりしまswitchがきっかけだったんですか?

りえ
そうですね。プログラムの一環で横川のまちあるきをしたんです。そしたら今まで車で通り過ぎていた場所にものすごい価値が眠っているんだなって思って。実はここ明治●●年築なんだよねとか、実は国の文化財なんだよねみたいな建物が普通に町中に溶け込んでるんですよ(笑)車で通るだけじゃ気付かないからさ(笑)他にも面白い場所や隠れた写真スポットとかがいっぱいあって。「これはちょっと埋れすぎててもったいない」って思ったのがきっかけ(笑)

__
そこから横川のまちに目を向けていったんですね。

りえ
そうですね。横川町のまちのシンボルとして大隅横川駅っていう県内最古の駅があるんですけど、国の登録有形文化財になっていて、今年で築117年なんですね。木造の建物で117年経ってて無人駅で管理人がいない駅って汚そうだしボロボロなイメージするじゃん(笑)

画像1

県内最古の駅でもあり、まちのシンボルでもある”大隅横川駅”

__
ボロボロなイメージしますね(笑)

りえ
でもめっちゃ綺麗なのね。ゴミなんかひとつも落ちてないし、破損してるところもないし、窓ガラスも昔のままなんですよ。戦争中の銃弾を受けた跡も実際に残ってて、ある程度被害を受けたにもかかわらず建設当時の明治の姿を保ってる。外にある公衆トイレには花も飾ってあって(笑)とにかく整理されてて小綺麗なんですよ横川駅って。

__
ええ。なんでそんなに綺麗なんですか?

りえ
きりしまswitchに参加してる地元の方々に話を聞いてみると、大隅横川駅保存活用実行委員会という地元の任意団体があって。その人たちが定期的に駅の清掃活動とか草払いをされていたんです。その団体はもう今年で13年目ぐらいなんですけど、10年以上にわたって地元の人たちが自分たちの手で自分たちの町のシンボルを守る活動をずーっと続けてきてたんですよ。
あと駅前にレトロなポストが置いてあるんですけど、もともとは普通の四角いポストが置いてあったらしいんです。駅の景観にポストが合わないよねって話に地元の人たちの中でなって、そこから自分たちで丸いレトロポストを探し回って、宮崎中央郵便局にあったものを横川からトラックを運転して宮崎市まで取りに行って、持って帰って自分たちの手で設置したっていう逸話もあって(笑)手づくりすぎだろっていう(笑)それくらい地元の人たちがまちのシンボルを愛していることにすごく感動したんです。

__
いやすごいですね(笑)

りえ
保存会に入ってない地元の60代70代ぐらいのおばあちゃんとかも、毎月第三日曜日は駅の構内で自分たち手作りの布小物とかを売っていたり。
横川はどんどん過疎化が進む山の中の町だけど、地元の人たちがまちのことを諦めてないって感じて、そこから私も横川のことがだんだん好きになりました。

__
他にも横川の特徴ってあったりしますか?

りえ
私みたいな縁も所縁もない他所者が、いきなりその活動に顔を出したりしても他所者扱いする人がいないこと。子どもを一緒に連れていったりしても地域の子と同じように一緒に遊んでくれる。そんな温かさがすごい横川の特徴だなって思います。基本田舎は温かいってよく言われるけど、その中でもやっぱ特徴的に温かいって私以外の人も言いますね。
だから横川に住んでないけど横川のことめっちゃ応援してるし、実際に足運んで手を動かす人がめっちゃいるんですよ。温かさとか多様性を受け入れる器がめっちゃでかい。それがすごく印象的です。

画像3

先日横川でイベントを行い、地元の方、遠方の方それぞれ約30人が集結した

__
それで自分でも横川でお店をやりたいって思ったんですか?

りえ
そうですね。きりしまswitchの参加者の人たちの中に共通する問題意識として、「空き家問題」「泊まれるところがないこと」「住民が交流できる拠点がない」の3つがあったんです。
ただこの3つってどれも、お金も人手も結構かかること。みんな仕事もプライベートの用事も色々ある中で、急に大掛かりなことはしにくい。でも自分も横川にハマってきた1人として、小さな一歩からとは言うけどやっぱやりたいよなって思いはじめて。去年の12月に「私、空き家改修してお店やるんで、一緒に物件探しませんか」って地元の人たちに言っちゃった(笑)

画像6

きりしまswitch”横川未来研究室”

__
めっちゃかっこいいですね(笑)そこまでしてやっぱりやろうって思ったのは頑張る人の後押しがしたいってテーマが関係していますか?

りえ
そうですね。横川のまちづくりを私も一緒にやりたいなと思ったのも、地元の方々の中で駅から町に人の流れができるような動きをもっと頑張っていきたいって気持ちがあったから。ただ年齢層的にも50〜60代の方も多いので、今から開業して自分たちがお店やるってしんどいところがあると思って。じゃあ自分も飲食にまだまだ興味があるし、後押ししていきたいから一緒にやろうって思った。



◆楽しんだものがち

__
テンラボに入ってこれまで横川で活動をされていて、どんなことを考えていますか?

りえ
テンラボの人たちって飲み会しないじゃないですか(笑)それはお酒が入らなくても本音を伝え合う対話ができる関係性であったり、お酒入るとまともな会話できなくなったりもするんでそこは私もすごく共感してて(笑)ちゃんとした話はお酒がない方が良いなって思ってたりはするんですけど、地域で活動するってなるとやっぱり飲みニケーションは大事。ここは譲れないってポイントは「酒抜きでいきましょうよ」って言うけど、基本は地元の人たちの感覚に合わせようかなって私は思って横川で活動しています。飲み会っていうのもそこの地域の文化だと思うんですよね。飲み会をそんなにしない、夜集まらないみたいな地域は田舎でもあるだろうし、それはそこの文化だし。やっぱそこの人たちのずーっと何十年もかけて培ってきた価値観にできるだけ寄り添うようにしようと思ってます。

__
なるほど。お酒の場でぽろっと本音がでてきたりもしますもんね。

りえ
その本音がお酒を飲まなくてもぽろっとでてくる、だしてもらえる関係性を最終的にはつくらないといけないけどね。入り口は飲みニケーションでも十分いいじゃないかと思う。実際、そんな関係性作りが今できている。
あとは地域の文化としての考え方を尊重はするけど、とはいえ今に合った価値観を取り入れていかないと置いていかれるので、今の時代の風・外の空気をうまく地域内に入れていくのが私の役割かなとは思っています。

__
オンライン飲み会とかもされていましたもんね!

りえ
そう。「オンラインなんですけど飲み会しませんか〜?」って言うと、最初はみんな「え〜できるかな」って言ってるけど、実際やったら3時間めっちゃ盛り上がるみたいな(笑)普通の飲み会より盛り上がってるじゃないですかみたいな(笑)

画像2

きりしまswitchの参加者とオンライン飲み会を開催

__
テンラボでも役員になってウエイトも大きくなってきてると思いますが、これから先どうしていきたいみたいなありますか?

りえ
テンラボは長いスパンで関わっていきたいと思っています。比重はその年々で変えていくとは思う。今年度はかなり比重が重くなってるんで自分の生活の7割テンラボみたいな感じだけど(笑)
できれば来年4月には横川の古民家改修しているお店を開けたいなと思っていて、そうなると横川の比重の方が大きくなるかもしれないし、上手くその時々で合わせながら、横川にどっぷり両足浸かる状態にはならないようにはしたいと思っています。横川というか、ひとつの地域とか団体にどっぷり両足浸かって所属するみたいな状態には絶対したくなくて。

画像6

絶賛空き家を改修中!!

__
それはなんでですか?

りえ
自分が目の前しか見えない状態なってしまったらダメだと思ってる。外の風を地域に入れるという役割は、今の横川にとってすごく大事。常にバランス保ちながら色んな所に顔を出したいなって思っています。
テンラボの仕事で関われる世界・ライターの仕事で関われる世界・横川のお店を通して関われる世界はそれぞれ違う。この3つをうまくバランス保つことが、結果横川にたくさんの外の風を入れていくことになって、良い影響が出るだろうなと思っています。

__
最初はあまりテンラボに関わらないと思っていた、から変わりましたね(笑)

りえ
そうですね(笑)結局テンラボがやってる仕事って私がやりたい仕事のど真ん中で、ただ私は会社のルール的なやつに縛られるのが嫌なので、そこがテンラボは個人事業主の集まりなだけあって、ちゃんと物事考えて進めていれば、ある程度権限をもたせてくれるんで、テンラボだったら自然体でやりたいことやれるなと思ってる。それに自分1人で考えるよりも、周りの人たちとの連携とか意見が入ったりした方が絶対いいものができるから、良いチームだなって思っています(笑)

__
ライター業をしているのも、誰かを後押ししたいみたいなものが関係しているんですか?

りえ
自分が「いいな!」って思ったことは誰かにシェアしたいし、それでその人の価値観が良い方向に変わったり、楽しい時間が増えたりしたら純粋に嬉しいなと思ってライター業はしています。
まちづくりの仕事ほど「頑張る人に適切なチャンスを!!」みたいな暑苦しいことは思ってないけど、ゆる〜く似たようなことは考えながらライター業やってる感じだね。

__
最後にりえさんはまちづくりとか地域に関わることってどう考えていますか?

りえ
これは完全に私の個人的な意見ですよ(笑)
地域に関わる仕事は楽しんだものがちだなって思う。
地域づくりの仕事ってそこに住んでる人たちの生活とか、これまで培ってきた歴史とか、今後の行先みたいなの全部に関わるじゃないですか。だから「仕事!!」って思って現場に入ると、めっちゃしんどくなるなあと思って。かかるプレッシャーとか、楽しいこともあればしんどいこともあるし、理解してもらえないこともあるので、上手くいかないこともひっくるめて「おうおう、そうきたか」ぐらいで(笑)
楽しむって感覚を持ってやらないとしんどくなるし、やりきらないなって私は思いながら仕事してます。なので横川に関してもやたらと面白がってます(笑)
横川じゃなくても霧島市内いろんなところにプライベート時間で遊びに行くし、霧島以外の仕事も、趣味と仕事混同してやってます。楽しみつつ、仕事としてちゃんとやる。

画像5

”楽しんだものがち” 趣味も仕事も楽しむ。



編集後記

はい!ということでパッションインタビュー第4弾
「りえとパッション」でした!
いやー、今回もすごかったですね(笑)
りえさんを見ていると、まちを楽しんでいるっていうのがものすごく伝わってくるんですよね。純粋に好きなんだなっていうのもあるし、そのまちの魅力の見つけ方や楽しみ方などは学ぶことがたくさんあるなあといつも思っています。
エネルギッシュなりえさんをみて、自分なんかまだまだできるだろ!といつも青いケツを叩かせてもらっています(笑)

りえさんありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!

パッション

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?