粘土の値上げ

僕は実はねんど作家でもある

こういった感じでねんど細工を制作し、最近ではコマ撮り動画を作って遊んでいる。
(ちなみにチャンネル登録者数は3人だ。ありがたい)

このnoteもそうなのだが、フォロワーや登録者数を増やすことに、僕は主眼を置いていない。ただやりたいことをやっているだけであり、閲覧したい人だけが見てくれたらいい、そんな気持ちでいる。良いものを作っていれば勝手にファンは増えるし、宣伝とかはしないでもいいや。

と思っていた時期が、ずーっと長かった。

最近は、ちょっとその意識も変わってきていて、やっぱり多くの方に見てもらいたくなってきた。何十万人とかじゃなくていいから、せめて数百人くらい。そんなところ。もう少し、たくさんの人に見てもらう努力をしようかなと思った。

ねんど細工

ねんど細工は、一つ2000円で売っている。

道の駅などで売っている際は

「高い、売れないでしょう?」

「こういうものにお金をだす世の中じゃないからねぇ」

など、さまざまなことを言われてきた。

だけど

「2000円?安いね、元は取れているの?」

「もっと高くても売れると思うよ」

こう言ってくださる方もいて、作り手の僕としましては、もう本当に人間の多様性って面白いな、こんな些細なことで意見が割れるんだから、そりゃ国会の議論もまとまるわけないし、離婚件数だって増え続けるし、戦争だって勃発するわ、人間(笑)って感じだったんだけれども、評価していただけるのは本当にありがたい。

本当のところを言っておくと、ねんど細工に関しては完成までに乾燥の時間を含めて3日を要するので、僕の制作時間を時給換算したり、ちゃんと原価計算したりするとおそらく2000円では割には合わない。

ではなぜ2000円かというと、僕の小学校6年生の時のお小遣いの額だからだ。一ヶ月2000円でやりくりしていた。

僕のねんど細工の作品を購入してくださるのは、主に大人だ。しかしたまに子どもが

「ほし〜。机に飾りたい〜」

と言ってくれるのである。もしそれが5000円だったらどうだろう?子ども、小学生にとっては大金である。(物価の上昇が他国に比べ緩やかな日本だから言える話でもあるが)だから僕は、当時の僕が一ヶ月、他に使うのを我慢すれば買える金額に設定した。

確かに、作品を安売りしてはいけない、手作りの作品は価値を高める為にも、ある程度の価格設定は必要だ、などの声はあるだろう。しかし僕の思いとしては、欲しい人に届かなくてなんの作品か、と思ってしまう。

ねんど細工の作品なんて、なんの役にもたたない。衣食住の、なんの役にも。しかし、そばにいることくらいはできる。勉強を教えてくれるわけではないが、見ていてはくれる。

小学6年生、夜更かしして、ラブレターを書くことだってあるだろう。(今はLINEか)おびちゃんやトミーが妙文を思いついてくれるわけではないが、でもきっとその想いが届くことを机の上から祈っている。

そんな妄想をしながら、一つ一つを手作りしている。最近、その原材料の粘土そのものが、高くなった。そして内容量が明らかに減った。

もう利益なんてあってないようなものである。しかし僕は、両手が動く限り、ライフワークとして作り続けるんだと思う。

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