進撃の巨人の面白さ

今Twitterで一部炎上している、「進撃の巨人が女性蔑視的でないから素晴らしい」というテーマについて、納得できるけどモヤる気持ちを言語化しようと思う。

まずそもそも進撃の巨人とは、別冊少年マガジンにて連載された作品(作:諫山創)であり、
「巨大な壁に囲まれて暮らしていた子供たちが、ある日現れた超大型の巨人によって日常を破壊されたことをきっかけとして、兵団(巨人と戦う人間の精鋭部隊)に入って巨人を駆逐することを目指す」

という人類vs巨人のアクション漫画、ダークファンタジー漫画である。(後半は変わっていくがネタバレになるので)
作中では、エレンやミカサなどの訓練兵団の中でもトップの10名+アルミンやクリスタなどに主にスポットライトが当てられて話が進んでいく。

上記の背景を知ると、超実力至上主義の訓練兵団の中で、過酷な訓練を乗り越えてトップの成績を残した10名の間で男女平等が成り立っているのは当然といえば当然だろう。
いつ巨人に食い殺されるかわからない世界で、最前線に立って巨人と戦う調査兵が、男性に媚びたり知性を感じさせない発言をする方が不自然だと私は思う。セクハラシーンとか、それどころではないから。

しかしたしかに、ミカサやアニが珍しいキャラであるのはわたしも賛成する。
ミカサは、幼馴染であるエレンを守るためなら自分の命も惜しくない、エレンが生きがいであり原動力の、不思議な最強人間兵器である。
主人公のことを想って陰でサポートしたり、共闘する女キャラはまあ見たことがあるが、主人公をも凌駕する圧倒的な力と身体能力で、文字通り命を守っているのは彼女くらいだと思う。
アニは基本いつも冷静で頭が切れる、それに加えてエレンやガタイのいいライナーを軽々倒してしまうほどの格闘術を身につけている唯一無二の超人である。だけど意外とめんどくさい人間なのが面白い!!(ネタバレになるから多く言えないが、魅力に溢れていて私が一番好きなキャラである)

また、進撃の巨人を読み進めていくと、この作品は「人間の多様性」をテーマの一つとしていると感じた。
それは、登場人物で黒人のオニャンコポンが、「どうして君は肌の色が黒いの?」と聞かれた時に「それは神様が、いろんな奴がいた方が面白いと思ったからだ」と答えるシーンや、育った環境によって真逆の考え方、価値観を身につけている人間たちの描写を通して見ることができる。
訓練兵団のトップ10人も、それぞれが個性豊かで準主人公のような描かれ方をしている。まさに十人十色である。

そういうテーマを書きたい作者だからこそ、上記のミカサやアニ、それにハンジなど、「珍しい女キャラ」が生まれたのではないかなと思う。彼女たちは、「こういう人間がいたら面白い」というキャラたちの中の一部なだけだと思う。特に面白いキャラであることは間違いないけど。

今回話した「登場人物の個性豊かさ」はあくまで進撃の巨人の魅力の一つにすぎない。有名な伏線回収もそうだが、作画やストーリー展開、登場人物の細かい心情描写などなどハマる理由があまりに多すぎるため、ちょっとでも興味を持ったら是非漫画かアニメを見始めてほしいと思う!!

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