見出し画像

尿は健康診断装置(3)

おしっこでわかる病気について書いていきます。

尿の色

濃いおしっこは問題ありません。
尿は本来、透明の淡い黄色ですが、主に尿の水分濃度によって色の濃さが変わります。
朝一番の尿は色が濃くなります。日中の尿も、水の摂取量が少なければ比較的濃くなります。
血尿が出た場合にはすぐに病院に行きましょう。
血尿は、鮮血のような赤やピンクっぽい色をしている場合もあれば、茶色っぽい色をしている場合もあります。
茶色っぽい血尿でも、紅茶のように赤みがかった色ですから単に濃い尿の色とは明らかに違うと気づけるはずです。
特に高齢者の場合は、ある日突然、明らかな血尿が出た場合は、真っ先に膀胱癌を疑います。

尿の泡立ち

泡立ちが多くしばらく消えないなら病院に行きましょう。
尿の泡立ち方もたいていは気にする必要ありません。しかし、以前より泡立ちが多くなり、しばらくしても泡立ちがきえない、それが毎日続くようなら、尿タンパクや尿糖が出ている可能性があります。
病院できちんと尿検査を受けた方がいいです。

尿のにごり

健康な尿は色が濃くても薄くても透き通っています。
もし白濁していたら、塩類の結晶が混じっているか膿が混じっているかのどちらかです。
塩類の結晶は、たいていは心配ないものですが、尿路結石や、蓄尿や排尿の信号がうまく伝わらなくなる神経因性膀胱のサインである場合もあります。
膿みによって尿が濁っているとしたら、腎盂腎炎や、女性の場合は膀胱炎、男性の場合は前立腺炎や尿道炎が起こっているということです。
尿道炎は、淋菌やクラミジアなど性交渉によって感染する性感染症であり、性交した相手を感染させてしまう危険があります。
男性から女性へと感染させてしまうと、菌が体の奥にまで侵入して、卵管炎や骨盤炎、さらには不妊になる場合もあります。直ちに治療が必要です。
尿に白っぽい浮遊物が混ざることもありますが、女性の場合は生理的なものであり、問題ありません。男性の場合は前立腺炎や尿道炎が疑われます。
尿の濁りで疑われる病気では、たいてい排尿痛、腰や背中の鈍痛、発熱や頻尿なども見られます。
前立腺肥大症の手術や投薬治療を受けている男性では、射精後に尿が濁る場合もあります。尿の濁りでは感染症の可能性も否めませんので、泌尿器科の受診をお勧めします。

尿の臭い

多くの場合、気にする必要はありません。
通常、尿の匂いのベースはアンモニアですが、飲み食いしたものや服用した薬に左右されることもあります。お酒を飲んだ翌日には、アルコールを分解する際に生じるアルデヒドの匂いがします。
稀に、子宮筋腫や膀胱癌、子宮癌の手術で膀胱と大腸が癒着してしまい、尿が大便臭くなることがあります。これはかなり深刻な症状です。
尿の臭いにそれほど神経質になる必要はありませんが、明らかにいつもと違う悪臭がしたら、体に何らかの異常が起こっている可能性が考えられます。
尿から甘いような香りがするのは糖尿病が進んでいるサインです。
臭いに加えて、濁りなど複数の症状が見られたら、念のため泌尿器科を受診するといいでしょう。

排尿時の痛み

女性は膀胱炎、男性は尿道炎の可能性があります。
水分比率の低い濃い尿が出たときに、尿道に滲みるような痛みを感じることもありますが、多くの場合、排尿痛は感染症のサインです。
たいていは尿の濁りも伴います。濁りと合わせて痛みが出ていないかチェックしておきましょう。

以上5点は自分でもチェックしやすく、異常に早めに気がつくことができる体からのサインです。
気にしすぎる必要はありませんが、いつもと違うと感じたときに思い出してチェックしてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?