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西田昌司(参議院議員)versus阿久澤孝(財務官僚)

今年3月15日に行われた参議院財政金融委員会の様子です。

西田「財務省の事務次官がですね、このままでは政府が財政破綻すると。一般的には財政破綻というと、いわゆる支払不能、デフォルトになると。それから金利が暴騰してしまってとんでもないことになるとか、物価が上がって大変なハイパーインフレになる等々言われているんですけれども、財政破綻が起きるんですか?事務方から説明してください。」

阿久澤「年々厳しさを増す財政状況に鑑みますれば、仮に市場等の信任を失うといった事態が発生すれば、金利の上昇などを通じまして、市場からの資金調達が困難となる可能性も否定できないと考えております。」

西田「今の意味わかりましたか。財務省の方はそう言うんですね。普通の人は全くわからないんですね。市場の信任というのは一体どういう意味なの?」

阿久澤「国債等がちゃんと市場に消化されるということにつきましては、その国債に対する一定の信任というものがなければ消化がなされないということでございます。」

西田「そこが全くおかしいことを言ったわけですね。新規国債が消化されますかと、市場で買ってもらえなかったら国債が暴落するとか金利が上がると、こういう話なんですが。今、阿久澤さんがおっしゃった説明というのはこういうことなんですよ。要するに、市場に預金残高があるんだけれども、そのお金から国債が買い支えてもらってると思ってるんですよ。民間預金の残高が今あるからいいけれども、民間預金残高がこれからどんどん高齢化で減ってくるかもしれない、そうなってきたときにそれを買い支えられないじゃないかと。それが困ると、こういうことでしょう阿久津さん、あなたが言いたいのは。」

阿久澤「個々の銀行などが国債を購入する場合、それは採算性だとか、また金利変動リスクを考慮する必要がございまして、実際にどれだけの国債を銀行が購入するか、これにつきましては金利の水準などの条件によるものと、このように承知をしています。したがって国債発行がある意味無制限に行えるということではないと、こういうふうに考えております。」

西田「新規国債を発行すれば銀行が必ず買うんですよ。なんで買うかと言えば、基本的にですよ、準備預金当座預金というのは、これ金利ついてません。ブタ積みしても意味がない。意味がないから、そういう有利子の国債が発行されたら必ずそれを買うんです。そっちの方が得ですからね。そういう仕組みなんですよこれは。日銀に聞きますよ。日銀当座預金というのは銀行間取引の決済用のお金ですから、金利はつかないし、新規国債発行すれば必ず買う、そこのところしっかり答えてください。」

清水「日本銀行の当座預金は、先生ご指摘のとおり決済等に使われるものというふうな存在でございます。」

西田「つまり財務次官が言っていた財政破綻というのは一体何なのかと。新規国債が消化されないじゃないか、というようなことを言っているんだけれども、そんなことは絶対にないということを言っているわけですね日銀は。そしてそもそもですよ、国債が償還日来たらその償還ができなくなる、デフォルトと言いますけれども、そもそもそれはないというのが財務省の公式見解で、国債のデフォルトは起きないということでいいんでしょう?」

阿久澤「財務運営に対する信任が損なわれるような事態が生じれば、金利の上昇などを通じて国債の償還など様々な影響が生じる可能性まで否定しているものではないと、このように認識しております。」

西田「頭が硬い人というのはこうなんですね。事実を事実として認めない、と。要するに新規国債発行は日銀が供給している当座預金残高がある限り必ず買うんですよ。そう言っているわけ。そもそもあなた方が言っている論拠になっているのはね、新規国債を消化する財源がですよ、預金残高でやると、そういうふうに思っているわけですよ。これが実は根本的な間違いなんですよ。そうじゃなくて国債を発行すれば民間預金が増えるだけの話で、民間預金から調達するんじゃない。彼らが言っている話は民間預金から調達するから、だから国債をたくさん発行して民間預金を吸い上げちゃうと今度は金利が上がってくるんじゃないのかと。現実はそうじゃない。現実はお金を政府が出せばですよ、国債を出せばお金が市場の方で増えるんですから、全く間違ってるんですよ。これをずっと延々何十年やってきているわけですよ。財務省全体が、自分たちは税収の範囲内で予算を組むのが正しいんだと思い込んでいるからなんです。」

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