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なぜ有質量物体は光速に達せないのか

相対性理論のメモです。

力学を幾何学的に表すときには四次元が用いられます。
これは相対性理論に限らずニュートン力学でも四次元を扱います。
四次元空間は力学を幾何学的に表そうとする際の自然な結果です。

どんな物体も四次元上での速さは常に一定の値、1を取ります。
四次元上では、全ての有質量物体は同じ速さで進んでおり、ただ単に方向が違うだけです。
つまり私達が普段使う空間方向の速度が早ければ早いほど時間方向の速度が落ちます。そして静止状態ではフルに時間方向へ進んで行きます。

光はどうでしょうか?
四次元上での光の速さはゼロになります。全くの静止状態です。

私達を含め質量のある物体は、光速に達せられないというより四次元上で静止することが不可能です。
光が私達から離れていくのではなく、私達が常に四次元上で移動する宿命にあります。しかも皆同じ速さでです。
本当に動いていないのは光の方です。

素粒子とは?

物質をどこまでも分解すると、最終的には、クオークや電子などの素粒子で出来ています。
全ての素粒子は、粒子のような性質と波のような性質の両方を持っています。
質量を持たない光も、波の性質だけでなく粒子としての性質も持つ光子という素粒子の1つです。

「場」とは?

真空(空間)は何もないわけではなく、17種類の素粒子の「場」が重なって出来ています。
「場」というのは、実体としては感じられませんが、「波の無い水面で空間が満たされている」ようなイメージです。
例えば「場」にエネルギーを与えると、波が起こるように実体化します。

物質の最小単位である、クオークや電子についても、それぞれ「場」を持っていて、エネルギーを受けて粒子として実体化したものです。(多くは、宇宙誕生のビッグバンの熱エネルギーから誕生したもの)

実体のない「場」の正体は何であるか、現代科学では未解明です。

光の媒質は?

光とは、電場と磁場という「場」がエネルギーを受けて波が起こり、それが光(電磁波)として実体化し、光速で移動する現象です。
したがって、光の場合は実体のない「場」が媒質のような役割をしていると考えるのがわかりやすいですが、実体のある媒質とは似て非なるものだと考えられます。

質量とは?

質量を持つか持たないかを決めているのは、ヒッグス場という「場」です。
ヒッグス場もエネルギーを与えれば、ヒッグス粒子となって実体化しますが、ヒッグスの場合は特殊で、実体のない「場」の状態でも「素粒子に質量を与える」という性質を持っています。
多くの素粒子は、ヒッグス場を通過するときに抵抗を受けて動きづらくなります。
この動きづらさ=質量であり、ヒッグス場の抵抗を受ける素粒子が質量を持ちます。

質量をもつ素粒子は、どんなに加速しても抵抗を受けるので光速にはなりません。
ヒッグス場の抵抗を受けない素粒子が、光子=光なので、質量を持たず、光速で進む事が出来ます。
光以外で、質量がないもの(ヒッグス場の抵抗を受けないもの)は2つあります。
グルーオンと重力です。

●グルーオンは、クオークを結び付けて陽子や中性子を作ったり、さらにそれらを結び付けて原子核を作る働きを持つ「強い力」を伝える素粒子です。

●重力は、素粒子ではなく(素粒子としては未発見)「時間と空間の歪み」が重力となって働く現象です。重力は光速で伝わります。

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