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メルティキスがまじでメルティした

いつも持ち歩いているリュックのサイドポケットから、メルティキス(チョコ菓子)が一個出てきた。
いつ入れたのか全くわからない。
メルティキスを入れられる季節だから、たぶん冬くらいに忍ばせたんだと思う。

ということは、今日リュックから出てきたメルティキスは冬を越え春を越え、夏を迎えた。
夏を迎えたチョコ菓子がカバンの中でどうなるのかは、学生の頃に履修済みである。
ドロドロのグニュグニュになっているに違いないと思って、個包装の袋をそっと指で挟んでみた。

感触がなかった。
グニュリともメリメリともしなかった。
何度押しても指の腹に感じるのは、個包装の中に含まれたエアの感覚のみ。
どの角度からやってもおんなじ。


メルティキスどこ行った?
メルティキスはメルティしすぎると無くなるのか?
淡雪のように溶けて消えて春の小川になって新たな季節を育むのか?もう夏だけど。

カバンから出てきたいつのものかわからないお菓子は、通常ならごめんなさいしながらゴミ箱行きになるのだけど、今回は中身がどうなっているのか気になった。

キッチンのゴミ箱の上でそっと封を開けてみた。
何も出てこない。
まさか本当にメルティキスが消失したのか。
もう一回袋を指の腹で押してみた。
湯煎したようなチョコがグニュリと出てきた。

私は安心した。
いつもなら中身が目視できた瞬間にうわーーーと思うところだけど、とても安心した。
メルティキスはちゃんとあった。
メルティしたけど消えなかった。


ちゃんとそこに在ることを確かめさせてくれてありがとう、メルティキス。
でも、いつまでも変わらずそばにいると思うなと怒られたような気もした。
その時しか味わえない味がある。
人と過ごす楽しい時間みたいだね、メルティキス。
いつかと先延ばしにしてカバンの中にしまい込んでたら、そんな機会とっくに逃してしまうんだね。


メルティキスからの愛あるお叱りとして、心に留めておくことにした。
まさに、愛と言えば解りやすいか?である。
これが言いたかっただけである。


みんな、カバンのお菓子はちゃんと外に出しておこう。
普通にもったいないから。



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