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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督記:41 民主化

「エネルギーの民主化」と長島彬先生は言った。なるほど!良い言葉なのでインタビュー中に思わず復唱した。
長島先生は、ある企業の技術職を定年退職後に慶應義塾大法学部に入学し、授業の中で目に止まった“光飽和点”という言葉からソーラーシェアリングを発案された。
植物には光が必要だが、程度を超えると有害になる。水をやりすぎると根腐れするように光が過剰だと植物はバテてしまうらしい。それならば、ソーラーパネルですだれのように日陰と日向を作り、太陽光をパネルと植物で分かち合えばいいとお考えになった。ソーラーシェアリングは農地だけのものではなく、公園に設置すれば人々の憩いの場になり、牧場に設置すれば、牛や羊たちの日陰になる。太陽光を地上にあるものとシェアし合うということだ。

実証試験場には有志が集まり長島先生のお手伝いをされている

原発や火力発電は、ひとつの巨大発電装置なので壊れれば大規模な停電になる。福島第一原発事故はもとより、2018年に北海道で起きた地震によるブラックアウトは記憶に新しい。小規模発電装置のソーラシェアリングは手軽に設置できる上に、どこかが停電すれば近隣の地域から電気を送って助けることが可能だ。つまり災害に強い。小規模で手軽に設置できるということは、市民の手で発電が広がる。長島先生はそれを「エネルギーの民主化」と言う。すでにソーラーシェアリングは世界中に広まっているが、残念ながら当の日本は原発を維持したくて仕方がない勢力のせいで広まりが覚束ない。

風速50mに耐えられるよう開発されたソーラーシェアリング3S

長島先生の凄いところは、この大発明で特許による収入を得ていないことだ。「みんな、これをよろしく使ってくれよ」。「みんなで力を合わせて原発の無い社会を作る。今に見ていろ」と先生は仰言る。
少年少女たちよ、すげーカッコいい大人が日本にはいるんだぜ!

映画公式サイト
https://saibancho-movie.com

宣伝費を募るクラウドファンディング
https://motion-gallery.net/projects/saibancho-movie


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