見出し画像

映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督記:78 ナレーション

編集は90%まで出来たので、ここからが正念場だ。音楽監督の吉野さんから続々と完成形に近いデモが送られて来ている。この作品では自分がナレーションを担当するので仮ナレーションを入れながら編集を進めて推敲を続ける。
 
自分は河合弘之弁護士監督作品で拝身風太郎(おがみふうたろう)という名義で脚本、編集、監督補を担当してきた。作品名でいえば劇場用映画『日本と原発 私たちは原発で幸せですか』、『日本と原発 4年後』、『日本と再生 光と風のギガワット作戦』。短編映画『ミサイルと原発』、『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』、『東電刑事裁判 不当判決』の6本。その全てでナレーションも担当している。理由は作り手がナビゲーターである雰囲気を醸し出したかったからだ。決して上手いナレーションではないが、プロが語る以上の説得力はあると思う。
 
ナレーションの経験はTVCMで何度かある。CMでは本格的な仕上げ前の仮編集という段階でクライアントに確認をとる。完成形をイメージしてもらうために自分が仮ナレーションを吹き込むのだけれど、声を聴いたクライアントから「監督のナレーションでいきましょう」というオーダーがたまにある。企画段階から全体のサウンドデザインを考えているので、自分が上手いかどうかは別としてナレーションがバチッとハマることは確かで、クライアントはそれを良しとしてオーダーしてくれるというワケだ。しかし、困ったことにナレーターとしてのギャラが出たことは一度もない。費用が抑えられて広告代理店もプロデューサーも喜んだに違いない。
 
前作『日本人の忘れもの』(2020)では、元NHKアナウンサーの加賀美幸子さんにナレーションをお願いした。日本の放送界のレジェンドで現在82歳でもバリバリの現役だ。加賀美さんの本物の技術、説得力、温かさ、平和への使命感に満ちた仕事を目の当たりにしたにも関わらず、自分でナレーションを語るのは怖いもの知らずのような気はする。本当はどなたかレジェンド級のナレーターにお願いしたいのは山々だが、そうは言っていられない事情がある。限られた制作費の中からナレーター費が捻出できないのだった。

<宣伝費を募るクラウドファンディング>
https://motion-gallery.net/projects/saibancho-movie

<映画公式サイト>
https://saibancho-movie.com


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?