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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督記:97 ポスター2

グラフィックデザイナー・杉山聖吾さんには、ポスターの企画をこう伝えた。

1:樋口英明さんの存在感。
2:樋口さんが裁判長だったことを表現。
3:太陽光パネルの下で収穫する若々しい塚田晴さんのビジュアルを使う。
4:タイトルが長いのでロゴを印象的に。

そして、撮影素材からポスターを構築しやすいような画像を数枚選定して杉山さんに送った。どんな表現になるか楽しみだ。制作費にゆとりがある劇映画はスチール班と呼ばれる写真家が撮影現場にいて、ポスターやチラシ用の写真を撮っている。動画を切り出してポスターにする場合もあるが、一枚のポスターを作るため専門に撮られた写真の完成度はいい。本作は自分一人で撮影しているのでそんなゆとりは全くない。杉山さんにはご苦労をおかけするが、素晴らしい腕前で応えてもらえるはずだ。

 前作『日本人の忘れもの』のポスターも杉山さんの作品。一見、写真家が腰を据えて撮ったように見えるが、実はワンショットの動画撮影素材から作られている。動画は写真に比べて画像解像度が低い。だから杉山さんはこのおばあさんの全身、バストサイズ、クローズアップの数点の画像を合成してビジュアルを作り上げた。背景も動画素材から抜き出したものに生活感を感じる干された洗濯物を合成している。合成の腕前は勿論だが、杉山さんの企画力と優れたセンスが煌めいている。

ポスターは一瞬のビジュアルコミュニケーションが勝負

たくさんのお客様がこのポスターに魅せられて劇場に訪れた。前作では毎日のようにポレポレ東中野での舞台挨拶後にお客様に質問した。
「どうやってこの映画を知ったんですか?」
「ポスター見て、観たいなと思って」
この答えが圧倒的に多かったのだ。

<宣伝費を募るクラウドファンディング>
https://motion-gallery.net/projects/saibancho-movie

<映画公式サイト>
https://saibancho-movie.com


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