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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:112 お正月映画で東京凱旋

2022/11/23 実家は雨。全国26館公開の本作はすでに20館が上映終了している。地域によってバラつきはあるが、概ね平均点以上の動員で喜んでくださった劇場さんが多い。3月から劇場への営業を始め、暑い夏へと向かうにつれて公開館が増え始めた。自分は夏が好きなので気持ちも昇り調子で秋に差し掛かると26館まで増やすことが出来た。新人映画セールスマンとしては、まずまずの仕事ぶりだと自負しているが、巨大映画会社の配給作品が300館も開けていることを考えるとささやか過ぎる。

好きではない冬の到来とともに次々と公開が終わってゆくのは実に寂しいものがあるが、そうは言っていられない。来年1月4日(水)からの東京凱旋公開が下北沢のシモキタ-エキマエ-シネマK2で控えているのだ。

このK2という劇場は、クラウドファンディングサイトMOTION GALLERYを運営する大高健志氏が経営する劇場だ。今年オープンしたばかりの劇場で小田急線下北沢駅の再開発の一部でもある。

下北沢といえばライブハウスや演劇場がひしめく土地でザブカルチャーの発信地として有名だが、再開発と同時に出来た商業施設によって新たな若者の街に変わった。

K2の代表・大高さんとは8年ほど前に小さな映画コンペで出会った。クラウドファンディングが日本に定着する黎明期に事業を始め、特に映画関連のファンディングでは豊かな実績がある。特筆すべきは、コロナウィルスの影響で経営危機に陥った全国のミニシアターを救うために行われたミニシアターエイド基金。3ヶ月ほどで3億3千万円超の支援を約3万名から集め、日本中のミニシアターに支援金を届けた。もちろん自分も支援に参加した。大高さんが映画を通じて社会に貢献しようとする姿勢は心から素晴らしいと思う。

その大高さんが創った出来立てホヤホヤの劇場・K2で本作の東京凱旋公開ができることは、ご縁を感じるし光栄だと思う。若者の街に生まれ変わった下北沢でポレポレ東中野では手薄だった若い客層を狙う。

余談だが、大高さんのご両親がポレポレ東中野で本作をご覧くださって「なんであんな良い映画をK2でやらないの?」と仰ったそうだ。考えてみたら、MOTION GALLERYで宣伝・配給費を募ったからこそ全国に届けられた本作だからご縁は深い。ご両親が仰ったことはご尤もかもしれない。

これまでと気持ちを切り替えて宣伝を仕切り始めている。K2公開開始の第一週には、ポレポレ東中野とは趣の違うゲストを招いて7日間連続の舞台挨拶を行う。いま、その仕込み中だ。若い層に本作を届けることは自分にとって新しい挑戦だが、若い人にこそご覧いただきたいと思って創ったのだから、そもそもの使命である。

お正月映画となったことで益々気分は盛り上がる。がんばって宣伝だ!

<映画公式サイト>
https://saibancho-movie.com

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