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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:104 ポスター成る!

時間を5ヶ月ほど前に戻す。ポスターのプランをデザイナー杉山聖吾さんに伝えてから4つのラフ案が上がってきた。一番良いと思ったものが使われているデザインだが、タイトルロゴが素晴らしい。12文字もある長いタイトルを印象的にロゴ化してくれている。一瞬「そして原発をとめる農家たち」が小さ過ぎないかと思ったが、それは自分がタイトルを知っているから思うことだ。ポスターはほんの一瞬で見た人の印象に残れるのかが勝負だ。劇場に飾られる数々のポスター、たくさんのチラシの群れの中、ページが次々めくられる新聞広告、その勝負の中で先ず「原発をとめた裁判長」が目に飛び込まなければならない。先ず見た人の心をキャッチして、それから全体をじっくり見せてゆくストーリーが必要で、杉山さんはそれを表現している。
一見、普通の明朝体のようだが、を・と・め・た、を見ればわかるようにかなりクセのあるオリジナルの書体を作ってくれている。デザインの神様は、こうした細かな工夫の中に宿る。

イケてる

そして、裁判長の世界と農業の世界を上下にスパッと分けた潔さが特徴的だ。何が描かれているのかを構造的に表している。ソバの実を収穫する若々しい塚田晴さんの頭上のパネルはソーラーシェアリングを知らない人には“これなんだろう?”と思える魅力的な謎として存在している。一瞬、SF的だ。これは、このシーンを撮った時の自分の感想を意匠化してもらったものだ。自分はファインダーを覗きながら「SF映画みたいやな!」と感動したのだ。左右に羽根のように伸びるパネルと青空が希望を表している。杉山さんには、“希望”を表現してほしいとオーダーした。樋口さんの背景に差す光も希望だ。 

ポレポレ東中野のスタッフの方から「チラシが出て行く数がすごい」と増刷を頼まれた。そういう結果を出しているのだ。杉山聖吾yeaaaah!

<映画公式サイト>
https://saibancho-movie.com


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