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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督記:82 音楽大詰め3 白崎映美登場

2021/11/30 安井敬さんのホイッスル録音中に白崎映美さんが到着した。そう、今日は主題歌の歌録りも行う。緑に染めた髪と黒いセーター、白いオーバーオールというお姿、録音中なので目礼する。白崎さんとは初めてのようで、実は初めてじゃなかった。随分前に友人のHONZIというミュージシャンの追悼ライブに白崎さんが参加されてご挨拶したのをあとになって思い出した。

白崎さんは本作を仮編集の状態でご覧くださっていて、挨拶を交わすと「あ、ナレーションとおんなじ声だ」とおっしゃった。やっぱり耳がいいんだなぁと思った。少し緊張されている様子だが、どんな感じで歌いたいかのプランを教えてくださる。作詞家である自分のことを尊重していただいてとても光栄だ。

白崎さんに腰の痛みを伝える吉野裕司音楽監督

録音ブースに入って、先ずは肩慣らしで歌っていただく。リハーサルだけでも吉野裕司音楽監督がどうして白崎さんを勧めてくれたのかがよくわかった。文字ではうまく表現できないが、ビシッ!とくるのだビシッ!と。これ以上の表現はできない。

「素速き戦士」の詞は、四季の自然と共に生きる人間と原発事故で傷ついても不屈の魂をもって進む人々を謳った。この映画に登場するすべての人は“素速き戦士”であり、詞はみなさんを称えている。

夜明けの風よ 凍てつく風よ
この闇を押しのけ 空を ひらけ ひらけ

夜明けの風よ 身を切る風よ
わたしの進む 道を ひらけ ひらけ

土の香りを 霜に閉ざして
眠る大地と消えぬ痛みを分けて

目映い春よ そそげ息吹を
目の覚めるような 花を 咲かせ 咲かせ

たたえた水を 枯れた心に
やわらかな手を あの震えた日々に

照らせよ陽射しよ 真夏の野山に
そびえ湧きあがる 雲を 白く 白く

ともり続ける あかりを手にして
忘れぬように 傷は癒えるように

月を浮かべて 澄みわたる青に
映せよ燃えよ 山を 赤く 赤く

ひらけよ あけよ わたしの駆ける
光と風の 道を ひらけ ひらけ

光と風の 道を ひらけ ひらけ

歌い手の白崎さんは自然と対話できる人という設定だ。その感じを伝えるのにどうも上手い表現が出来ず、モーゼの十戒のことを思いついて、「ひらけ ひらけ は、白崎さんは自然とお友達なので、モーゼ的に必死になってひらくって感じじゃなくって、、、、」と言ったら、瞬時に凄く分かっていただけた。
そう、必死にひらいてもらうんじゃなく、白崎さんが歌えば、自然界は「はーい、わかりましたー」と素直にひらいてくれる。そんな感じで歌ってもらいたかった。それを、その通りに白崎さんは歌ってくださったのだった。

何を書いているのかイマイチ伝わらないかもしれないが、劇場で聴いていただければ、きっとみなさんもお分かりになると思う。
モーゼ的ではない、白崎さんのテクマクマヤコン的な歌の魔法を。

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https://motion-gallery.net/projects/saibancho-movie

<映画公式サイト>
https://saibancho-movie.com

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