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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督記:77 最終ロケ3

竣工式というと、お歴々の挨拶から始まって鏡開きするようなイメージがあるが、近藤恵社長は実にスマートな式典にした。参加者全員での記念写真撮影で始まって、メインイベントはシャインマスカットの植樹祭という趣向。1メートルほどに成長した幼木にご参加のみなさんがスコップで土をかぶせる。冬は葉が落ちているのでヒョロッとした木がグングン成長して3年後にマスカットの実をつけることを想像すると思い出深い式典になると思う。
 
原発事故で被災した農業者が自らエネルギーを作り出す農場は注目度が高い。地元や東京からも新聞社やテレビ局が取材に来ていて近藤さんにインタビューするために列を作っている。参加した70名超の方々はみんな笑顔だ。
近藤さんは、近い将来この東京ドームの面積を超える農場をテーマパークのような施設にしたいと言っている。ブドウ刈りや農業体験、作物から出来た加工食品や化粧品類の販売などいくらでもアイディアが広がっているだろう。
 
「希望を表現する農場にしたい」近藤さんはそうおっしゃった。その心の裏側で原発事故でどれほどの絶望を体験したのか自分には想像すらできない。20代最後の年に放射能によって農業への夢を絶たれ、10年目の復活。これから苦労もたくさん経験されるだろうが、そんなものは乗り越えて行く。なぜなら、近藤さんたちの行く道は太陽の光に照らされているからだ。

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