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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:103 最終試写会

2022年8月15日 晴天。 6月から5回行ったマスコミ試写会の最終日は50名超のジャーナリスト、市民団体、本作スタッフ、自分の友人たちがご来場くださった。受付開始してから続々といらっしゃる方々と名刺交換をする。中には監督だけしか受付に居ないことに驚かれる人もいるが、他にスタッフが存在するような裕福な興行ではない。この実質ひとり宣伝ひとり配給は、良い宣伝のネタになると自覚している。だから試写が始まる前の短い挨拶では毎回、ひとり興行のことを説明する。その時点で、”ああ、大変そうだな”と思ってくださるのは客席を観察していれば伝わってくる。
試写が終わると温かい拍手をいただける。スクリーンの前に立って、宣伝にはどれくらいお金がかかるのか、劇場への営業にどういうハードルがあるのかを手短にお伝えすると”これは応援しなきゃいけないな”と感じてくださる。ご覧くださった方々の宣伝への参加意識を自分はそうして作り上げる。すると、みなさんお帰りになる際にチラシを束でお持ちになってくださる。考えようによってはアザトい宣伝手法だが、作品を気に入ってもらえたからといって自発的に宣伝に参加してくれるほど世の中は甘くないことを自分はわかっている、なぜなら自分は広告畑出身だからだ。もちろんメディアの方は、ひとり宣伝ひとり配給が報じるためにネタとして使えることをその時点でキャッチしておられるので、自ら話題提供しているというわけだ。
ただし、こんな宣伝手法は作品を気に入ってもらえなかった場合は鼻につくことこの上ないだろう。でも、試写をご覧いただいた朝日新聞、毎日新聞を始めとする数々のメディアが報じてくださっている事実は、まぎれもなく作品の力の証明だ。

左、音楽監督吉野裕司さん 右、パーカッショニスト海沼正利さん

そういうアザトさをキャッチできない人もいる。最終試写には16歳のお嬢さんが来られた。スクリーン前から「どうでしたか?」と尋ねると「すごく面白かったです!」と元気に答えてくれた。会場に拍手が沸いた。姑息な宣伝妙技など通じない純粋な世代にも本作の持つパワーは伝わっているのだ。ポレポレ東中野の公開まであと26日。さぁ、どんどん行くぞ!!

<映画公式サイト>
https://saibancho-movie.com


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