エレドラ　設定資料集　〜身分・職業編〜

　エレドラの世界に存在する身分、職業です。もちろん、これ以外にもたくさん存在するはずです。
　異世界ファンタジー作品に登場させたい場合の参考にどうぞ。

　※頻繁にアップデートするのでご注意下さい。

■王侯おうこう貴族きぞく

●皇帝こうてい／女帝じょてい
　帝国の君主です。
　男性の皇帝の配偶者は「皇后こうごう」と呼びます。
　前皇帝の配偶者（皇后／皇妃）は「皇太后こうたいごう」と呼びます（現皇帝の生母とは限りません）。

●国王こくおう／女王じょおう
　王国の君主です。
　男王の配偶者は「王妃おうひ」、女王の配偶者は「王配おうはい」と呼びます。
　前国王の配偶者（王妃）は「王太后おうたいごう」と呼びます（現国王の生母とは限りません）。

●皇子おうじ／皇女おうじょ
　皇帝の子女です。特に跡取り（基本的に長男）は「皇太子こうたいし」と呼びます。

●王子おうじ／王女おうじょ
　王の子女です。特に跡取り（基本的に長男）は「王太子おうたいし」と呼びます。

●公爵こうしゃく
　君主の王位継承者以外の子女です。公国の君主の場合もあります。地方と呼ばれるような領地を統治する大領主です。
　君主としての公爵の配偶者は「公妃」、貴族としての公爵の配偶者は「公爵夫人ふじん」、女性の場合は「女じょ公爵」と呼びます。

●侯爵こうしゃく
　公爵の跡取りが爵位継承まで名乗る爵位です。
　男性の侯爵の配偶者は「侯爵夫人」、女性の場合は「女侯爵」と呼びます。

●伯爵はくしゃく
　地方行政の基本単位といえる領地を統治する領主です。
　男性の伯爵の配偶者は「伯爵夫人」、女性の場合は「女伯爵」と呼びます。

●子爵ししゃく
　伯爵の跡取りが爵位継承まで名乗る爵位です。
　男性の子爵の配偶者は「子爵夫人」、女性の場合は「女子爵」と呼びます。

●男爵だんしゃく
　公侯伯爵の跡取り以外の息子です。数百エーカー（百エーカーが東京ドーム八個半分らしい）ほどの領地を統治する小領主です。
　男性の男爵の配偶者は「男爵夫人」、女性の場合は「女男爵」と呼びます。

●王位・爵位の継承について補足
　現実世界のヨーロッパ（国によりますが）では、基本的に貴族の跡取りは先代の爵位と領地を相続するまでは、ひとつ格下の貴族の爵位を名乗ったらしいです。例えば公爵の子は侯爵、伯爵の子は子爵、男爵の子は平民といった感じだそうです。
　基本的に長男が跡取りであり、先代の没後に先代の爵位と領地を相続しました。次男以降の息子の場合は、君主の子は公爵、公侯伯爵の子は男爵、男爵の子は平民となり、聖職者や騎士になることも多かったらしいです。
　娘の場合は跡取りに選ばれない限りは、爵位は持たなかったそうです。娘が爵位と領地を相続した場合、結婚すると夫に爵位と領地を譲渡したらしいです。
　君主の庶子（婚姻関係にない男女の子どもとして生まれた子です。愛人や妾の子ども、身分違いで結婚できなかった男女の子どもなど）の場合は継承権・相続権は持たなかったそうですが、聖職者になったり、貴族として爵位を貰ったりすることもあったらしいです。

●貴族のお仕事
▼領地内で農場経営を行って利益を得ます。
▼領民から税を取り立てます。
▼君主から要請があれば出兵します（各貴族も騎士団を持っていたり、兵を募集したりします）。
▼裁判所で争いごとを仲裁します。

■君主の側近

●尚書しょうしょ部ぶ長官ちょうかん
　君主の秘書官です。君主の命令、君主と諸侯の契約書、賢人会議の議事録などの重要書類を作成、保管する。国璽《こくじ》（グレートシール）を預かり、その文が君主のものであることを証明します。

●法務ほうむ長官
　国家の法律を司ります。君主と賢人会議が作成し、尚書部が成文化した法律を運用します。

●徴税ちょうぜい長官
　国民から税を集めます。

●外務がいむ長官
　外交を司ります。

●儀典ぎてん長官
　国家の公式行事を司ります。

●宮廷きゅうてい財務ざいむ長官
　国家の支出を司ります。

●宝蔵ほうぞう長官
　国庫の管理を担います。

●賢人けんじん会議かいぎ
　役職ではありませんが、重要事項の決定機関として開かれる会議のことです。
　宮廷において唯一、君主の決定に介入できる機会です。外交・立法・徴税などに関して、君主に意見します。参加者は君主の親族、有力諸侯、高位聖職者、高位魔法使い、側近の役人などです。

■戦う職業

　戦闘のプロフェッショナルとして戦に参加する義務を負う戦士です。

●騎士きし
　君主に叙勲じょくんされ、一人前と認められた騎士です（年齢は十七歳から二十一歳以上）。個人もしくは組織などに忠誠を誓い、その称号と位を授けられます。

●従騎士じゅうきし
　見習いの騎士です（年齢は十四歳位から）。数人で一人の騎士を主人と仰いで補佐を務め、実戦にも参加するようになります。

●小姓こしょう
　従騎士の前段階の少年です（年齢は七歳から十代半ばくらいまで）。多くは貴族や荘園主の子弟です。王の宮廷をはじめ、生家より家柄が上の貴族に奉公し、騎士になるために学びます。

●弓ゆみ使つかい
　弓術の使い手です。

●銃士じゅうし
　銃の使い手です。

■魔法まほう使つかい

　マナ（魔法エネルギー）を操る術を習得している者です。

●賢者けんじゃ
　高位魔法使いです。魔法使いの中でも特に高い知識・技能を持ち、国中の魔法使いを総括します。

●魔法学者がくしゃ
　魔法の研究や教授に従事する魔法使いです。

●魔法技師ぎし
　魔法を技術に応用する魔法使いです。

●魔法使い
　一般の魔法使いです。

●見習みならい魔法使い
　修行中、あるいは魔法学校在学中の魔法使いです。

●占うらない師し
　人の心の内や運勢や未来などついて判断、予言する者です。必ずしも魔法使いとは限りませんが、関連の深い職業です。

■太陽たいよう教きょう

　太陽神ソレルを信仰する宗教です。エアレシアのヒトの国の多くが国教としています。

●大だい神官しんかん
　太陽神に仕える高位聖職者です。国中の神官を総轄し、神官の叙階も行います。

●神官
　太陽神に仕える聖職者です。ひとつの教会を任され、そこでの冠婚葬祭等の儀式や、集会を総轄します。
　現実世界のキリスト教の神父や牧師に近いです。

■表現者・芸術家

●吟遊ぎんゆう詩人しじん（トルバドゥール）
　叙事詩じょじしや風刺ふうし歌曲を歌いながら遍歴するシンガーソングライターです。宮廷お抱えの吟遊詩人（ミンストレル）もいます。

●大道だいどう芸人げいにん
　路上や街頭で歌、口上こうじょう、踊り、軽業かるわざ、楽器の演奏などの芸を披露する者です。

●俳優はいゆう
　演劇において人物に扮して台詞、身振り、表情などで演じる者です。

●歌手かしゅ、歌姫うたひめ
　歌曲を歌う者です。

●作家さっか、記者きしゃ
　文学、記事を書く者です。

●劇げき作家
　脚本を書く者です。

●詩人しじん
　詩（ポエム）を書く者です。
　正しい英語は「ポエット」で、「ポエマー」は和製英語らしいです。

●音楽おんがく家か
　音楽を作曲する者（歌曲の場合は作詞もすることもあります。もちろん別の人に任せるケースもあります）。あるいは音楽の演奏家です。

●画家がか
　絵画を描く者です。

●石工いしく、彫刻家ちょうこくか
　石材を加工したり、彫刻を作ったりする者です。
　現実の中世ヨーロッパでは石工と彫刻家の区別がなく、両者は同じ職業組合ギルドに所属していたらしいです。

●建築けんちく家か
　建築物を設計する者です。

■職人しょくにん

●大工だいく
　木造建造物の建築、修理を行う者です。

●煉瓦れんが職人
　煉瓦を製造する者です。

●鍛冶かじ職人、鍛冶師
　ハンマーで金属を鍛錬する者です。

●花火はなび師し
　花火の製造と打ち上げを行う者です。

●靴くつ職人
　靴を製造、加工する者です。

●仕立したて屋や
　衣服を仕立てる者です。スーツやコートなどを仕立てる者（テーラー）と、ブラウスやドレスを仕立てる者（ドレスメーカー）に大別されます。

■学者がくしゃ

　学問の研究や教授を専門職とする者です。

●神しん学者
　神学の研究に従事する者です。

●錬金術師れんきんじゅつし
　錬金術に従事する者です。

■医療いりょう関係

●医師いし
　魔法では治せない怪我や病気を治療します。外科げか医は外科手術で、内科ないか医は薬で治療します。
　現実の中世ヨーロッパでは外科医と理容師が兼業だったらしいです。

●看護かんご師
　傷病しょうびょう者の看護、療養りょうよう上の世話、医師の診療補助をします。

●助産じょさん師、産婆さんば、薬草やくそう師
　女性の妊娠・出産・産後ケア、女性の性保健、新生児ケアなどをしたり、薬を調合したりします。
　現実の中世ヨーロッパでは助産師（産婆）と薬師が兼業だったらしいです。

●療法士りょうほうし
　心身を癒やしたり、治療したりする者です。
　精神面の悩みやストレスを抱える患者に対し心理学などに基づいた分析やカウンセリングを行う「心理しんり療法士」や、運動療法や物理療法を用いて患者が自立した日常生活を送れるようサポートする「理学りがく療法士」などがいます。

●医療いりょう事務じむ

■理容りよう・美容びよう関係

●理容師
　頭髪を切るほか、髭ひげや顔の毛を剃ったり整えたりします。容姿を「整える」のが仕事です。

●美容師
　頭髪を切るほか、結髪けっぱつや化粧けしょうなどを施します。容姿を「美しくする」のが仕事です。

●エステティシャン
　手技しゅぎ、または化粧品などを用いて人の皮膚を美化したり、体型を整えたりするなどの指導・施術せじゅつを行います（この世界では上流階級向けなんだろうなあ……）。
　「エステティシャン」は和製英語で、英語圏では「ビューティー・トリートメント・テクニシャン」というらしいです。

■商人しょうにん

　商品を売り買いする者。

●行商ぎょうしょう
　店舗を設けず、村・町や国をまたいで移動する商人です。

●道具どうぐ屋や
　薬草、魔法薬など、冒険・探索に必要な道具を売り買いする店です。

●武具ぶぐ屋
　剣、鎧など、冒険・探索に必要な武器や防具を売り買いする店です。

●小間こま物もの屋
　アクセサリー、化粧品などの雑貨を売る店です。

●宝石ほうせき商しょう
　宝石を売り買いします。

●本ほん屋
　書物を売り買いする店です。

●酒場さかば
　近隣の住民などが飲酒や食事を楽しむ飲食店です。宿屋を兼ねていることも多いようです。

●宿屋しゅくや
　旅人が宿泊する施設です。酒場を兼ねていることも多いようです。

●パン屋
　農家から卸された小麦粉などでパンを作って売る店です。

●青果せいか店
　農家から卸された野菜や果物を売る店です。

●精肉せいにく店
　農家から卸された食肉そのものや、その加工品（ジャーキーなど）を売る店です。

■その他産業従事者

■農夫のうふ、農民のうみん
　農業に従事する者です。

■漁夫ぎょふ、漁師りょうし
　漁業に従事する者です。

■鉱夫こうふ、鉱山こうざん労働者ろうどうしゃ
　鉱業に従事する者です。

■銀行ぎんこう員いん
　銀行で働く者です。預金業務、貸付業務、為替業務、国債などの債券の売買業務が主な仕事です。

■郵便ゆうびん屋
　郵便物を運ぶ者です。

■家事かじ使用人しようにん

　他者の家庭において作業を行う職業です。大きな屋敷や城では、男性使用人や専門担当を持つ複数のメイドを雇うことができます。

●男性使用人

▼家令かれい（スチュワード）
　使用人の階級で最上位です。主人の領地や館を管理し、男性使用人全体を統括します。不在の場合は執事が兼任します。

▼執事しつじ（バトラー）
　食器・酒類を管理し、主人の給仕をします。多くの場合、「近侍きんじ（ヴァレット）」も兼ねており、身の回りの世話をするとともに、私的な秘書として公私に渡り主人の補佐をします。「副ふく執事（アンダーバトラー）」などの部下がいることもあるそうです。

▼従僕じゅうぼく（フットマン）
　執事の部下です。食事の給仕、ドアの開閉の他、荷物の運搬やメイドが掃除しやすいように家具を移動させる力仕事も担当します。将来的には執事に昇格することができます。

▼小姓
　雑用を担当します。

●女性使用人

▼家政婦かせいふ（ハウスキーパー）
　女性使用人を総括します。

▼侍女じじょ（レディースメイド）
　女主人の世話を担当します。家政婦の人事権は及ばないそうです。

▼女中じょちゅう（メイド）

★一般女中（ハウスメイド）
　専門担当を持たない一般的なメイドです。駆け出しのメイドはこの担当を任されることが多いようです。

★客間きゃくま女中（パーラーメイド）
　接客を担当するメイドです。容姿の良い者が採用されるそうです。

★食品しょくひん室しつ女中（スティルルームメイド）
　食料貯蔵室の管理を担当するメイドです。

★ランドリーメイド
　洗濯を担当するメイドです。

★ナースメイド
　乳母の補佐を担当するメイドです。

★台所だいどころ女中（キッチンメイド）
　厨房で料理長の補佐を担当するメイドです。

★皿洗さらあらい女中（スカラリーメイド）
　厨房で皿洗いと掃除を担当するメイドです。駆け出しのメイドはこの担当を任されることが多いそうです。

▼乳母うば（ウェットナース）
　子どもの世話を担当します。

▼家庭かてい教師きょうし（カヴァネス）
　子どもの教育を担当します。読み書き算術の他、女児には淑女になるために必要な教養も教えています。

●厨房ちゅうぼう（キッチン）

▼料理りょうり長ちょう（コック）
　厨房の責任者です。

▼厨房ちゅうぼう係がかり
　食料の買い出しを担当します。

●アウトドア

▼御者ぎょしゃ（コーチ）
　馬車の運転手です。アウトドア・スタッフの中では最高位です。

▼下男げなん
　馬小屋の管理、馬の世話を担当します。

▼庭師にわし（ガーデナー）
　庭の植物の世話と手入れ、館内の装飾を担当します。

■賊ぞく系

●盗賊とうぞく
　他人の金品を盗む者です。

●山賊さんぞく
　山で人を襲撃し、略奪する者です。

●海賊かいぞく
　海上で船を襲撃し、暴行や略奪をする者です。

■裏社会

●マフィア
　組織犯罪集団です。グループは「ファミリー」と呼ばれます。

●暗殺者あんさつしゃ
　対価を得て殺人を請け負う者です。

●娼婦しょうふ／男娼だんしょう
　対価を得て性行為を行う者です。

　以下、次の記事です。