これが私という実感

息子が4歳になった。

結婚してすぐに子どもが欲しくて、長くて長くてひたすらに辛い不妊治療を経て、息子が産まれた。子どもが生まれてからは、世界がひっくり返ったかのように私の人生は息子中心になり、子育てが私の全てになり、お化粧や、おしゃれや、好きな映画や音楽や、そういったものからは遠ざかり、母親として生きるようになった。子育てという作業は、辛くて苦しいことも盛りだくさんだけれど、やっぱり息子はかわいいし、我が子の成長は涙が出るほど嬉しい。この子がこの世に生まれて来てくれただけで、私という存在に意味があった、と思った。息子を産んで初めて、私の人生が肯定されたような気がした。色々あって仕事も退職し、専業主婦となった私には、息子と過ごす世界が全てだった。

息子が4歳になったとき、それまで苦しめられていた、いわゆるイヤイヤ期というものの終焉が見え始めた。それに伴い、好きな映画を観る時間ができたり、化粧品への興味が少しずつ復活した。産後増え続ける体重と向き合い、ダイエットを始めようかという気力が出てきた。

そうか、これが私だった、と思った。

母親である私も私だし、好きな自分ではあるけれど、テレビで千鳥を見ながら大笑いする私や、好きな海外ドラマに胸を熱くする私が、やっと戻ってきた、という実感があった。

そんな自分を残していきたい、と思いnoteを始めることにした。いつまで続くは分からないけれど、私という存在の実感を得るために。

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