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211021 一幕(god press you)

毎日真っ白な無限空間を果てしなくあるいて わたし、どこ、なに、 と 呼びかけながら探すのだが 日の終わりごろ、 空が平らなままぺったりと隙間なく落ちてきて、 結局はそれがわたしで、 こちらは平たくのされて、今日が閉じる。 それの繰り返し。 わたしは隙間なくわたしに圧される。 満たしきるように、ひらたく。

    • 210808

      昨日本屋で、ずっと買うのをためらって何度も手に取っていた詩集をついにレジに持っていく勇気が出た。なぜか昨日は手放せなかった。こわくて。 「いてほしい」「ひとりになりたくない」に似た気持ち。心細さにすこしの灯りを。悲劇的でなく香を焚く前の祈りみたいに。 卓上に出しておいたブックカバーつきのそれを手に取り、開いて、どこというわけでなくぱらぱらと読んでみる。どこをとっても、口の中の飴玉みたいに少しずつ甘く溶ける。助かる。助かっていいのか?と思いつつ。 今日は、ああ、誕生日だっ

      • 210625 サビメロ(リピート)

        「世界って変えれるんかなぁ」と横顔のままぽそりと言った、そのことばを思い出すことがある。 彼女とはなんとなく疎遠になってしまったけれど、彼女の子どもはもうきっと歩いたり喋ったり賑やかなころだろう。健やかでありますように。 その時どう答えたんだろう、それを確かには思い出せないけれど、その問いが私をずっと震わせている。 その問いの答え、「変えれるかどうか」よりも、それを本当に思ったひとが隣にいて、わたしがそれを聞いて今も覚えていることについて。 その問いそのものと、その問いを

        • note、ホーム画面が息苦しくてどんどん開かなくなっている。演出された適切な過剰さばかりに埋め尽くされていくのなぁ。有料で良質なところに引っ越そうかな、など。

        211021 一幕(god press you)

        • 210625 サビメロ(リピート)

        • note、ホーム画面が息苦しくてどんどん開かなくなっている。演出された適切な過剰さばかりに埋め尽くされていくのなぁ。有料で良質なところに引っ越そうかな、など。

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          13本
        • 13本

        記事

          20210612 メッシュ

          わたしがつなぎ合わせた歪な言葉が、ほかの人の口から走ったときに、あぁ、ゆるくたしかに世界は形を変えるものだなぁなどとぼんやりよろこぶ。 言葉を間引くと、少しだけ自分の実感に近くなるから、好んでそのように使うことがある。 手に負えない広さや複雑さをすっ飛ばし、空を切り貼るようにして編集すると、私にとっては懐かしいものになるから。 それが初めての質感であっても、そういえばそうだった、と、思えるような懐かしさ。 私を包囲する何もかもは常に過剰で、多くを切っておかないと居座ること

          20210612 メッシュ

          210118 みーだす

          手帳を今年からバーチカルに戻した。 昨年はレフトタイプ。メモが広く書けるのはとてもよかったが、一日ずつよりも、週まるごとのタスクに翻弄されがちだったのが難点だった。 これは自分の体の実感でしかないけれど、目は縦方向に情報を読みとる方がまとめて捉える場合には速いと思う。 日本人だからかもしれない。 バーチカルのページを見ているとき、今日一日、という縦のエリアにだけ目を通し、それ以外は別のエリアにタスクやメモをとることで、ピントが「今日」に合う感じがある。 * 向き不向き

          210118 みーだす

          210117 向こう側には

          他人は、案外わたしのことを思っている。 わたしは、案外その人のことをその人自身が思っているよりは思っている。 時々。 * オンラインスクールで文字だけのやりとりをしてきた人たちと、今日初めてzoomで顔を見せ合った。 たまに言葉を見かける先生が、100人以上いる生徒の中からちゃんとわたしを認識してくれていたことに驚いて、恐縮してしまった。 わたしが見ているくらいには、相手だってこちらを見ている。 向こう側には人がいる。 そんな当たり前のことを、もっともっとわかっていた

          210117 向こう側には

          210116 日常

          ときどき、未完の、輪郭が破線の、ことばを発したり聞いてもらったりしなければいけない、とおもう。 * 映像作品をいくつか見る。 ダムタイプと、仕立て屋のサーカス。 夢に肉薄する現実なのにな、とおもう。 眠気が来て一瞬意識が飛ぶ。 その先にも夢があるのかと思うと、鏡合わせの中にいるみたい。 フィクションのことをすこし考える。 * いい眼をしたひとを見つめていたが、もちろん映像なので、こちらに気づくわけがない。 そのことに安心している。 * 散歩をしたい、と思いながら帰

          210116 日常

          201227 方法

          たくさんのことばをなくしたから、わたしはしゃべり続けてしまうのかもしれない、と思った。 掘るように。そこにはもう何もないのだと思いたくなくて。 無様さだけが、あるとわかりきって、利き手でない方で書きつける。 ずっと遠くまで眠りたいと言っていて、それはとても情けなくて才のないことだと思っている。 言葉にしない方法。

          201227 方法

          201101 ことはて

          ことば、というのはある時果てる。 無限に、見境なく、ほとんどすべての、もしかしたらそれ以上のものを表し続けることができる無敵のものだと、信じていたのに。 どうしようもなく、ことばが果ててしまったことがあるか。その絶望に似た、やさしい、許されるような感覚を理解できるか。 果てたときに、立ち尽くしたことがあるか。また、その自覚があるかどうか。 結局、わたしはそういうところで、他人を信じるかどうかを決めているのかもしれない、と思った。

          201101 ことはて

          201026 お祝い

          元気のないひとがふえてるので秋の只中であることをお知らせします。勝手に。 わたしは毎秋めちゃくちゃに落ちるのに慣れて、だいたいそういう時はとにかく泣き、感情を書き殴り、酔える時は一人で狂ったように踊り、ふてくされて寝る。 もしくは足が棒になるまでひたすら散歩し、あとは、ひとに何かささやかなものをプレゼントしまくる。これはおすすめ。 ひとは、たいていさりげないものでも差し上げるとよろこんでくれるものだ。そうやって、助けてもらう。わたしはつらい時ほどひとに何かをあげている。受け

          201026 お祝い

          201023 数珠繋ぎの糸のほう

          手渡してゆく。アイディアを。よろこべるように。 あのひとを驚かせよう、あのひとをふふふと笑わせよう、誰かとわいわいできるような場をつくろう、あるいは、沈黙をゆっくり味わえる時間を持とう、だとか。 約束ばっかりが増えていって、できてないことが山ほどあるけれど、いつだって誰かに繋がっていくような糸でありたい。あるいは意図で。 なんとかかんとか、どうにかして、あなたやその先へつながれるようでありたいと、思っている。 あなたは彼方につながっていて、わたしはたくさんのあなたを通じ

          201023 数珠繋ぎの糸のほう

          201021 the Apple

          顔見知りのバーに久しぶりに行ってお祝いをし、お返しのように、なぜかりんごをいただいて帰る。 帰り道に生モノがあることがうれしい。 帰り際、「りんご見ながら帰ります」って言ったら、「それはめっちゃいいね」と返してくれる店主の存在をとても嬉しく思う。 手のひらに、生もの独特の水分の重さと、しっとりした質感、少し糖分が滲み出てきてるようなベタつく皮の触感を染み込むように確かめさせながら、帰る。 平日の夜中の街はとてもしずかで、りんごとふたりして家に向かうのを、とても甘いものの

          201021 the Apple

          201020 事実で動かす

          放っておくと昼夜逆転になるのがわたしのからだで、無理矢理ねじ込んだ三連休なのにもう朝に寝るのが二日目。きっと今日も昼にしか起きれない。 昼間に活動できるからだの人たちうらやましい。朝焼けの色は好き。 わたしがフリーランスになったら、きっとめちゃくちゃなリズムで生活をするのは目に見えていて(自制心というものがない)、且つそこから浮き沈みの激しい生活に拍車がかかることもわかりきっているので、会社勤めを続けている。 強制力というか、ある程度強制されてもいいと思えるくらいの縛りがあ

          201020 事実で動かす

          201013 平らにする

          ものすごく大事にしてることと、ライトに大事にしてることの重さを天秤の両側にのせて、水平になるようにバランスさせていくことはできるだろうか。 何故こんなことを思ったかというと、こだわりだとか、思い入れって結構邪魔なんじゃないか?という疑いがあったから。 大事にしていることが強ければ、それはベクトルになるのだろう。強い力になるだろうとも、もちろん思う。そういうものを持ちたいと憧れたりもするし、よくよく考えれば自分の中にあるとも思う。 ただ、自分がこだわっていることが誰かに理

          201013 平らにする

          201012 声は顔

          声に注目している。 先日、友人たちとの雑談の折に、「顔より声が(生理的に)無理な人の方がキツい(向き合えない)」という話で盛り上がったのだが、その時思ったことは、声こそ顔のパーツの一部なんじゃないか、ということだった。 声のトーンやスピードで、話者がどんな表情をしているかを大体読むことができる。ぐっと話に入り込んで電話で話している時など特に、その人の目の表情までありありと頭の中に描けるくらいになったりする。 むしろ、顔の方が声の補完として機能しているのかもしれない。 「自

          201012 声は顔