文字列を共有する文章 [その2]
はじめに
※この記事では四地方クリア後の資料が多く出てきます。未クリアの方はご注意ください。
今回は、前回に引き続き文字列を共有する文章についてまとめたいと思います。前後編の2つの記事に分けるつもりでしたが、後編を書いていたらまたも予定より長くなってしまったので、[その1]から[その3]までの3つに分けることにしました。
前回はある特定の文字列を様々なものが共有している事例を紹介してきましたが、今回は二つの別のものに書かれた文字列の大部分が一致するようないくつかの事例を紹介したいと思います。
文字の割り当て
これは毎回冒頭に出す画像ですが、今回はこのゾナウ文字の順番がちょっと重要になってきます。この割り当てについて知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
ミネルの本
冒頭で「今回は二つの別のものに書かれた文字列の大部分が一致する事例」を紹介すると書きましたが、後のために例外的にミネルの本を紹介させてください。この本は別の3つの資料と文字列が一致します。
冒険の記憶にちらっと登場するミネルの本ですが、ムービーの各シーンから断片的に文字を特定してそれらを総合したところ、次のようになりました。
・右ページ
efghi
klnma
bcde
ghi
・左ページ
mcdef
jklnma
fghi
abcde
このうち、右ページの文字列全体は、カカリコ村の貼り紙と一致します。
更に、左ページ1行目は、神代の遺跡にあるゾナウ像の文字と一致します。
また、この本の文字はゾナウ像と一致する部分を除きほとんどがabc順になっていますが、これは本と同じくミネルが大きく関わるゴーレム設計図と同様の傾向です。
「ほとんどがabc順」と書きましたが、本も設計図もmとnが入れ替わっているようです。abcdefghijkl"nm" という順列に従っているとすると、本の方は両ページの2行目がこの順列の最後部分から"a"までのループとなり、設計図の方は赤枠で囲った部分が順列の一部となります。
私はゾナウ文字の解読を始める際に、時の神殿の歯車に書かれたゾナウ文字の順番を参考にしてアルファベットを割り当てました。しかしゾナウ文字の"辞書順"とでもいいましょうか、正しい並び順はもしかすると私の割り当ての順ではなく、そのmとnが逆転した順なのかもしれません。
時の神殿と龍頭島の扉
時の神殿と龍頭島には、リンクのハートが規定値に達していないと開けられない扉があります。左右の門には龍が描かれており、龍の頭と胴に文字が書いてあります。これらに関しては、文字にある操作をすると興味深い現象が起こることが分かりました。龍の内側の円にも文字は書いてありますが、全ての扉で同じ文字なのでここでは割愛します。
龍の頭
まずは龍の頭について。文字の配置が複雑でいつものように画像にアルファベットをのせづらいので、文章で記します。
顔部分を「上顎から頬にかけて」、「下顎から頬にかけて」に分けて表します。便宜上ゾナウ文字をアルファベットの羅列で表したいだけなので、文字の倒立についてはここでは無視します(読み順についても仮にこうしただけなので、本来の読み順とは違うかもしれません)。また、たてがみ部分を頭に近いところから3段に分けます。
〇龍頭島の左
【顔】
・上顎から頬にかけて → nbahlfejhbcgahefjn
・下顎から頬にかけて → fgkljnidnkhba
【たてがみ】
・たてがみ1段目 上から → cg j e k
・たてがみ2段目 上から → dh jn jn
・たてがみ3段目 上から → fjn fj
〇龍頭島の右、時の神殿の左右
これらの龍の頭の文字は同じです。
【顔】
・上顎から頬にかけて → ladgnehkhabfdghekl
・下顎から頬にかけて → efjnkldcljgad
【たてがみ】
・たてがみ1段目 上から → dh k f i
・たてがみ2段目 上から → ae kl kl
・たてがみ3段目 上から → fjn gk
龍頭島の左の扉とそれ以外で、全く違う文字列が刻まれているようにみえますが、実はそれらの龍の顔部分とたてがみ部分の文字は次のような対応関係にあります(たてがみ3段目の上側のみ例外)。
龍頭島の左 ↔ それ以外
【顔】
a ↔ d e ↔ h i ↔ d j ↔ k l ↔ n
b ↔ a f ↔ e k ↔ j n ↔ l
c ↔ b g ↔ f
d ↔ c h ↔ g
【たてがみ】
- e ↔ f - -
- f ↔ g j ↔ k n ↔ l
c ↔ d g ↔ h k ↔ i
d ↔ a h ↔ e
使われていない文字についてはまとめられませんので穴あきになってしまって分かりにくいですが、この対応関係にはある程度の規則性が認められます。
龍頭島の左の扉の文字からそれ以外の扉の文字へ変換することを考えてみます。まず、先述したabcdefghijkl"nm"という順列を4字までのいくつかのグループに分けます(表中での縦のグループ、【顔】"abcd" "efgh" "i" "jk" "ln"【たてがみ】"abcd" "efgh" "ijk" "ln"。mは使われていない)。龍の顔部分についてはグループ内の1つ前の文字が、たてがみ部分については1つ後ろの文字が変換先の文字となります。ただ、全ての文字にこのルールが適用される訳ではないようで、龍の顔のiがdになる事はこれでは説明がつきません。また、たてがみ3段目の上側の文字はそもそも変換がされないようで、全ての扉でfjnと書かれています。
龍の胴
次に、龍の胴について。こちらは文字が一列に並んでいて読みやすいです。
時の神殿のものは左右とも23文字で、同じ文字列は現れないようにみえます。ですがこの左右の扉の文字も、次のような対応関係にあります。
a ↔ c e ↔ g i ↔ k l ↔ m
c ↔ a g ↔ e k ↔ i m ↔ l
ここに示していない文字は、両方でそのまま使われています(b ↔ bなど)。
龍頭島のものは左右とも25文字で、最後の文字以外が同じです。また23文字目までは時の神殿の右側と文字列が一致します。最後の文字は右がg、左がfですが、この2文字は別に対応関係にある訳ではなく、左右の扉の文はただ最後の文字だけが違う別の文ということのようです。
扉の龍 まとめ
龍の頭は龍頭島の左の扉の文字だけが、龍の胴は時の神殿の左の扉の文字だけが他と違うようにみえて、文字にとある操作をすると一致するようになるようです。龍の頭の場合はabcdefghijklnm順列をいくつかのグループに分けた中で1つ前あるいは後ろの文字と、龍の胴の場合はいくつかの文字が順列の中で2つ隣の文字と、対応関係がみられます。ただし、龍の頭の場合は全てがこのルールに則っている訳ではなく、例外も存在するようです。
実はこの対応関係はこの記事を書きながら見つけた新発見で、ゾナウ文字を規則的に他のゾナウ文字で置き換えたかたちのものがある事は初めて知りました。他にもこういった関係のものがあるかもしれないので、記事を書き終えたら調べてみようと思います。
忘れ去られた神殿の封印戦争前後における建築
忘れ去られた神殿の最奥部、女神像の裏にある建築には二種類の文字列が刻まれています。
まず一つめに、klbghbの文字列。これは入口から秘石の間までの支柱に書かれています。
「偽りの臣従」や「ソニア無惨」等のムービーに登場する、始まりの台地にある建築にも同じ文字列が刻まれています。
二つめは、acbeinの文字列です。(前回、これとよく似た文字列のacfeinについてお話ししました。)
これは、忘れ去られた神殿では地上絵の間の支柱にのみ刻まれています。
支柱は風化してしまったのか文字が薄くなってとても読みづらくなっているので、画像を加工して少しでもゾナウ文字が目立つようにしてみました。加工に関しては素人なのですが、ちょっとでも見やすくなってますかね…。
この文字列は、神代の遺跡を含むハイラル城地下の遺跡の支柱にも刻まれています。
さて、この二つの文字列が書かれた場所について、同じ文字列が刻まれた建築は同時期に建てられたのではないかという推測ができます。
まず一つめのklbghbが刻まれているのは、忘れ去られた神殿最奥部の入口から秘石の間までと始まりの台地の建築です。両方とも、冒険の記憶において封印戦争前には既に存在していました。
二つめのacbeinが刻まれている地上絵の間は、龍の泪に触れた古代の人々がのちにつくった部分でしょう。神代の遺跡も、封印戦争の顛末が描かれた壁画があることからそれ以降の建築であると推測できます。
支柱に刻まれたこれらの文字列は、もしかすると建築時期を示しているのではないでしょうか。
続きについて
さて、前回に引き続き文字列を共有する文章についてまとめてきましたが、またも予定より長くなってしまったのでここで区切りにしたいと思います。冒頭に書いた通り、全体を[その1]から[その3]として3つに分けて記事にすることにしました。次回の[その3]でも引き続き、二つの別のものに書かれた文字列の大部分が一致するようないくつかの事例について紹介していきたいと思います。
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