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好きなものは好き 6~VOICARION

  藤沢文翁さん原作、脚本、演出の音楽朗読劇「VOICARION」(ヴォイサリオン、と読みます)、ご存じでしょうか。

 私が「ヴォイサリオン」の存在を知ったのが2016年でした。ちょうど上川隆也沼にハマって半年ほどたった頃、上川さんが出演されるという情報を掴んだのです。が、時すでに遅し、上演1日前だったので観劇は叶わずでした(ちなみにこの2016年8~9月の上演が「VOICARION」として初上演)。

 その後、2018年の上川さん主演ドラマ「執事西園寺の名推理」のスタッフに「藤沢文翁」の名前を見つけて、再び「ヴォイサリオン」が気になりチェックしてみると、なんと!同じ2016年の作品「女王がいた客室」に平田さんも出演されていたと知り(この頃には平田広明沼にも沈んでいた)、地団駄を踏む思いでした。

 こうなってはもう、気が済まない! とばかりに藤沢さんのTwitterをフォローし、情報収集。ついに、2019年3月にシアタークリエにて再演された上川さん出演「Mr.Prisoner」のチケットを入手! 幸せなひと時を過ごしてきました。その後、2020年は平田さん出演の「信長の犬」帝国劇場、そして先日は同じく平田さん出演の「スプーンの盾」シアタークリエと観劇してきました。

 とにかく「ヴォイサリオン」を観るまでは、朗読劇=シンプルというイメージでした。しかしこの舞台は、キャストは基本的に立ち座り以外の動作はなく、キャスト同士が向かい合うことさえもほとんどないのに、各キャストが舞台上で情感たっぷりに動き回る光景が目に浮かびます。それほど、各キャストが声だけで様々な感情を伝える技術を持っているのです。そしてその声の演技を補正し、妄想力を掻き立ててくれる、各キャストごとに異なる素敵な衣装(別の日に同じ役を別のキャストが演じるとしても、衣装は使いまわさず各人ごとに用意される)、ヘアメイク。さらに各シーンに彩りを添えてくれるトップレベルの奏者によるオリジナル曲の生演奏、照明、音響、、、もう、朗読劇はシンプル、なんて思っていた過去の自分が恥ずかしくなるのです。「朗読? 読み聞かせでしょう?」と思っている人にこそ観てもらって、その度肝をぶち抜かれてほしいのです。

 今回の「スプーンの盾」は、いろいろな意味で涙するお話でした。2幕後半あたりからは視界がぼやけるぼやける、、、マスクが本当に邪魔! 藤沢さんはかなり前からこの作品を作られていて、たまたま上演がこの時期だったとか。それでも次々と他国へ侵攻を進めるナポレオン、阻止したいタレーラン、料理で人々を笑顔にしたいカレーム(とマリー)、それぞれの想い、正義がぶつかればぶつかるほど、今まさに世界中の人が感じていることだよと思い、もう、涙しか出ないのでした。

 ああ、早く再上演されてほしい、、、、「スプーンの盾」はもちろん、過去作品でも(もう一度上川さん出演観たい)、新作でも、、、、! お願いします、東宝さん!!

(ちなみにトップ画像が何の画像か分かった方はヴォイサリオンファンです)

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