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毎日投稿を続けるコツ「自分の視点でアウトプットをひねり出す」

note100日投稿も、もうすぐ折り返し。毎日ブログを書いていると人に話すと「すごいねえ、ちょいちょいっとこんな長い文章が書けて」とか「僕だったらネタ切れ起こしちゃうな~」と言われることが多い。

正直に言うと、ネタは毎日尽きている。私も本当は、ちょいちょいっとすごい文章が書ける人として生まれたかった。
ではどうやって毎日なんとか文章をひねり出しているのか、ということをテーマに今日は書いていこうと思う。ちょうどネタ切れてたし。

バスを降りて坂を登った先にある小さい大学の社会学部に、10年前の私は通っていた。設備は古いけど木の緑だけは多いその大学は、他の大学と同じく4年生は卒業論文を提出することになっていた。
卒論の字数は他のゼミでは原稿用紙10枚程度でOKなのに対し、私の所属するゼミは最低25枚というルールがあった。

働くことについて興味があった当時の私は、日本の就活をテーマに卒論を書き始めた。しかし筆がなかなか進まない。進捗状況の報告と相談も兼ねて、ゼミの先生と1:1の面談は、いつも先生の教授室で行われていた。

「小澤さん、卒論の具合はどうですか」
「はあ、全然進んでなくてスミマセン・・」

部屋にあふれかえる本の部屋で、先生と向かいあう。
他の教授も自室に多くの本を置いていたけど、うちの先生は明らかに消防法に違反するほど、天井にも床にも本をしき詰められるだけ詰めていた。
先生は缶コーヒーを飲みながら「最近の研究でわかったことは何ですか」と聞いてきたので、その結果を伝える。

「昭和の会社案内は、どれだけ社員が多いかとか、自社の工場はこんなに大きいんですとか、とにかく規模の大きさをアピールする企業がとても多かったです。
でもバブル後は一転して『アットホームな会社です』『成長できる会社です』と、学生にとって耳さわりの良い謳い文句の企業が増えていました。見つけたことってそれくらいですね・・」

うつむきながらボソボソと話す私に、先生は「小澤さん」と声を掛けた。私が顔を上げると先生は「プロの社会学者なら、その内容だけで原稿用紙100枚は書けますよ」と言った。

続けて先生は「学生たちはとにかくインプットの量を増やそうとやっきになってますけど、こちらが見たいのは、仕入れてきた情報をどれだけ自分の視点でアウトプットしてきたかなんです。
元手が少ないことと、引き出しが少ないことは全く違います。たった一つのテーマを10年、20年追い続けてたくさんの引き出しを持つ学者もザラにいるんです。せっかく得た情報を切り捨てず、正確に膨らませるように書いてください」といったようなことを話した。

このときゼミの先生に教わった文章の書き方が、今ブログを書く上でとても助けられている。
思えば、生きるということは情報の嵐の中に身を投じるということだ。
街の木々の色も、空を見上げた時の空気の香りも、刻一刻と目の前の景色は変わり続けている。

私はつい「ブログのネタがない、なんも面白いことがない」と愚痴をこぼすが、何もないはずはないのだ。ヒットしているブロガーさんを見ると「いいなあ面白い体験ばかりしていて」と羨ましく感じるけど、おそらく唯一無二の体験は誰もが日々経験していて、それに気づいてアウトプットしているか、していないかの違いなのだと思う。


「卒論書けない」と騒いでいた割に、当時45枚書いていたことが判明しました

私の友人はインスタを始めてから、花が意外と自分の回りにたくさん生えていたことを知ったそうだ。アウトプットを始めるということは、今までなかったことにしていた風景に「ある」を発見しに行くプロセスの始まりなのかもしれない。

書くネタがないと愚痴る私に、恩師の「プロならそのテーマで本出せるぞ」という幻聴が、今日も私を奮い立たせるのであった。

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