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税金65万を払って凹んだけど、新調したワンピースを抱きしめた
税金を一年分納めに、銀行に行ってきた。
コンビニでも支払いは出来るらしいが、もし慣れない新人さんがレジで私に当たってしまい、何十万のお金にオロオロさせてしまったら申し訳ないと銀行に行った。
銀行で番号札を発券し、順番を待つ。
案内された窓口のお姉さんは、とても親切だった。慣れた手つきでお金を数える指のネイルは上品な薄いピンク色で、よく見ると髪も綺麗な栗色に染まっている。
ネイルもカラーリングも、基本は定期的に通ってするものだ。安定したお給料があるからしっかりおしゃれもできるんだよなあ、なんて身も蓋もないことを考えてしまう。
会社を辞めてフリーで生きていく、というとなんだかカッコいい響きがする。だが実際に私がフリーになって一番感じたのは「税金たっか(白目)」であった。
会社員時代はお給料から天引きされているので、支払っている実感がそこまでなかった。
しかしコツコツ貯めてきたお給料やボーナスが、年金・保険料・市民税など迫り来る支払い(合計65万円)に一気に消えてしまい、何だか全身から血の気が引いた。
銀行を出た後、せっかく街まで出たのだから丸亀製麺でうどんでも食べようとお店に入る。ちょっと前まで530円だった明太釜玉うどんが590円に値上がりしていた。天ぷらは諦めてうどんを啜る。
食後コーヒーでも飲んで帰ろうかと思ったが、どこも大体一杯300円から500円くらいはする。少し考えた後、セブンの1杯120円のコーヒーを持ち帰って家で飲むことにした。
先日は家賃を削るために実家に帰ることも検討していたが、普段気の合わない両親が二人揃って「あんたはもうちょっと頑張れ!」というのでもう少し逗子で頑張ることにした。とにかく衣食住を削って、精いっぱい働くしかない。
そう思っていたある日、インスタで何気なく見ていたブランドのワンピースが目に止まった。白地にオレンジの花柄ワンピース。ノースリーブでリゾート風、でも付属のベルトをすればオフィシャルな場でも着れそうだ。
普段着るものにあまりときめきのない自分も、このワンピースとの出会いは久しぶりに胸がときめいた。値段を見てみると、なんと2万円。
いやあ、今の自分にはとても払えないな・・と諦めるも、それ以降何度もそのブランドのサイトを見に行っては「ふむ、まだ在庫ありかヨシヨシ」と確認する自分がいた。まるで片思いしている女の子と話して「まだ彼氏はいないんだな、よしよし」と安心する男の子のようである。
そんなある日、いつものようにサイトを覗くと「Lサイズ在庫・残りわずか」の文字が私の目に飛び込んできた。
落ち着け、これは購入を促そうとするアパレル会社の虚偽表示なだけかもしれない。しかし同ワンピースは色違いも含めて着々と売れていっている。自分はまだ売れない作家なのだから節約すべきだという声も頭に響くが、てめえら何オレの女に手を出してんだというライバル心も、他のワンピース購入者に対して感じる。
いいや、そもそも稼ぎのない自分に彼女を迎える資格などないのかもしれない。でも、この出会いを逃したらもう二度と会えないかも。。
何度も逡巡した結果、カード一括で購入。
ああ、頑張ってまた仕事しなきゃ。。
高い買い物に少しため息をついたものの、その後に届いて実際に見たワンピースは、スマホの画面で見ていた時よりずっと素敵な柄だった。
わたしこんな素敵な服を着れるの?と嬉しくて嬉しくて、思わず届いたワンピースの裾を抱きしめた。
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物価高の現在、新人フリーランスの私は依然厳しい立ち位置にいる。
でもこれまでの人生を振り返ると、心地よく使ったお金は巡り巡って自分のところに帰ってきている気がする。
お財布は厳しいけれど、私は私にすてきな服を着せてあげたい。
今日もお疲れさまでした。
こちらのコロッケエッセイもぜひ。
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SNSやブログをされる方に、一生ものの文章技術をお伝えいたします。
毎日蒸しますねえ・・クーラーは苦手なので、除湿器が欲しい。
明日も適当にしっかりで参りましょう~
最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。