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やりたいことと出会うまで 〜あるセミナージプシーの話〜

今でこそ書くことを仕事にしている私ですが、最初から順風満帆だったわけではありません。

書くきっかけになった大元は今から8年前、CTIのリーダーシッププログラムという研修に参加したことです。
ここでは色んなことをさせられ・・いえしますが、一番言われるのが「クエストをしなはれ」ということ。

クエストといのは「なぜこの時代のこの世界に今、自分は生まれてきたのか?」それを探求し表現する活動のことです。ゲームをする方はダンション、の言葉の方がピンとくるかもしれません。
ちなみに以前のCTIでは「クエスト=会社を起こすとか、国連に乗り込むとかそういうビッグなレベルの行動」を指していたそうですが、今はなんでも良くなったとか。

リーダーシッププログラムが終わった後も、私は自分のクエストが何なのかわからず手当たり次第いろんな本を読んだり、いろんなワークショップに参加したりしました。

当時からカウンセリングやコーチングなど人の心の世界に興味があったので、まずは上智大学でやっているグリーフケアを学びに行きました。
なかなかいい学びだったのですが、あるシスターのある言葉がどうしても許せず、学びを途中で辞めます。

その後、もともとボディワーカーだったこともあり、心と深い関係にある内臓だけを扱うマッサージ・チネイザンというセッションを学びはじめます。
アパートを借りて自宅サロンを始めそれなりに順調だったのですが、先生の言葉で許せないことがあり、途中で辞めてしまいます。

グリーフケアと違ってチネイザンはかなり本気だったので、心にぽっかり空いた穴を抱えてしばらく無為に過ごしていたところ、心配した元コーチでご近所の山道紀子さんが「こういう学びがあるよ」とおすすめしてくれたのが、ソクルスという傾聴の学校でした。

こうして自分の声を、他者の声を、そして場の声を傾聴するレッスンが2年くらい始まります。
クラスは毎回気づきや学びを書いて提出するのですが、ソクルス主宰のザリッチ宏枝さんからよく「仁美さんには文章のギフトがある」と言ってもらっていました。

自分が当たり前にできることは当たり前すぎて、なかなか才能とは気づかないものです。
実際、尊敬する宏枝さんに何度言われても「こんなもん誰にだって書けるでしょ」と思っていました。
ソクルスの卒業試験で、ワークショップをデザインするという課題があり、そこで自分だったら何が語れるだろうかと考えた時に出てきたのが文章でした。

文章で、なぜ正しすぎる言葉を使ってはいけないのか。どうして気持ちは文章になると伝わらないのか。そしてなぜ書くことで人は救われるのか。

ワークショップ当日、集まっていただいた5名の方の前で、こうした文章のテーマについて熱く語っている自分がいました。
私は普段どもったり言語化が遅い方なのですが、本当に語りたいテーマのときはスラスラと言葉が出てくることに気づきました。このときやっと「自分のクエストは書くこと、伝えること、もっと言えばわかりあうことだったんだ」と気付けた気がします。

最近の教育業界では、小さいお子さんに「将来何になるの?」と聞いてはいけないそうです。
「何かにならないと価値がない、と子どもを追い詰めてしまうから」が理由だそうですが「自分は何のために生まれてきたんだろう?」という問いがあるから、人はその答えを求めるのではないかと思ったりします。

ここまで「やーいセミナージプシー!」と言われながら、たくさんのお金と時間を自分探しに使ってきました。そうして私は自分のクエストを見つけたわけですが、書くのもずっと続くわけでもなく、また新しいことを人生の新しいフェーズで始めたり辞めたりするんだろうなという気がします。

とりあえずnoteと文章教室は3年続けるのを目標に、頑張ります。