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インタビュー技術を最も向上させるもの

最近、知人から「インタビュー記事って、どうしたらうまく書けるようになりますか?」と質問を頂いた。

誰かの話を聞いてそれを記事にまとめる。
ただそれだけの作業なのだがやってみると案外むずかしい。私もここ1年と半年くらいインタビューのお仕事をさせて頂いているが、結局は聞く力と書く力を両方鍛えるしかない、以上。

・・ここで終わると苦情が来そうなのでもう少し言語化してみると、インタビューで最も大切なのは、インタビューをする相手(ゲスト)の話を聞きながら「この人のここが素敵だな」というポイントを一か所でいいから見つける、そしてその愛を全力で読者に伝えるということじゃないかと思う。

SNSを見ていて誰かが何かをシェアしていると「本当にこれをおすすめしたくてシェアしたんだな」と投稿者の熱を感じるときと「上司か誰かに頼まれて、仕方なくシェアしたんだろうな」となんとなくわかる時がある。

文章では気持ちは伝わらないとよく言われるが、人が全力で自分が愛しているものを伝えるとき、多少文脈がおかしくてもその愛は読み手に十分伝わるものだ。

ゲストの話を聞きながら「この人のこんなところが素敵だなあ」というポイントを見つける。

それさえ見つければ相手が誰であってもいい記事になるし、もっと言えば対象が人以外、たとえ椅子でもキムチでも「この椅子のここが素晴らしい!」「こんなおいしいキムチは生まれて初めてだ!」と思えさえすれば、その愛を起点にして何かしら書けるもんである。

ただ、愛というのは何もしないで勝手に生えてくるものではないらしい。

最近「第九をライフワークにしている」という方のインタビューを行った。私の中では第九といえば年末に歌うアレというイメージしかなく、第九に何の興味もなかったが調べることになった。

そのうち「第九に人生を狂わされた」という人の文章を見つけ、その文章をきっかけに私もベートーベンや第九への興味が高まり、最終的には「こんな素晴らしい音楽・第九を愛しているというゲストさんはなんて素敵な方なんだろう」と、ゲストさんへの愛とゲストさんが愛するものへの敬意が、私の中で深まっていくのを感じた。フロイデ!!

料理は下準備が9割というが、いいインタビューは好奇心が9割くらいな気がする。

インタビューで最も大事なポイント「インタビューする相手を愛する」、このためにはただ受け身で話を聞いていても愛が芽生えることは少なく、ゲストさんの見ている世界を知ろうとすること、「あなたをもっと知りたい」という想いをあきらめないことが、結局のところいいインタビュー記事につながっていくような気がしている。


・・そんな想いで書きましたインタビュー記事が先日アップされましたので、シェアします。

声の学校・アトリエカンテレ様の生徒さんにインタビューさせて頂きました。この学校の生徒さんは皆さん本当に心の美しい方ばかりで、紹介に熱が入ってしまいます。よろしければご覧ください。

過去記事もぜひ。


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