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#3.謎解きデザイナーになったゴリラがタイトルロゴを完成させるまで〜制作編〜

謎解きデザイナーのオビワン(ob1toy)です。
普段は謎解きや宝探しのイベントを企画・制作する会社のデザイナーとして働いています。

前回はメインビジュアルの制作の流れをご紹介したのですが、今回は更に深掘りし、メインビジュアルに欠かす事の出来ないタイトルロゴについてご紹介出来ればと思います。

タイトルロゴデザインとは、こうだ!とか、
タイトルロゴデザインはこう作るべきである!とか、
デザイン的な事は正直なところ、お教えできるほどの自信はないので、
普段ゴリラがどうやってタイトルロゴを作っているのかをご紹介出来ればと思っています。

「なんだこの作り方は!こんなヤツがデザイナーを名乗るなんて…恥を知れ!」と思われる方もいらっしゃると思いますが、どうか暖かい目で、自由研究の発表を聞く先生のような眼差しでご覧頂ければありがたく思います。

1.タイトルロゴの役割

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仮に謎解き系イベントを行う会社を、「東京ゴリランド」という全世界から愛されるテーマパークに置き換えた時、
「イッツァ・ゴリラワールド」や「ゴリラッシュマウンテン」などのアトラクションは、謎解き会社ではイベントの意味合いがあり、アトラクションのロゴや看板が、イベントのタイトルロゴと同じ役割を果たしているではないかと考えています。

テーマパークにあるアトラクションのロゴを見ると、そのアトラクションの雰囲気を一目で想像することができます。
絶叫系であれば走るようなロゴ、ホラー形であればオドロオドロしいロゴというようにアトラクションの特徴が、とても良く反映されています。
イベントのタイトルロゴでも同様の事が言えるのではないかと思っています。

また、イベントタイトルのロゴは、企業・ブランドロゴなどとは少し違った役割があるとも思っていて、
可読性があり、ブランドのイメージを出しつつ、色々な媒体に使用する事ができる企業やブランドロゴと、
メインビジュアルとの融合で、本領を発揮するタイトルロゴでは作り方やバランスも、大きく変わってくるんではないかと思うのです。
イベント(アトラクション)の内容が伝わってくるようなロゴ作りを意識し、制作できるよう心がけています。

タイトルロゴを作ろう! 
《1.イメージ作成》

今回は、以前制作しました、「フロッドと瓶の中のフシギな世界」を例に制作の流れをご紹介出来ればと思います。

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制作の前にまず下準備をし、イメージを固めましょう。
以前ビジュアル作成の記事で紹介した、ピンタレス島での資料集めはもちろんのこと、制作するタイトルロゴのベース、または参考にするフォントを選ぶ事もとても重要だと考えます。

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ゴシック系にするのか、明朝系にするのか、POPか、キレイ目かなど、色々なパターンのフォントで見て、初期のタイミングでどの方向性にしていくかを決めていくとスムーズに制作が行えると思っています。
※今回のタイトルロゴはゴリラの大好きな“A1明朝”と“コーポレート明朝”を参考にしました。

《2.下書き》

準備が整ったら、ビジュアルのラフ案を元にザックリと下書きを行います。

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この「フロッドと瓶の中のフシギな世界」のイベントは神代植物公園という施設で行われます。イベント内容も植物に関わるストーリーになっているため、タイトルロゴにも植物らしい動きや飾りをつけたいと考えていました。
また、大きくあしらった瓶が特徴のビジュアルになるため、タイトルロゴは瓶に沿わせた一体感のあるものを目指して、下書きを描いていきました。
トレーシングペーパーを使いラフ案に直接下書きをしたり、Photoshopなどのソフトで描いていくことが多いです。

《3.作字&文字組み》

さて、いよいよ制作に入ります。
今回のロゴの作り方は、“ベースフォント流用型作字スタイル”でいくことにしました…笑
何を言いたいかというと、ベースに決めたフォントを使い文字をバラしながら組んでいくスタイルです。このスタイルはゴリラがよく使うスタイルで、1からの作字よりも格段に制作時間の短縮につながります。※ロゴ作りで、これが正しいのかはわかりませんのでご了承ください。
テキストを、アウトライン化→複合パスの解除→パスファインダー中マド→グループ解除、これで準備は完了。いつでも文字達をバラすことができます。

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この文字バラしでとても役に立つツールが消しゴム&ワープツールです。
私ゴリラは、illustratorでのタイトルロゴ作りやイラスト制作は、
この消しゴム&ワープツールを8割型使い制作しています(事実)
illustratorのパス操作は色々なやり方があるので、作り方は人それぞれではあるのですが、ゴリラにはこの粘土をコネコネするような操作がとてもあっていて、
特にイラスト制作の時には、ほぼこのワープツールのみの制作で行なっているのです。

文字をデザインしやすいようにバラしたら下書きを清書していきます。
フォントの使えそうな部分は残しつつ、今回のロゴに必要な、動きのある植物のような飾り等は実際に手で描いたものや、Photoshopで描いたものをライブトレースしたり、パスで作りこんでいきます。

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また、ワープツールを使いフォントの形を崩していくことも…

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ワープツールの設定で単純化のチェックを外すと、より直感的にパスをコネコネすることができます。コネコネしすぎてパスの数が増えすぎてしまった場合は、
《スムーズツール》を使いパスの数を減らしつつ、なだらかに整えていきましょう。

文字の飾りや形を変えつつ、並行して文字組みのバランスも整えていきましょう。

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文字の組み方でゴリラのイメージなのですが、
テトリスやパズルに似ていると思う部分があります。
「この隙間に接続詞の言葉をバシッと埋めたい!」という欲望が強く、
メイン画像をテトリス風のイラストにしたのもそれが理由です。笑

余白や隙間を広くとったキレイなタイトルロゴや、整列された文字組みのロゴでは対象外だとは思うのですが、
ゴリラはイベント系のロゴを作る時に、ロゴ自体にボリュームや動きを出すことが多く、文字の大きさやバランスも変わってきます。
そのためどうしても空間が広く空いてしまう所が出てくるので、その空間を埋める処理をキレイに行うことで、一つにまとまったタイトルロゴになっていくと考えています。

《4.加工&仕上げ》

文字組みまでが完成したら、いよいよ大詰めです。
まずは、文字の太さなどに気を配りましょう!
文字の大小の差が大きいものは、小さい文字の太さが、大きい文字対して細すぎてしまいバランスが悪く見えてしまう事が多いです。
そのため、わざと太らせたりします。

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文字の太さまでの調整を行なったら、ここで文字自体に加工をかけていきます。鉄板でよくおこなわれるのが、《溶かす》という加工かもしれません。

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う〜ん…画像では伝わりにくいのですが、組んだロゴをPhotoshopで開きます。
その後《ぼかし》の加工を加え、《明るさ・コントラスト》を調整していくと、まるで文字が少し溶けたような加工がかかります。
その後再びillustratorで開き、《ライブトレース》をかけていきます。これにさらに《点描》の加工なども加えるとさらにレトロ感が増したり…
色々と設定が細かかったりするので、今後さらに深掘りしたnoteでご紹介できたらと思います!笑

この加工は、パッケージデザインを行なっていた頃よく使っていました。
文字自体に少し丸みが出てラフ感が強くなります。
こういった細かい調整や加工は、見た人にはあまり伝わらない部分ではあるのかと思いますが、ゴリラはこういうチマチマした作業が好きなんですね。

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細かい調整も行い、カラーを決めたらついにタイトルロゴの完成です!

まとめ

いかがでしたでしょうか?
文字数が莫大になってしまうため、かなり駆け足で紹介してしまい、細かい部分のご紹介はバッサリカットしてしまいました。
次回のnoteでは、カットした部分やもっと細かいタイトルロゴの作り方などご紹介できればと思います。

また、ゴリラのメインビジュアルを掲載していただいたタイトルロゴのデザイン本もあります。宜しければ書店などいった際には眺めて見てください。

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なんだか宣伝みたいで申し訳ないのですが、この本はとても参考になるものばかりで、デザインの引き出しがパンパンになると思います。
ゴリラも、デザインで迷ったときはこの本を開き、参考にしています。

最後に…
最初にも述べましたが、これはあくまでジャングルで育ったゴリラの作り方です。参考にしていただくにはリスキーな部分もありますので、ご注意ください!
まだまだ未熟すぎるゴリラではありますが、今後も色々なデザインを制作していきますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

拙い文章で、大変失礼いたしました。
最後までご清覧いただきありがとうございました。

私のポートフォリオサイトになります
ご興味のある方はぜひご覧ください。

https://www.ob1toy.com

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