新型コロナへの対処法 村上和雄博士のメッセージ
先日、村上和雄博士の訃報に接し、
白鳥哲監督の「祈り」という映画を紹介しました。
そして、今回「愛でパンデミックを」という
白鳥哲監督が制作された番組の7回目に
村上博士の新型コロナに対するメッセージが紹介されていました。
とても素晴らしい洞察に満ちたメッセージだったので、
ぜひ紹介したいと思い、これを書いています。
新型コロナというと、そのウイルスはどういうもので、
ワクチンをどうするのかという目先の問題に目が向きがちです。
しかし、村上博士は、自らの専門領域である遺伝子の観点から、
それを見事に解き明かされています。
村上博士は、人の酵素レニンの遺伝子暗号の解読の成功された
遺伝子研究の第一人者ですが、
その遺伝子の暗号から2000万種以上の生物が生まれ、
生命現象が営まれていることを知り、
この遺伝子は誰が書いたのか?
ということを考える中で、
このような遺伝子の暗号は人間には書けない。
「サムシンググレート」としか言いようのないものが 存在しているという考えに到達しました。
そこからさらに研究を進めて、
見えない心、魂を遺伝子から解明するという研究をされ、
心と遺伝子の研究をされていました。
そこから、
心の働きが遺伝子に影響を与えていることにも
気づいていきました。
笑いが血糖値などに影響を与えていくことなどから、
笑いだけでなく、さらに瞑想や祈りが遺伝子に影響を
与えているということもわかってきました。
そこで、「愛でパンデミックを」のシリーズ7回目の企画として、
村上博士の考える新型コロナウイルスに対する対処法が紹介されていましたが、
遺伝子の仕組みから読み説いている洞察がすばらしいのです。
そもそも、新型コロナウイルスが なぜ感染拡大しているのか?
それは言うまでもなく、
世界中の人々が、
そのコロナウイルスの抗体を持っていないからなのですが、その抗体をどのように作っていくのかが感染防止の要になります。
感染を防止するためには、 免疫によって抗体を作る必要があります。
ウイルスに感染すれば免疫反応で 自然に抗体ができますが、
感染拡大を防止するためには集団免疫を作る必要があるとされています。
そこで、集団免疫を人工的に事前に作ろうというのが 今問題になっているワクチンです。
それはともかく、
そもそも抗体の働きとはどういうものか、
ということについて、村上博士は次のように説明します。
遺伝子は2万個であるのに対して、世の中には抗原(ウイルスなどの病原体)は100万種以上あると言われています。
では、どうやって、2万個の遺伝子で、100万以上の抗原に対応できるのでしょうか?
ウイルスのような抗原に対応する抗体が、
なぜどのように生まれるかはなぞだったのですが、
その抗体のメカニズムを解明したのが、
抗体生成の遺伝的原理の解明により ノーベル 生理学・医学賞を受賞した利根川進氏でした。
利根川博士の研究によると、
1000個ほどの遺伝子で100億種以上の抗体が作り出される
ことが解明されたのです。
その原理を簡単にいうと、
遺伝情報は部品ごとに備えられていて、 抗原が入ってきたら部品を組み立てることによって、 二千万種類の抗体を作ることができるというのです。
このメカニズムは、まさに「サムシンググレート」の 仕業です。
そこで、村上博士は、次のように語ります。
「私たちのゲノムの中にはウイルスやその関連因子に由来する配列が多数存在しており、それらを利用して私たちは人への進化をしてきたことがわかってきました。
2000年の科学雑誌ネイチャーの研究発表で、胎盤形成に必須なシンシンというタンパク質は人のゲノムに潜むウイルスの遺伝子に由来していることが発表されました。
胎盤の形成やその機能の発現には、この内在性ウイルスの発現が必須であり、その機能の一つが、母体の免疫による攻撃から母胎内の胎児を保護する免疫抑制機能なのです。
哺乳類はウイルスの遺伝子を自身のゲノムに取り込むことにより、子孫を母親の胎内に育てることが可能になったのです。
私たちのゲノムが進化のために突然変異したのではなくて、ウイルスと共生することで進化したと考えられるのです。
その中には、人の脳の神経細胞の形成に必要なゲノムや遺伝子のオンオフに必要なゲノムもあります。
ヒトゲノムの1.5%程度が遺伝子でありその他の非コード領域の45%がウイルス由来のゲノムだというのは驚きではありませんか?
つまり、人間の体そのものはウイルスとともに生きてきているのであり、そのウイルスをと取り込んで進化してきたのが人体であるのです。
だから、今回の新型ウイルスも、最終的には進化の過程のひとつであろう」
と。
(村上博士の文章の全文は「致知」6月1日号(2020年)に掲載されています)
つまり、村上博士は、新型ウイルスは人類進化のプロセスだというのです。
さらに詳しい、新型コロナウイルスについての村上博士の見解は こちらからご覧ください。
そして、村上博士は次のように語ります。
「私たちはこの地球で存続するためには 地球環境を綺麗にすることで守ること、そして、免疫力を強化して 自ら治癒できる可能性を無限に広げていくことが大切です。
もしかしたら、生物学的にも この新型ウイルスと人類は 新たなる進化のステージを迎えているのかもしれません。
そのためには
自己治癒力を限りなく高めること
自己免疫を上げる食生活を変えていくこと
心のあり方を変えていくこと
笑いと愛のある生き方をしていくこと
生き方を変えていくことが必要です」
と。
そして人類が進化していくためには、
地球規模の協力体制を構築し、
グローバルな連携が不可欠であり、
地球規模で人類が助け合うことが、
今回の新型コロナウイルスの発現を通して、
サムシンググレートが私たちに発しているメッセージではないか、と村上博士は考えているのです。
では、人類が地球規模で助け合うためにどのようにすればよいのか?
村上博士は、フランスの経済学者であり思想家でもある ジャック・アタリ氏のメッセージを引用しています。
そのためは、私たちの価値観を、 利他主義へと転嫁していくことが必要だといいます。
「利他主義という理想への転換こそが、 この新型コロナを生き抜いていくための、 人類サバイバルの鍵であり、人類が進化するための最大のチャンス だ」というのです。
それは、超人的な人間が現れて世界を救うのではなく、 一人ひとりの意識を変えることによって可能になる。
人類一人ひとりの意識が変わり、 それがうねりのようになった時に世界が変わるのだ、と。
それでは、
私たちの意識をどのように変えればよいのでしょうか?
ジャック・アタリ氏は、
利己主義から利他主義へと意識を変えるべきだと言うのです。
そして、その利他主義というのは、合理的利己主義だと述べています。
なぜなら、利他的ということが、自分の利益になるからです。
「利他主義とは、もっとも合理的で自己中心的な行動である」 と、アタリ氏は語ります。
まさに、個人主義を根本原理としているフランス人らしい考えです。
これに対して、ダライ・ラマは次のように言っています。
「他の人を思いやるということが自分の幸せをもたらすと理解して、 自分のことをケアしていくというのが賢いものの利己主義だ」と。
これらの言葉を引用した上で、村上博士は言います。
このコロナの時代においては、 自分自身の免疫力を上げることが大切だと。
そのためには、 心配や恐怖という感情に支配されてしまわないことが大切であり、ネガティブな感情は私たちの免疫を著しく損なうことが、 科学的に証明されている。
そして、
私たちは、周りの人たちと励まし合い、 一番困っている人たちを支援する必要がある。
人類は、地球の命の連鎖の中にあり、 人間もその命の輪の中にある
そして人類は今は変革の時にある。
その変革のためには、遺伝子を目覚めさせることであり、 人類進化の目覚めのチャンスだ。
というのが、村上博士のメッセージです。
私もこのメッセージに深く共鳴することがあり、 ここにご紹介しました。
ぜひ、この動画を見ていただければと思います。
さらに、
もうひとつ付け加えたいことがあります。
それは、村上博士が、
「人類進化の目覚めのチャンス」
と言われていることに関してです。
Oshoはこのことに関して、 驚くべき洞察をもたらしています。
私はこのOshoの洞察を聞いて、
はじめて、
どうしてこの世に生まれてきたのか
ということが腑に落ちました。
そして
自分が何をすべきかということについても
わかりました。
Oshoは次のように語っています。
少し長くなりますが、そのまま引用します。
「人間の身体は進化することを停止した。
それはいつ止まったのか?
意識が入ってくると、進化の仕事は終わる。
今や進化するのはあなたしだいだ。
だから人が自分で努力しないかぎり、
人間は静止し、進化していない。
今度は、人間を超えると、
あらゆるものが意識的になるだろう。
人間以下では、あらゆるものが無意識だ。
人間とともに新しい要素が入ってきた。
気づきという要素、意識という要素だ。
この要素によって、進化の仕事は終わった。
進化とは
その中で意識が進化する状況を作り出すことだ。
いったん意識が入ると、
今度は責任のすべては意識にある。
だから今や人間が進化することはないだろう。
当然だが、進化は存在しなくなる。
意識こそが進化の頂点、最終段階だ。
だがそれは生命の最終段階ではない。
意識こそが、進化の、
すべての動物の遺産の最終段階だ。
それが最後の一歩、クライマックス、頂点だ。
だがさらなる成長のためには、
それは最初の一歩になるべきものだ。
そして私が進化は止まってしまったと言うとき、
私が意味しているのは、
今や内なる努力が必要だということだ。
あなたが何かをしないかぎり、あなたは進化しない。
自然はあなたを無意識の成長における最終地点に連れてきた。
今やあなたは気づいている。
今やあなたは知っている。
あなたが知っているとき、あなたには責任がある。」
このOshoの言葉を聞いて、あるいは読んで、
あなたはどのように思いましたか?
およそ38億年前に、
地球という惑星ができて、生物が誕生しました。
500万年ないし250万年ほど前に アウストラロピテクスという 直立2足歩行をする猿人が出現して、 人類の歴史が始まったとされています。
150万年ほど前にホモ・エレクトゥスが出現し、 ホモ・サピエンスが出現したのが30万年ほど前だと言われています。
このような進化の過程で、
ホモ属だけが強大な脳を持ち、
大きな思考回路を持つに至るようになりました。
そしてそのときに、
意識を持つことができるようになったと考えられます。
それ以来人類は進化しなくなっています。
なぜでしょうか?
Oshoによると、それは、
意識を持つことで、
私たち人類は進化の頂点に立ったからなのです。
これからは、内なる努力が必要になったのです。
私たち自身がが何かをしないかぎり、進化しないのです。
その「何か」とは何でしょうか?
それが瞑想であり、祈りでなのです。
深い瞑想のなかでは、すべての意識はひとつです。
他の人が幸せになることが、自分の幸せなのです。
苦しむ人がいれば、それは自分の苦しみなのです。
それは、自然に利他主義の精神をもたらします。
そして、村上博士の研究によると
その瞑想と祈り、利他主義の精神が、
遺伝子に影響を及ぼしていくことにつながるのです。
新型コロナウイルスの到来で、 私たち人類は変革の時代を迎えています。
私たち、一人ひとりの意識の変革が試されています。
OAU
えたに
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