見出し画像

思いやり:それは、 ほんの数秒でできること モーガン・フィッシャー

都会のストレス

 最近、埼玉県浦和のコンサートに招待された。都心近くに住んでいる私には、埼玉というとかなり遠い場所のように聞こえる。ところが、電車の時間を確認してみると、新宿から埼玉までは25分しかかからないことがわかった。現地に着いてみて面白かったのは、地元の人たちは一般の東京人よりずっとくつろいでいて親切なことだった。そんな短時間の旅で、出会う人たちの性格やパーソナリティがそれほど違う可能性があるとは驚くべきことだった。たとえば、東京から京都や札幌へ行くのなら、人々はかなり異なる雰囲気だろうと予想されるのだが。となると、この違いの理由は何だったのだろう?

画像3

 どうやら世界のどの大都市でも、人々は絶え間ないストレスのなかで生活しているようだ。彼らはどこでも急いでいて、他人のための時間をほとんど持っていない。もしかしたらそれは、大都市の多くの人たちが実際には首都郊外の小さな町や村で育ったからかもしれない。だから大都市に引っ越て、群衆のひしめきや長い勤務スケジュールや高層ビルが、彼らにストレスとなるのかもしれない。

少し、スピードを緩めるだけで

 私はロンドンで育ったので、おそらくこの種のストレスにそれほど影響は受けない。ところが、私の状況しだいでは、大都市が私の中に緊張を生む可能性もある。たとえば、混雑した駅で、私がほかのみんなのように急いでいるなら緊張するだろう。だから、課題はいかなる状況でも落ち着いていることだ。ほんのわずかでも、単に減速するだけで、驚くほど効果がある。もち
ろん、旅行するときは、少しは時間の余裕をもって、スケジュールを調整する必要はあるだろうが。しかし、とりわけ職場から家に帰るとき、なぜみんなあんなに急ぐのか本当に不思議に思う。朝、職場に遅刻するのは駄目だとしても、家での夕食に遅れるくらいはまったく問題ないはずなのに。

 ストレスを軽減するためのひとつの良い方法は、自分のまわりを見回して、ほかの人に配慮することだ。特に相手が携帯電話を見ていて、あなたを見ていない場合は! だからこれには、もっと今にいて、油断なくいることが必要だ。そしてできるなら、急いでいないことが! 私はしばしば、こ
ちらに向かって一直線に突進してくる人を避けるために、自分が左右にジャンプしているのに気づく。そしてそれは楽しいかもしれない!

ここから先は

3,346字 / 5画像
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?