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介護職のストレス解消!愛のパワーで自分を癒す「ハート瞑想」 田村美帆

人や社会の役に立ち、たくさんの人に感謝される福祉・介護の仕事。
その一方で、ハードな職種というイメージから敬遠されがちで、日本では介護人材の不足が深刻さを増しています。
福祉・介護の現場で、長年にわたりキャリアを積んで働いている田村美帆さんは、この仕事にやりがいや魅力を感じつつも、以前は精神的に負担を感じることが度々あったそうです。
そんなとき、田村さんを救ってくれたのは、ハートとつながる瞑想でした。

ハートは無条件で、すべてを受け止める

 私が初めて「ハート瞑想」に出会ってから7年余りが経ちました。当初はそのシンプルさに驚いたのを、今でもはっきりと覚えています。そしてこんなにも自分の生の側面を豊かなものにしてくれるとは、想像もしていませんでした。

 ハート瞑想は、例えるなら子どもが愛情をいっぱいに受けて、すくすくと育っていくような、そんな瞑想法です。それはハートが持つ本質が、あらゆるものを良い、悪いの区別なく無条件の愛で受け入れてくれるからで、まるで魔法のようです。また何か特別なことをするのではなく、日常生活の中で、いつでもハートとつながることで実践できるのです。

介護の現場で働く日々

 私は高齢者施設で、介護士や介護支援専門員(ケアマネージャー)として働いています。福祉関連の仕事に就いて、気がつけば20年以上の年月が経過しましたが、障害者、児童関係などいろいろ経験し、その中で一番長く続けているのが現在の高齢者関係の分野です。この業界の仕事はいろんな意味できつく、心身ともに限界が来て、少しの期間離れたこともありました。でも一度離れたからこそわかったのは、自分はこの仕事が好きということでした。

 私の働く施設には認知症の人、病気や障害のある人など、さまざまな利用者がいます。常に相手の立場に立たなくてはいけない厳しい環境ですが、介護を通して人の生に深く関わり、様々な側面を教わっていると感じています。アクシデントやトラブルが発生し、失敗して落ち込むこともよくあります。同僚が助けてくれてまた頑張ることができる、毎日そんな感じで過ごしています。

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 こういう現場で働いているからこそ気づいたことがあります。それは、生のすべての側面にハートの持つ質がどれほど重要で価値があるかということです。ハート瞑想に出会ってからは、仕事に対する姿勢も大きく変化しました。ハートは、自分の内側に眠っているたくさんの宝物=本質に気づかせてくれます。そしてそれらの本質、例えば愛や喜びにハートからの価値を与えることで、今まで義務から行っていた仕事が、何か生き生きとした行為に変容し始めるのです。自分の内側が豊かに変化していくなんて……と、このハートのマジックにはいつも驚きや感謝の気持ちでいっぱいになります。

ほんのひとときでも、ハートに触れる時間を

 それでは、私が普段どんな風にハート瞑想を実践しているのか紹介させていただきます。まず、リラックスしてハートに手を置き、ハートを感じることから始めます。 習い始めの頃は、ハート瞑想のための環境を決めていました。私は一日の大半を職場で過ごすので、「仕事中にひとりになれる場所は?」と考え、トイレでの時間を利用することにしました。その時間にただハートに触れ、その温かさを感じることで、とてもホッとした気持ちになったのを覚えています。慣れてきてからはお茶を飲むとき、窓から外の景色を眺めながら、車の中で……など、シチュエーションを増やしていきました。

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 ハートに手を置けないときは、ハートで深く呼吸をするようにイメージしましたが、その方法はとっても効果的でした! 時間があるときには、五感をハートにつなげて、鳥のさえずりや雨音など自然の音を聴いたり、季節の花々を観たり、大好きな動物に触れたりなどなど、いろいろなシーンでハートとつながる練習をして、どんどんハートを感じることに順応していきまし
た。そして海外からハート瞑想の講師の人たちが来日すると、コースに参加して一緒にハート瞑想を……と繰り返すうちに、驚いたことにハートがいつの間にか育っていったのです。まるで天から太陽の光と雨の恵みをもらって、ぐんぐん成長する植物のようです!

理不尽な状況も、拒絶せずにハートで受け止めて

 ハート瞑想でハートが成長していくと、日常生活の中で困難なことに直面したときにも、その威力を発揮するようになりました! 例えば、私の仕事はどうしても人との関わりやその関係性に悩むことが多いのですが、クレーマー的なクライアントさんと向き合わないといけないときは、嫌な気持ちになり気分がとても滅入ります。無理な言い立てをされても、まず受け止めねばならず、悔しさや怒りがこみあげてくるときさえあります。行き場のない思いや感情に、押しつぶされそうになることもありました。積もりに積もったそれらの思いや感情は決して癒されることはなく、不快だからと退けようとすればするほど、ますます強力になっていく感じがするのです。

 でも私のハートが育ち、強くなってくると、状況が理不尽に感じるときでも、自分の中の思考や感情を拒絶することなく受け入れられるようになっていきました。相手のせいにしていたことが、自分の思考や感情に責任を持てるようになってきた、そんな感じです。拒絶することなく、ハートでただその思考や感情を受け入れることで、なぜかそれらが穏やかなエネルギーに変
わっていくのを感じられました。

 このように、ハートがもたらしてくれるギフトは素晴らしく、自分らしく生きることをサポートしてくれます。そして、忍耐を必要とする介護の仕事では、ハートにつながることがとても大切と実感しています。施設という制約のある場所でも、ハートは日常生活の中にどれほどたくさんの価値があるか気づかせてくれます。厳しい現場だからこそ、ハートの質をもっと分かち
合っていきたい……そう思っています。

※「ハート瞑想」の詳細は、こちらをご覧ください。

田村美帆(Yogapada)

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福祉・介護職に20 年以上従事する。介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員(ケアマネージャー)。
プライベートでは、ハート瞑想ティーチャー、煎茶美風流師範などの資格も取得。

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