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カウンセリング の技術 オーラソーマアカデミー ラハシャ博士に聞く『LIVING ENERGIES Vol.2』


オーラソーマは、あなたの潜在能力や才能、人生の目的と課題、現在の状況、将来の方向性…などを、4本のカラーボトルを選ぶことから読み解いていくカラーケアシステム。
自分の内面を見つめ、気づき、生き生きと輝いていくための鍵となります。

オーラソーマの学びのステップは3つのレベルで構成されていて、段階ごとにイギリスのオーラソーマアカデミーが発行する資格を取得できます。
この3コースを修了した方はプラクティショナーとして、オーラソーマのコンサルテーションを行うことができるようになります。さらにそのあと、ティーチャーズコースに進まれる方は、前述の3レベルを指導できるようになります。

オーラソーマのコンサルテーションでは、カウンセリングのスキルがとても重要です。

この記事は、オーラソーマアカデミーにおいてカウンセリング指導に携わり、現在も世界中のティーチャーから信頼の厚いラハシャ博士が、自身のプロフィールとカウンセリングのポイントについて語ったもので、「LIVING ENERGIES Vol.2」(1998年2月発行)からの転載です。

ラハシャ・フリッチョフ・クラフト博士のプロフィール

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 私はドイツ人ですが、スイスに生まれ、医学を勉強しました。そして8年間内科医として働きました。最初の5年は病院に勤務し、その後の3年間はドイツにて自分の診療所を持ちました。

 すでに学生の頃から多く旅し、最初にインドに行ったのは1971年のことでした。そのころより精神的探求者として多くの伝統的な文化にも接しました。トルコではスーフィー、ネパールではチベット仏教、そしてインドではチベットとヒンドゥの伝統を学びました。

 1980年インドのプーナでOSHO(和尚)という精神的なマスターに出会い、瞑想をはじめました。当時和尚は世界中から多くの最も優秀なセラピストたちを集め、瞑想のための準備をする道具としてセラピーを用いることの可能性を実験していました。彼のヴィジョンは西洋と東洋を結びつけることであり、人々がその両方の世界から利益を得ることを助けるというものでした。

 私はアジアに1年間過ごし、その間多くの瞑想を学びました。そしてドイツに帰国すると同時にマインハードで診療所を開業しました。そこでは患者のヒーリングを助けるため、針やヒプノシス、ブレスセラピーなどのような多くのヒーリングの方法を取り入れました。

 そして長年に渡るカウンセリング、グループダイナミックス、プライマスセラピー、ブレスセラピー、エンカウンター、ヒプノシス、NPL、タントラ、エソテリックサイエンス、エナジーワークなどの教育を受け、学んだあと、自分のグループやトレイニングを指導するため1985年診療所を閉じました。

 1987年から1997年にかけて、主に和尚マルティバーシティで働き、そこでアドバンス・カウンセリング・トレーニングとともに、「ビヨンドサイコロジー」、「内なる錬金術のアート」なども指導しました。私は冬の6カ月のシーズンをそこで過ごし、あとの半年は世界中をまわってでワークショップなどをリードしました。1995年から1997年にはインドのプーナの「オショウ・スクール・オブ・ミスティシズム」でディレクターを務めました。

 また彼のパートナーであり、彼にすばらしいカラーヒーリングシステムを紹介したオーラソーマのティーチャーでもあるヌラとともに、瞑想とネパールとチベットのトレッキング、スキーやセイリングを組み合わせた冒険ツアーなども企画しています。

  私とヌラは現在オーストラリアに住み、ニュー・サウス・ウエールズのバロンベイの近くで大きな瞑想とセラピーとヒーリングのセンターの建設に携わっています。そしてヨーロッパや日本においてカウンセリング・スキルやその他のコースのトレーニングをしています。

 私はこれまでの多くの異なった分野を学び、さまざまな多くの経験から、私のワークも変化し、進歩してきました。そして非常にユニークで、シンプルで効果的なやり方を開発してきました。

 例えば、カウンセリング・スキルのトレーニングでは頭に多くの知識を詰めこむのではなく、一歩一歩体験を積み重ねながら、自然と学びが起こってきます。

 私自身がクライアントやグループとどのようにワークしていくかを見ることで、私は簡単なストラクチャーを作りました。そしてそれをやってみることで自然と理解が生じてきます。以下にそのワークについて説明します。

無理強いしない

 良いカウンセラーの主要な特徴の一つは、その存在のあり方であり、どのスペースから、いつそのコンサルテーションを行うかということです。

 カウンセラーがそのクライアントを変えようと思ったり、あるいはそのクライアントが間違っている、悪い、となんらの形で思った瞬間、「無理強いする」ということが起こります。おそらく、それはエネルギーのレベルでしかないかもしれません。

 しかし、私たちも知っているように、エネルギーは非常に強力に作用します。セッションにやってくる人は誰も、それがカウンセリングであろうと、オーラソーマのコンサルテーションであろうと、自分が悪いと感じたり、無理強いされたいとは思っていません。

 ですから、まずカウンセラーの存在のあり方に多くの注意を向け、セッションを始める前に、そのコンサルタントが、今ここにいて、ジャッジメントしないで、ハートにとどまる、という瞑想的なスペースを見いだすことができるようにします。

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 オーラソーマは「無理強いしない魂のセラピー」ですので、クライアントが自分のボトルを選び、自分の処方箋を見いだすとき、このアプローチは、そのコンサルタントの気づきと瞑想性を通して、サポートとなります。

 私たちはみんな無理強いされることに対してアレルギーを起こしています。子供のときから、もちろん愛という名においてですが、どれほど無理強いされたきたことでしょう。

 たいていの私たちの教育は自分を変えること、進歩させること、何かになること、に連動していました。「何かになること」が主な病気(Diesase)になり、「あること」(Being)が忘れ去られました。心の奥深くで自分は悪いんだというふうに思いこんでしまっています。そして自分には価値がないんだとしばしば感じます。それだけでなく、しばしば自分のエネルギーに対してさえ無理強いし、操作し、内側のより深い智恵に耳を傾けようとしません。

 ヒーリングは、私たちが愛に満ち、こころを開いて、配慮し、無理強いしない環境の中で、自分は誰かということを発見するスペースを持ったときにのみ起こります。

 もし庭師に忍耐がなく、苗床の植物に無理強いして、その植物をもっと早く成長するようにとひっぱりはじめたらどうなりますか?結局は、根と茎を分離させてしまい、その植物を枯らしてしまうことになります。 

 ではこの場合、無理強いしないとはどうすることでしょう?いい庭師になるにはどうすればいいですか?それは良い環境(十分な光と太陽光、いい土壌、適切な量の水、そして適切な肥料と愛に満ちた世話をする態度)を整えれば、その植物は自分でヒーリングしながら成長していくのです。

 ではどうすればいい環境を提供できるのでしょうか?


ハートにセンタリングする

 西洋では、ほとんどの人は頭に中心を置いて、合理的なやり方で人生の問題を解決しようとしています。オーラソーマのすばらしいところは、私たちは色にたいして、直観的にそれを選びますから、その性質上合理的なアプローチだけでは対処できません。しかしそのボトルの解釈は強制や知的であることはできます。

 私たちが自分のハートセンターにコンタクトするようになり、この愛と受容性のエネルギーフィールドに触れると、全部の雰囲気が変わります。私たちが恋に落ちたり、ハートに感動を受けたとき、どれほどの高いレベルのエネルギーと気づきがやってくるか経験したことがあるでしょう。

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 私は長年に渡ってそのハートセンターとワークしてきた経験があり、より深い知性と直感のセンターとしてのハートに結びつくためのいろんな簡単なやり方を発見しました。ハートのスペースには多くの層があり、その中心は純粋な空っぽです。それはほんとうに簡単で直接的です。簡単すぎて変容のためのハートのパワーを見逃してしまっているのです。


リラクゼーション

 私は内なるくつろぎと動作に気づきをもたらすという状態からカウンセリングを教えていきます。

 私たちがリラックスしたときにのみビイング(Being)、在るという状態、が起こります。それはちょうどアインシュタインがお風呂につかってリラックスしているときに相対性原理を発見した、その状態です。

 リラックスしてオープンになっているカウンセラーは自分の直観とつながりやすくなっています。醒めてくつろいでいる状態ではものごとが自然に起こり、そのセッションがいきいきしてきます。


瞑想と空っぽさからワークする

 瞑想は西洋では、しばしば熟考することや観察することと混乱し、誤解されています。

 このトレーニングでは参加者が自分の「内なるスペース」に触れるようになるのを助けるためのさまざまの異なった瞑想を紹介します。西洋ではこういうことはあまりなじみがなく、瞑想の恐怖はこの内なる空っぽさの恐怖である場合がほとんどです。

 いずれにせよ、私たちはこのスペースにもっとなじむようになり、そうすることでそのセッションの間、その瞬間瞬間に自発的に応答できるようになり、クライアントがカウンセラー自身の精神的偏見の犠牲からすくわれます。

 カウンセラーの、待つことができ、自分自身の中にくつろぐことのできる能力は、空っぽになるギャップがあるとしても、そのセッションにより深いレベルをもたらします。


シンクロニシティ

 私はこれまでシンクロニシティ(共時性)の現象を探求し、それを自分のトレーニングのなかでも教えるすばらしいやりかたを見つけました。

 シンクロニシティをオーラソーマのセッションを例にとってみると、クライアントとカウンセラーが自然とハーモニーの中に入り、あるレベルで一つとなり、両者の洞察が同時に起こり、智恵とセッションにマジックが加わります。

トランスミッション

 マイク・ブースのコースに参加した人なら、このトランスミッションと呼ぶ現象に気づいたと思います。

 私たちがノートを取ったりマイクが言っていることを理解しようとしているとき、頭の中がごちゃごちゃになりながらも、何か内側がもっともっと光で満たされ、明晰になり愛に溢れるようになっていきます。

 マイクはあるエネルギーの波動を伝達し、みんながそれを知性よりも深いレベルで捉えるからです。同じ経験は他のオーラソーマのティーチャーとの間でも起こったことがあるでしょう。

 カウンセリングスキルもトレーニングでも、参加者がそれに気づき、自分自身の内側でそのエネルギーの状態を利用することを助けることで、私はトランスミッションを通してワークする可能性についても紹介していきます。


言葉のパターン

 ドイツ語では「森に呼びかけると、同じように森は答える」という言い方があります。ですから人々に話しかけるとき、もちろんセッションにおいてもですが、どのような言葉を使っているのかということに気づくことがとても大切です。

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 使う言葉は伝達したいスペースと一致している必要があります。しかも無理強いしないで、許していくものでなければなりません。このトレーニングでは参加者が簡単で効果的に表現できるようになるために、言葉によるコミュニケーション、NLPとヒプノシスの基礎を教えていきます。


問題に気づく

 コンサルテーションやカウンセリングセッションで最も大切なことはクライアントの問題が何かを見つけだすことです。そうすることで何を見ていくかを明確にし、どこにヒーリングが起こりうるかを見ていきます。

 もしクライアントが混乱していたら、それがたいていの場合だと思いますが、でなければセラピストの側から助けを探し出す理由はそれほどないでしょうから。

 カウンセラーにとってはそれを確認しクライアントの問題を明確にするのは非常に大切です。私たちも知っているように、例え自分の問題を知っていても、それにどうアプローチすればいいのか、あるいはどうすれば解決できるのか分からないことがしばしばあります。

 トレーニングでは一歩一歩クライアントの問題に関して気づきをもたらしていきます。

1 その問題に気づいているか。
2 その問題にイエス、ないしノーを言ってるか。受け入れているか。
3 その問題に自己同一化しているか。
4 その問題に責任をとっているか、あるいは犠牲者になっているか。
5 その問題は投影の一部か、他の人、関係性のあるパートナーも含むか。
6 この生でこの問題を作り出した過去生の記憶を持ち運んでいるか。


心理的問題をエネルギーパターンの気づきにする

 現代物理学者はすべてのものがエネルギーであると気づきました。物質でさえエネルギーなのです。オーラソーマは色、植物、貴石のバイブレーションを通してエネルギーとワークします。どうして心理的問題も微細解剖学のエネルギーパターンとしてみれないことがあるでしょう。

 セラピストとしての教育をうけてきた私ははじめ心理学的アプローチを学び、さらに微細身としての7つのチャクラの微細解剖学も研究しました。トレーニングは心理問題からエネルギーへと橋渡しし、問題のある状態を、エネルギーレベルを通して解決し、ヒーリングするすばらしい方法を教えます。

変容の錬金術

 「変容の錬金術」とはハートから源を発し、受容性と責任、愛と理解のドアを開けるすべてのプロセスをいいます。エネルギーレベルでの本来の自分に対し、私たちが自分に抱いている偽善と観念を探求します。オーラソーマヒーリングがクライアントの光と潜在的可能性をサポートするのとちょうど同じように、「変容の錬金術」は光と愛をそこにあるすべてのものにもたらしていきます。


実存的理解と知的理解の探求

 知的に何かを理解したところで何も変わらないということは、私たちは知っています。しかし何かがカチっときたとき、内側の奥深くで「あっ、そうか。」という感じで理解できれば、真の理解が起こったことにより、ものごとが自然に起こっていきます。このスペースは私たちの内側の実存の状態として探求していくことができます。


カウンセラーとクライアントの関係性

 二人の人が会ったとき、個人セッションのような場合、ある関係性が形成されます。このクライアントとの間に生じる関係性のタイプを認識することはセラピストにとって非常に大切です。クライアントのみならずカウンセラーの側のパワーと依存の問題に気づくようになることが大切です。そして「受け入れることの錬金術」を使うことで先に進んでいくことができます。

 愛に満ちた気づきさえあればヒーリングが起こるには十分なのです。


エネルギーリーディングの基本技術

 オーラソーマコンサルタントとしてクライアントが選んだボトルを読み説いていくとき、すでにある種のリーディングを行っているといえます。

 多くのサイキックからもわかるように、エネルギーリーディングはオーラソーマのボトルや他のツールなしに、ただチューニングを合わせることですることができます。

 このトレーニングで、参加者がハートのエネルギーを読み、そのクライアントについて利用できるインフォメーションを得ることができる、簡単なアチューンメントの方法を教えます。

困難なクライアントの状況

 実際には困難なクライアントというのはありません。「興味深い」クライアントということはできても。

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 これまでカウンセリングなどをした経験のある人にはわかるでしょうが、コンサルタントとしての私たちの愛や受容性に対して本当に挑戦となるようなクライアントがいます。

 これらの挑戦についてあらかじめ知っておき、自分の果たすべき責任と限界について気づいているのは非常に大切です。

 トレーニングはこれらの興味あるクライアントに対して、特に興味深い状況を例に取りながら、どのように対応していくのか、何通りのかのやり方を、遊びとユーモアに満ちて、教えていきます。

 上にあげたようなそれぞれのトピックは、それぞれで一つの深い探求になりうるものですが、このトレーニングは光を多くの可能性にあてるためのインスピレーションを得、そうすることでこれからの学習に対するもっと多くのドアを開いていくものになるでしょう。

ラハシャ・フリッチョフ・クラフト博士

ドイツで医学を修め、緊急治療室での医師を勤め、診療所などで診療していました。病気の治療よりも、病気になる前に予防できないかと考え、ホリスティックな観点からヒーリングの研究に取り組み、フランス、アメリカ、インド等で東洋医学やカウンセリング、プライマルセラピー、エンカウンター、ブレス、エイクソニアンヒプノシス、タントラ、メタフィジカルリーディング、オーラソーマ、エナジーワークなどの様々なセラピーや、瞑想についても研究を深めました。セラピストやカウンセラー、オーラソーマティーチャー、プラクティショナーなどのためのヒーリング、カウンセリング等のトレーニングやをアメリカ、オーストラリア、カナダ、ヨーロッパ、台湾、中国、韓国、日本などで教えています。 スピリチュアルリーダーとしても世界的に活躍しています。



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