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be here かまくら② 鎌倉バワン 野菜たっぷり、身体に優しい南インドカレー

鎌倉駅西口から御成通りを抜けて、長谷方面へと結ぶ由比ガ浜大通り。
江ノ電と並行して走り、おしゃれなカフェやセレクトショップ、老舗の名店、グルメ店などが点在している。長谷駅周辺へ向かうなら電車を使わず、この通りをのんびりとお散歩するのもおすすめ。鎌倉の街並みが楽しめて、
立ち寄りたいショップがいくつもあるから。その中のひとつが 「鎌倉バワン」。ちょっと珍しい定食スタイルのインドカレーが楽しめる。

旨味をダイレクトに味わえる南インドカレー


 「鎌倉バワン」のカレーは、ナンではなくライスと一緒に副菜をいたく、定食スタイル。生クリームやバターを使う北インドのカレーと比べると、とろみが少なくあっさりしていて、素材やスパイスの旨味をダイレクトに味わえる南インドのカレーだ。
 カレーメニューには、ミート、シーフード、ベジタブルが用意され、本日のカレーから1 種盛、2 種盛をチョイスする。店内のボードには「ミントキーマ」「チキンペッパーマサラ」「あさりココナッツ」など、その日の魅惑的なラインナップが並ぶ。

南インドの食に目覚めてお店をオープン

 店主の伊藤健太郎さんは、インドや東南アジアを旅するうちにアジアンフードの魅力にはまってしまい、ついにはサラリーマンを辞めて、探求のためバックパッカーに。なかでも南インド料理のあっさりとして飽きのこない味わい、豆や野菜を使ったヘルシーな料理に惹きつけられていく。
 「インドは色々な地方を回りましたが、南インド料理はヘルシーなだけでなく、魚のカレーがあったりと、メニューがバラエティに富んでいていいなと思いました」
 伊藤さんは、自分のお店をオープンしようと日本に戻り、いくつかの飲食店で修業した。そのうちの1 軒がオーガニックカフェだったが、そこで働くうちに食の身体への影響をきちんと考えるようになったと話す。
 「オーガニックについて色々教わって、医食同源というか、身体の中に入るものは身体を作るものだから、意識を持って摂取するという考え方を植え付けられました。もともとはエスニック料理全般が好きでしたが、東南アジアの料理は化学調味料を使うのが引っかかって。インド料理だけは化学調味料は一切使わず、スパイスだけで作る。それでインドにシフトして行きました。」
 店名の「バワン(Bhavan)」とは、ヒンディー語で建物や屋敷を意味する。伊藤さんの初めの一歩は、車での移動販売。大船方面では「梵curry(ボンカリー)」という名前で5 ~ 6 年間営業し人気店と
なった。次の一歩は鎌倉の店舗へ。
 「お店を持つことになり、路上から建物に入れたのでバワンにしました。インドでは、「〇〇バワン」という店名が多いですよ」

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定食スタイルのカレー「ミールス」とは?

 お店のカレーには必ず副菜がつく。副菜は、サンバルという豆と野菜のスープカレー、薬味のようなチャツネ、インド版ピクルスのアチャール、豆の粉から作られたおせんべいみたいなパパドなど、4 ~ 5 種類。これらの副菜は、数種類のカレーやライスと一緒にプレートに盛られている。南インドでは一般的な「ミールス」という定食だ。
 「日本の定食に例えると、カレーがおかずだとしたら、サンバルは味噌汁で、チャツネは福神漬け、アチャールは漬物、パパドは海苔のような立ち位置ですね」と伊藤さん。
 副菜はそのまま食べても、カレーやライスに混ぜて食べてもいい。パパドを手で割ってカレーやライスに混ぜて食べると、スープに浮かべたクルトンみたいに、歯ごたえや食感の変化が楽しい。
 スパイスで素材を引き出したカレーは、さわやかでサラッとした軽い口当たり。スパイシーだけど優しく、素材の旨味が押し寄せてくる。油はカレーに合わせてセレクト。使う量も控えて胃にもたれないように、と食べる人への思いやりも深い。あっさりとしたベジタブルカレーと、味が濃い目のキーマカレーを合わせたり、カレーと副菜を一周したら、すべてを混ぜ合わせて食べてみるなど、インドの定食「ミールス」は一口ごとに表情を変えてくれる。
 「『ミールス』はお酒ともよく合いますよ。ベジやアサリのカレーには白ワインがおすすめです」と話す伊藤さん。くつろげる店内でカレーや副菜をつまみながら、ゆったりお酒を飲むのは格別な気分に違いない。鎌倉散策の途中に「ミールス」で昼呑みするのも楽しそうだ。

『鎌倉バワン』

住所:神奈川県鎌倉市鎌倉市由比ガ浜3-2-23
電話: 070-5465-2253
営業時間:11:30 〜 14:30(土曜11:00 〜 15:00)、
18:30 〜 21:00(火〜木曜のみ)
定休日:日曜日(臨時休業あり)
※営業時間・定休日が変更している場合がございます。ご確認のうえ、ご来店ください。


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