テニスのレッスン

私が幼稚園生のとき、阪急の屋上でやっているテニスのレッスンに通っていた。

その頃私の両親はテニスブーム真っ盛りといったところで、当時マルチナヒンギスを崇拝しており、母は週1でママさんテニス、父も会社の仲間と軽井沢かなんかでよくテニスをしてたもので、よくついて行っていた。

その影響で自分の子供たちもいつかテニスプレーヤーにさせたかったのかどうかは知らないが、テニスに通うことになったのである。

また、私には兄と姉がいるが、この二人はどうも運動神経がなく、早々に運動の面では見放されていたため、ちょっと運動のできる私に期待がかかったのである。

私としては、テニスは好きでも嫌いでもなかったが、この阪急のレッスンに行くのは死ぬほど嫌だったので、できれば休みたいと思ってた。

レッスンが嫌いなせいで、「週」という概念に気づき、確か水曜の夕方に行っていたため、水曜は嫌だな~と幼稚園の時にすでに「水曜日」というものを認識していた。

また、いつもは母が連れて行ってくれるが、たまに祖父母が連れて行ってくれる時があり、阪急の最上階にあるファミレスでクリームソーダを飲むことができるのでこの時だけは少し得だった。
しかしそれを考慮してもマイナスの勝ちというくらい私は大嫌いだった。

先生は2人いて、ちょっと年の行った(とはいっても30くらいであろう)怖い顔の女の先生と、20代前半の若くてかわいい優しい先生だ。

どう考えても若くてかわいい方がいいに決まっている。

同じくレッスンを受けている幼稚園生は確か5人くらいしかいなかったが、2人の先生のどっちかに並ばなくてはならない時は絶対に若い先生の方へ行こうと決めていた。

また30の怖い顔の先生は指導も厳しいので、私は心底こっちとは関わりたくないと思っていた。

ある日、優しい先生の出したボールを打とうと思ったとき、先生の体にラケットが当たってしまった。

「あ、、、、どうしよう」と思っていたら、隣にいた怖い顔の先生がめちゃくちゃ怒ってきた。私も泣いてしまったのでよくわからなかったが、謝れ的なことを言ってたと思う。

私だって申し訳ないことをしたと思っているが、そんなに怒ってきたら、謝るもんも謝れないじゃないか!しかも私と優しい先生の間に起こってることなんだからお前は首を突っ込まないでくれよとも思った。

そのうち小学生になる時がきて、小学生クラスが全く別物になるというので、一応見学に行ったら小学1年生から6年生の大人数が走り込みをしており、(幼稚園から見たら小学6年生はめっちゃ大人だ)「なんて怖い社会だ、、、」と思い、このタイミングで辞めた。


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